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職業幽霊の同居人  作者: 方角ノ辰巳
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第十話『迫る時間』

遅くなってしまってすいません。言い訳としては我が家にモン〇ターハ〇ターワー〇ドが届いてしまって遅くなりましたすいません!!!


 「それでよぉ。奈々夏が口裂け女だったんだよ」

 

 緩んだ頬のまま賢斗が話しかけてきた。俺は購買のコロッケパンを頬張りながら答える。

 

 「ああ、知ってるよ。貞子から聞いた」

 「は? いつ頃?」

 「えっと……貞子が帰ってきた日だから二日前だな」

 

 そう言ってから数秒間、賢斗が静かになったから俺はコロッケパンから目を離し賢斗を見るとかなり不機嫌そうな顔だった。

 

 「なんだ? そんな怖い顔して」

 「いや、なんで俺よりお前が先に奈々夏の秘密を知ってるんだよ」

 「そんな事言われてもな……」

 

 俺はコロッケパンに目線を戻す。

 

 「そうそう、お前らも冷たいよな。俺には何も言わないんだから」

 

 突然聞こえた中性的な声の主は学校一の美男子というより、男の娘水沢(みずさわ)(ゆう)だ。

 

 「確かに貞子とメリーは」

 「確かに奈々夏は」

 「「幽霊だけど、わざわざお前に言う意味とか」」

 

 ここまで同時に言った俺と賢斗はフリーズする。俺はコロッケパンコロッケパンを咥えたまま、賢斗はスマホをロック画面にしたまま。

 咥えたままコロッケパンを飲み込み、賢斗の携帯の画面の明かりが消える。

 

 「「なんでお前が知ってるんだ!?」」

 「おお、なんとも分かりやすい反応を返してくれるな」

 

 俺たちの声量に勇は少しのけぞりながら笑う。

 

 「奈々夏に関しては今盗み聞きしただけだけと、貞子ちゃんとメリーちゃんは本人に直接聞いたんだ。だって二人とも隠す気ないでしょ? 注意して見てたらわかるよ」

 

 元々観察力のすごいやつだとは思っていたがここまでくると怖いな。

 

 「お前の観察力こえーな」

 

 あ、こいつ言いやがった。

 

 「それで? 貞子とかを幽霊って分かってどう思ったんだ?」

 

 俺にとってはここが重要な部分だった。

 幽霊って存在は言ってしまえば都市伝説的なもの、それが身近にいるなら言いふらすやつなんていくらでもいる。勇を疑う訳じゃないが確認しなければならない。

 

 「どう思ったって言われてもな。どうとも思わなかったよ、まさか俺が言いふらすとでも思ったのか?」

 「うっ……」

 

 図星だったため睨まれると少し辛い。

 それにこいつは自分が可愛いことを理解している。そしてそれを最大限駆使するのだからタチが悪い。

 

 「酷いなぁ。友達を売るようなことは絶対しないのになぁ」

 「すまん……」

 「あはは、許すかわりに今度なにか奢ってよ〜」

 

 そう言いながら勇は自分の席に戻っていく。

 勇が女だったら完璧に惚れるよな。

 授業の始まるチャイムがなり俺は残っていたコロッケパンを口に詰め込んだ。


 その頃自宅では賢人に無事告白できた奈々夏が嬉しそうに貞子に報告していた。


 「良かったですね。上手くいったみたいで」

 

 貞子は湯気を立てる湯呑みを口に近づけ緑茶をすする。

 

 「ななかも色々大変?」

 

 メリーは聞きながら少し冷めたミルクティに口をつける。

 

 「大変って言うか怖いんだよ。賢斗に嫌われんじゃないかなぁとか、でも話してみれば案外怖いものでもなかったよ」

 

 嬉しそうに紅茶の入ったカップを眺める。

 

 「のろけないでくださいよ」

 「の、のろけてないでしょ!」

 

 顔を赤くして全力で否定する。

 

 「そう言えば奈々夏さん、学校はどうしたんですか?」

 「ほんとだ、ななか学校は?」

 「すごく今更ね。私の学校は今日入試だから休みなのよ、そういうメリーはなんで休みなの?」

 

 呑気にミルクティを飲むメリーを見る。メリーの通っている学校に受験制度などなく、今日は普通に学校があるはずだ。

 

 「学級閉鎖になったの」

 「へぇ、確かにインフルエンザの季節になったもんね」

 「インフルエンザなってないのなんて5人ほどらしいですよ」

 

 ということで女子三人でグダグダとずっと話し続けている。

 

 「あ、クッキーなくなりましたね。適当にお菓子持ってきますね」

 「あ、ありがとー」

 「ありがとう」

 

 貞子は立ち上がり、台所へ向かおうとした時に足元がふらつく。

 

 「う……」

 

 そのままぱたりと倒れ込む。

 

 「貞子?!」

 「貞子先輩?!」

 

 メリーと奈々夏がすぐに駆け寄り、意識を確認する。意識はあるもののかなり虚ろな表情だ。

 

 「あはは……すみません。ただの立ちくらみですので気にしないでください」

 「貞子、あんた霊力がまた落ちてるんでしょ?」

 

 奈々夏の言葉にメリーは目を丸くして、貞子は目をそらした。

 

 「もう少し持つと思ったんですけどね、翔さんには何も言わないでくださいね。いつか私からちゃんと言いますから」

 「貞子……」

 

 貞子はすっと立ち上がりクッキーを皿に並べる。さっき倒れたのを忘れさせるくらい顔色も戻っていた。それでも奈々夏とメリーはの心配と不安は消えない。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

今回の話でまた少し話が展開していきましたがこれから貞子がどうなるか心配ですね。

話は変わりますがモン〇ターハ〇ターワー〇ドには驚かされることばかりです。こんな敵がいっぱい出てくる話とかも面白いんだろうなぁと思いながら次の話を考えます。

次回も楽しみに待っていただけたら嬉しいです。

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