第5話棚とぼた餅とプラチナ様
むさい男3人に囲まれた青い髪の女の子。同い年くらいだろうか。
「当たったっていてるだろぉぉ!この足によぉ〜。痛い痛い。死んじゃいそうだわ。どーしてくれるんだよ?」
「兄貴ぃ大丈夫ですか?。折れたんじゃないですか?」
「どう落とし前を。フヒヒ。」
スッゲー勢いで絡まれてるんですけど。
「おやめなさい!下郎共!恥ずかしくないのですか!いや、恥ずかしいわね。フフフ。」
せ、先輩。煽るってレベルじゃないですよ。無謀だぁぁ!
「…無為無能。低俗。」
ぐ、軍師としては無策じゃないのか亮子ぉぉ!
スタタタ。ズドン!
亮子の肘打ちが多分ボスキャラの鳩尾に吸い込まれた。
スー。ドゴォ!
部下の1人の手を引っ張り背後に回り背中で体当たりを繰り出す。
「…裡門頂肘。鷂子穿林」
しゅ、瞬殺やないですか。てか、それどこで覚えてきた?
「ぶ、ブヒ!?兄貴達ぃぃ!!」
「ぐ、グハッ。イキナリ、た、立てねぇ。」
「…八極拳に二の手要らず…」
「亮子さん。マネージャーしかしたことなかったよね?」
「こっちの女ならおれでも!ブヒィぃぃ!」
や、やばい!戦意がまだ残ってるとは!!先輩が危ない!
パシッ。グルン。ズドォォォン!!
て、手を捻って相手が一回転しましたけど。
「合気道は淑女のたしなみ。豚男は地面に這いつくばるのが似合ってますわよ。フフフ。」
達人の域だぞ!アレ。漫画でしか見たことないよ先輩!
取り敢えず倒れた3人の顎を蹴飛ばして、追い打ちをかけていくイッチー。半端ないなお前。
「大丈夫だった?超ー絡まれてたけど。もう大丈夫っぽくない?それともマジやばい感じ?」
「だ、大丈夫です。宿の掃除をしてたら絡まれちゃって。私よく絡まれちゃうんです。」
たしかに、可愛いからみんな絡まれちゃうんだろうなぁ。って、宿!?チャーンス!!
「よかったら、その宿に泊まりたいんだけどどのくらいするのかな?」
「お代!?助けてもらったので、要らないですよ!むしろ用心棒としてしばらくお願いしたいです。」
渡りに船!宿屋ゲットだぜ!
「男女なんで、二部屋とかでもいいかな?」
「もちろんですよ!」
「お父さんに聞かなくてもいいの?」
「え?この宿屋は私が切り盛りしてますから。こう見えても、あ、年は内緒です。」
見た目とは違うんだな。でも助かる!
「お姉さん。鍛冶屋的なものってないですか?超鋼を叩きたくてウズってんだけど。」
金属マニアのプラチナが、末期症状みたいです…
「それなら離れに、パパが趣味でやってたとこがあるので使ってくださ」
「マジマジまじまじ!!!神キター!どこどこどこ?すぐいこっ」
あ、連れて行かれた。
「さて、宿屋は確保したし、悪者はイッチーが木に縛ったし、観光と行きますか!」
「「おーーーー!」」「…oh」
取り敢えず村をまわってみた。話を聞いてわかったことはこうだ。
お金は金貨、銀貨、銅貨、鉄貨があり、鉄貨50枚でご飯が食べれるくらい。1枚で10円くらいの価値ってこと。100枚単位みたい。金貨ってやべえな。モンスターは傭兵的な人達が駆除してるみたい。各自でドロップ品を問屋とかに売ってるみたい。ギルド的なものはなく、魔法石もアクセサリー屋さんに二束三文で売れるみたい。みんな馴染みの卸屋を持ってるってことだね。モンスターに悩まされてる農家の人が多いのもわかった。魔法的なものはなく、モンスターしか使えないみたい。
みんなで持ちあった情報を宿屋の一階で話し合ってたところにプラチナがホクホク顔ででてきた。
「矢尻沢山と、刀一本作ってみた!刀は置いてあった剣を魔改造。うひひ」
「「まじ(です)か!、」」
刀マニアな僕は直ぐにその刀を触ってみた。
「こ、これはぁぁぁぁぁぁあ!!!!なじむ!馴染むぞぉぉぉぉぉぉ!!」
「この矢尻はすっげぇ!スッと入っていきそうな形状!」
「刀は備前長船長光をイメージしてつくってみたよ!。佐々木小次郎のあれだね。超カッコいいでしょ。矢尻は竜舌にしたよー。」
才能が満ち溢れております!この刀で練習してた燕返しが出来そうだ!
「た、試し切りするぞ!」
頭に高さくらいの枝に目をつける。
「秘剣。燕返し」
シュ。シュ。キンッ。
目にも留まらぬ速さで、下段から掬い上げ、上段からの打ち下ろしを高速で行う。枝はそのまま二つに切れて落ちた。
「うおぉぉぉ!斬れ味やべぇ。人斬りてぇ。あ、うそうそ。」
みんなは目を丸くして落ちた枝を見ていた。
「なんで、一回しか切ってないのに枝が二つ落ちたのかしら。音も二回したのに一太刀しか…タケルしゅごい」
「…Mode.小次郎」
先輩の語尾がスゲェ可愛くなってるんですけど。可愛い。亮子は厨二っぽいけど、なんかかっこいいな。
「あと、この魔法石なんだけど、これを杖に埋め込んでみた。チョットみててよー」
なんか集中するプラチナ。杖を前方に構え。
「ファイア!!!」
前方に広がる炎。プチ火炎放射器みたいな状態に。
「おぉぉぉぉ!!魔法は使えないんじゃなかったんじゃないの?」
「ヒトカゲっぽいのがファなんとかって言ってたから、もしかしてと思ってやったらこれなわーけよーん。そして指向性をもたせた杖がこちらです。」
プラチナが先端が銃のようになった筒状のものが二つついた杖をもってきた。
「ファイア!!」
前方に火の塊が飛んで行って当たった木が燃えております。
「ウォーター!!」
同じように違う筒から水の塊が飛んで行って燃えていた木をぶち壊しております。
「ハァハァ。どうかな?」
「「あんた、最高だよ!!」」
「才能の鎌足ね。大化の改新。」
「…ハラショー…」
各々プラチナ様を褒め称えずにはいられない状態で、初めて芸能人を空港で見かけたような熱い眼差しでみるのであった。
「今日はもう遅いし、明日から狩りだ!モンハンだ!」
「頑張りましょう!」
「やってやるぜ」
「応援はまかせなさい。白組でいいわよね。」
「…魔法使いtai」
テンションも上がりつつ、身体はヘトヘトな僕達は美味しいスープとパンを食べ寝ることにしたんだ。
みんな。おやすみ。




