第4話スマホと村とトラブルと
テーンテレーンテテテテテーン♪
「スマートフォン!」
いや、これは全然役に立たないだろ…
「流石タケルね!ワクワクする音楽が流したから期待させといての、コレね。」
「タケルくん!電波さすがにないでしょ?」
「…奇天烈」
「なんで◯フォンじゃないんだよー!」
すげーディスられてるんですけど俺…しかも後半はいわれのない文句が。
スワイプしてっと。なんだこりゃ?見たこともない地図が広がってる。
センターに光る点、これは現在地か。西の方に村っぽいアイコンが!ワンチャンお風呂もあるぞこれ!
「皆さんに盛大にディスられましたが、コレ、すげー使えます!」
「う、嘘でしょ!?アンテナもないし、がっかり上手のタケルが、出来る子になるなんて、今日は赤飯ね。」
先輩もご機嫌みたいだな。
「なんか赤いトカゲみたいなのがいるよ!」
「…沙羅曼蛇」
プラチナの索敵能力はすごいな。亮子はなんで横シューティングの話を…
「イッチー!たのむ!!」
「すでに心技体lock-on状態だ!BABY!」
「と、とりあえず打って。」
ギギギ、ヒュン!
「ギュアァァァ」
相変わらずいい腕だ。今度も身体の中心を正確に射抜いてる。
「ファ@&¥&¥¥¥&」
なにかしゃべったと思ったら、今度は前方から火の玉が!
また俺の体が無意識に火の玉を、斬る!目の前で真っ二つに割れる火の玉。
頰が少し熱いが、気にせず近づき、トドメを刺す。
また、煙と共に赤い石と、金属片、硬貨らしきものが落ちた。
「プラチ」
「どちらとも銅ね!」「…魔法的石」
すげー食い気味に回答する2人。てか、さっきから魔法的な石ってなんでわかるんだよ!という疑問が沸々と湧いてくるが、すごく難しそうな回答が来そうだからキャンセルだ。
「硬貨は村で使えそうだね」
「どのくらいの価値があるのかしら。とりあえず矢尻の代わりに鋼を鬼集めするわよ!」
スライム狩りを強要するお嬢様。ま、弓の強化が戦力強化につながるから正しい判断だ。
戦いにおいてまずは遠距離戦が定石だもんな。陸海空の空の部分にあたるわけだ。
スライムをプラチナが見つけてはイッチーが正確に射抜いていく。地面に縫い付けられたスライムを俺が淡々と突いていく。工場のアルバイトみたいだな。やったことないけど。
「凄くあつまったわよ!スイートくらいとまれそうね。フフフ。」
硬貨をジャラジャラしながらニコニコの先輩。矢のストックから、ドロップ品の管理までてきぱきとこなしていく。頼りになる存在だ。
「思うんだけど、みんな不安とか無いのか?スゲー環境に適応してるんだけど。」
みんなを見回してみる。
「野外活動と思えばなんてことないわよ。どうせ、また光って帰れるんでしょ?」
「金属と鍛治が出来ればどこでもいい!金属!さいっこ!」
「…摩訶不思議冒険。唯一無二。」
「帰りテーよマジ!弓打ちすぎてマジダルビッシュ。でもこの女子3人のパラダイスは、捨てられない!」
みんな割に大丈夫そうなのね。俺のせいのとばっちりなのに、なんか申し訳ない。
日も暮れそうだし、この近くの村に行ってみるか。
「そろそろ村に行ってみよう!」
どんな人たちが住んでるんだろう。話しとか通じるかな?マジ不安だわ。
モンスターを狩りながら木のバリケードに囲まれた村に到着した。
「すいませーん!いれてもらえませんか?」
「ボウズたちどうしたんだ?見ない顔だな。」
おっ!言葉通じてる!っしゃー!
「親とはぐれてしまいまして。」
「そいつは大変だ!取り敢えず中に入って、あったかいスープでものみな!」
なんかすっげえいい人だ。涙出そうだぜ。
「「すいません。お邪魔します」」
みんなで門を2つ程くぐり抜けると、緩やかな坂になっており、道の各箇所に色んな建物があり、活気に溢れていた。
酒場や、市場、屋台なんかもある。特に酒場の活気はすごいものがある。
大人の社交場ってやつだね。みんなお酒に飲まれてるのさ。
人も目が青や赤や色んな人種がいるがほとんど西洋人だが、以前から仕入れていた知識の通り、む、胸がデカイ!!コレが世界基準か…外国人に生まれたかった…
「おーーー!マジ人いんじゃん。西洋人だらけだな。ゆるい服だらけで目の動きがとまんねーぜ!?ぐはっ!」
「…失礼千万」
せ、箭疾歩!初めて見た。良かった口に出さなくて…亮子ちゃんなんか拳法とかしてんのかな?
先輩は倒れたイッチーをゴミを見るような目つきで見下ろしている。言動は大事なんだよ。うん。
「取り敢えずご飯食べるとこさがそっかー。肉!超ー肉食べたい」
「名案だぜプラチナ、だが、先に宿と物価確認だ!」
俺がもっともらしい発言をしてみる。うん。ナイスリーダーだぜ。
自分の発言に若干うっとりしているところに、甲高い悲鳴が聞こえてきた。
「キャァ!やめてください!」
当面の宿を探す俺たちの前に、ガタイのいい男たちに絡まれた女の子が!!




