第18話気絶と魔法と気絶
ワイワイ。ガヤガヤ
「魔法石とモルフォンと鹿の肉をたのむ!!」
「こっちは皮とまん丸肉!」
たくさんの冒険者達がギルドを利用し、とても賑わっている。
魔法石はプラチナの魔法研究に役立っている。いい事だ。
買い取ったドロップ品は商人達に素早く流通させていく。
常に商人からのニーズが流れてくるように仕組みもできた。
白金工房こと、ミルミルさんの宿屋の離れに来てみた。
プラチナの研究を覗きに来たのである。
ガラガラ。
「おーい!プラチナー。調子はどうだーい。」
「ふぁー。な!な!?はわわ!」
何故か工房でお風呂に入っているプラチナがいた。
「お、おっす。」
「お、おいっす。じゃなくて、キャーー!」
慌てて飛び出る俺。今日は備前長船長光を持ってたおかげでパニックにならなかったぜ。佐々木小次郎に感謝。
しばらくして、服を着たプラチナが出てきた。
「魔法のウォーターとファイアで、お風呂を作ってみたんです…」
「そいつはナイス発明だ!水は貴重だから助かるね。」
「作ってる最中に魔法石と魔法の容量についてちよっと分かったことがあるの…至急みんなを集めて話し合いたい…」
いつものハイテンションなプラチナとは代わり、真剣な表情で俺に訴えてきた。しかもかなり疲れてるみたいだ。
やはり一人で研究してもらわずに、二人でしてもらった方が良かったのではないかと考えてたら、ふと視界の端っこに倒れている亮子がいた。
「ちょっ、ちょっと、あれ?亮子ちゃんが倒れてるんじゃない?」
「あ、亮子ちゃんは研究の犠牲者なんです…強力な力にはやはり犠牲を伴うみたいで…」
お、おう。なんか早くみんな呼んでこよう。
ガタッ、ドガッ!
壁や扉に当たるのも気にせず急いで俺は飛び出した。
「先輩!イッチー!エイ君!急いで工房に!至急集合だ!」
「どうしたの?落ち着いて、深呼吸して、ヒッヒッフー。フフフ」
「先輩ソレはオギノ式じゃないっすか!ヤマタケは妊婦じゃないっよー!だははは」
イッチーそれはラマーズ法だろと、突っ込もうと我に帰り、れいせいになれた。流石イッチーだ?
「プラチナが魔法についてなんか掴んだみたいなんですが、様子がおかしいんだ。みんなに話したいことがあるって言ってるので、集合しよう!」
「様子がおかしいんですね!皆さん行きましょう!」
唯一の良心だよ、エイ君。
せかせかと歩を進め、みんなで工房に向かった。
「プラチナ!呼んできたぞ!」
「みんな集まってくれてありがとう…研究の成果を話すわね…」
「…清聴」
「魔法の使用量には人間と石それぞれに限界があるの…使いすぎると気絶するし、石は壊れてしまうの。」
「それで地下5階で倒れたわけか!てことは、さっき倒れてた亮子もそういう事か!」
「そういう事。しかも個人ごとに得意な属性も容量も違うの。ただし、限界を超えると容量も増えるみたい。」
「私も魔法少女になれるのね。ヒラヒラな服を用意しないといけないわね。フフフ」
「僕も使えるんでしょうか!楽しみだ!」
「俺は弓があるしなー。」
「みんなで色々試して、データを取らないと!」
俺のデータ取り魂に火がついた瞬間であった。
その後、俺の鬼のデータ取り熱の下に、各自魔法をそれぞれ試し、気絶していった…




