第11話墓場と骨と軽視
階段を降りた先は墓場だった。
1面に墓が建てられており、なんとも不気味な空気を漂わせていた。
「なんか超出そうなんですけどー。幽霊的なの出そうなんですけどー。」
急にプラチナが騒ぎ始めた。ビビっているらしい。可愛いの。
「白金さん。そ、そんなの出るわけないじゃない!幽霊なんていないのよ?出ないわよね?タケル?」
先輩がいつになく弱気だ。何だかんだ言っても、やっぱり女の子だなー。さて、亮子ちゃんはどんなになってるんだろーなーと横を見ると。
「ガチガチガチガチガチ。」
震えすぎて歯がガチガチいってる亮子ちゃんが体を震わせていた。小動物感が半端なく可愛い。女子は全滅だな。
「マジカメラ忘れたの悔やまれるわー。うーうー、きっと来るー♪」
「俺が守ります!!この盾に誓って!」
野郎どもはなんかスイッチが入ってるみたい。
奥に向かって歩いていくと、地面が盛り上がり、出ましたよ骸骨のやつ!スケルトンです。では、女子達のリアクションをどうぞ。
「「理科室の出たー!!!」」
どういうリアクションだよ…
エイ君が走り、盾でぶちかまし、骨を吹っ飛ばしていく!
バラバラにそこかしこに骨が散らばるが、しばらくしてくっつき、再びこちらに近づく。
「不死身なのか!?」
戸惑いが隠せないエイ君。
「…中心コア破壊。」
軍師的発言来ました!確かに心臓あたりに光るものがある。
「エイ君!もう1度ぶちかましてくれ!」
「はいっ!オラァ!!」
バラバラに散らばった瞬間に、俺の刀が一閃する。
「シッ!!」
真っ二つにコアが切れ、煙と共に銀貨と黒い魔法石が落ちた。
「また宿題の時間だな。」
「次こそは当ててやるぜー?」
ふざけながらもイッチーがスケルトンのコアを次々と撃ち抜いていく。
女子たちは少し慣れてきたみたく、攻撃を始めた。
「…打開!白虎双掌打!!」
「セイッ!!ヤァッ!!」
亮子が打撃でバラバラにしたところに先輩がとどめをさしていく。
「しかし、きりがないな。墓の数だけでてくんのかよこれ!?墓はあるけど儚い感じだなこりゃ!」
「…才能皆無」
「勢いでなんとかなると考えてるみたいね与一君。残念だわ。」
「墓と儚いだけじゃなく、有ると無いもかかってるんですね!天才じゃないですか!!」
「さむっ!!さむいっ!!イッチ―の方からペンギンの形で伝わってくるよっ!!」
イッチ―のサンドバック状態を確認しつつ、一回考えてから喋ろうと心に誓った俺だった。
しばらくして、やっと当たりのスケルトンを全滅することができた。お金ザクザクですよこれは。
しかし、すごい数だった。やはり5パーティーくらいで来たほうが大分楽ができた気がする。
仲間とか情報の共有とかそういうのを、やっていかないといけないなと今後の冒険者達の取りまとめを考えつつ、先に進んでいくと、階段を簡単に発見してしまった。
一応みんなに提案してみることにした。
「このまま下に降りるか、いったん帰るかちょっと考えようか。」
「楽勝だし、このまま降りようぜ!モンスターの湧く原因を早く突き止めて、報奨金もゲットだぜ!」
「時間もそんなにかかってないし、降りてみてもいいんじゃないかしら。」
「敵討ちも果たしたことですし、僕はお任せします。」
「…猪突猛進」
「魔法もあるし、かんしゃく玉もあと1つあるし、超余裕じゃない?」
「よし、降りるか!」
こんなに簡単に何もなく進んでいくことに、若干の不安を持ちつつ、地下四階に降りることにした。




