第9話盾と盾と仲間
朝早く宿屋の一階に集合した僕達は、昨日の宿題をもって集まっていた。
「俺から行くぜ!みどりだけにーーー?木だ!!木がにょきにょき生えてきて、蒔きにもこまらないっ!グレイトだぜ。」
「ウチも同意見!フォレスト!!!もう、木が超生えてきて森になっちゃいます!」
「自然に優しい、地球に優しい魔法ね。フフフ。私は亀。亀の甲羅が、出てくるの。」
「では、ツリー!フォレスト!!!タートル!!ハァハァ。」
全然ピクリとも光らない。
「…風林火山の風。」
「「それだ!」」
「ウィンドウ!!」
ゴゴゴゥ!!ものすごい風が生まれ、吹きつけていく。
「すごい!超すごい!!相手の矢も無力化できるし、火と組み合わせたらとんでもないことに!!」
白金さんが急いで工房に走り出した。
「ありゃ、白金さん飛んで行っちゃったね。僕達は情報収集でもしに行こうか。」
「良いアイデアね。まずは馴染みの道具屋に行ってみましょう。」
カブトさんのお店に到着すると、大きな盾があった。いや、正確には大きな盾を持った若者が座っていた。
「チョーデカイ盾!!って、誰かいるじゃん!てか、おっさんの店は皮しか売ってくれないぜ?」
「おっさんって言うなって言ったよな?皮以外も売っとるわ!」
青筋を立てたダインさんが奥から出てきた。口は災いの元だよ、与一君。
「こいつのパーティーは、地下二階に入って全滅しちまってよ。自分の力がもっとあれば、みんなを助けれたのに、何かありませんかって凄い泣きながら頼まれてよ。俺もそういうのに弱くてな。ショルダーアタックでも倒せるように肩に金属製の盾をつけてやることにしたんだよ。」
「よし、俺たちのパーティーに入るんだ!」
「ちょっと与一君!みんなの意見も聞かないっと、って、まだ名前すらしないよ?」
周りを見渡すと。涙ぐんでいる女子2人がいた。
「おいでなさい!私達のパーティーへ!」
「…友情・努力・勝利」
なんだか、ウエルカム状態…
「俺からもお願いします!!名前はエイギス・ガラハッドって言います。あの緑の化け物を倒したい!でも、俺だけじゃどうしようもないんです!!助けてください!」
「救いを求める手を跳ね除けることを、私達はしないわ。しかし、両手に盾を持ってそうな名前ね。よろしくね。エイ君。」
「…盾君。歓迎」
「えーちゃんの後ろは俺が守る!よろしくぅ!」
「というわけで、全員一致で歓迎みたいだね。ようこそ僕達のパーティーへ。」
肩の盾を2つ買ってあげて、宿屋に戻ることにした。
「「おっかえりー!」」
笑顔の白金さんとミルミルさんが飛び出してきた。
「杖ができたよぉぉ!」
「私は二種類の肉を混ぜて焼きましたよー。新メニューです。」
「ハンバーグだな。」
「ハンバーグね。」
「…I'm love it」
杖に対するコメントをしてあげてよー。
「どんな杖にしあがったの?」
「風と火の順に魔法石を並べて設置して、順番に唱えるとファイアーブレスになるのだ!」
コレは火単体よりもずいぶん強力な予感で一杯です。
「あっ、新しいパーティーメンバーのアイギス・ガラハッド君ね。こちらはうちの天才こと白金さん」
「よろしくお願いします!パーティーの盾になります!」
「よろしくなー。うちは、エイ君の負担を減らせるように頑張るね。」
「チューわけでご飯だっ」
ミルミルさんの新メニューをがっつく僕達。エイ君も早く馴染んでくれると良いな。
ご飯後もいろいろ話を聞き、エイ君のパーティー以外にも地下二階に挑戦してる人達がいること、魔法石が色々ドロップしてるが持て余していること、けが人が多く病院がパンパンだということが分かった。
みんな部屋に戻り、2つを解決できれば良いなぁと考えながらも眠りについた。




