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2ー3,どうやら皆が動いたのに動かなかったようです

「おい、そんなに引っ張るな 

逃げるんじゃないんだから」


いつまでも引っ張っているのでそう言うと

やっと離してくれた 駆け足で長く動いたので

息が荒い ふうふう息を吐いて屈んだ

あいつ、老人じゃあなく子供なのか?

見た目と違うな


「まだ先なんだ!半分も来てないよ!」


やたらハキハキに喋るなんか裏と表みたいに

感じて中の像はこうではないんだと

語っているのが滲み出ているのかな?

容姿がそう見えるのか?でも何処か

君はやらないよ、とも取れてしまう

逃げることだけでまとめるのは何かを踏み抜く

様で怖い事かもしれないと

警戒が高いのだが離れずに居ようと思う


「もっとのんびり行こうよ」

「そうだね、ゴメンね!」


ここまで来たのは二人だけである

別にそれは付いてこいと言っている訳でなく

何をしてるんだろうとかこいつと二人なのか

と言う不満なり他愛のない考えである

あの子達はなんとなく召し使いとかメイド

に似ていて周りに離れずに付き添うだろう

と言う気持ちがあったので

少し拍子抜けした感じがあった

ともあれもともとの所一人でいたので

余り深く考えなかった 好きにしろとも言って

しまったし自由に何処かに行くのは

文句を言うことではない

止められるのもいやである

ならオレはなにもせずこのまま付いて行く


「ぼくも一人だったんだ!みんな相手にしてくれ

無くてね、 周りの奴は組織に縛られた生活を

暮らしていたんだ!上でもおんなじさ!

ガチガチに並べられてその上の狭い間で動いて

いたよ!ぼくの住んでいた所は厳しいんだ!」

 

その方がいいことがあるのは知っていたので

同じ境遇だからといって名乗り合うのは

恥ずかしい事ではぐれ者に代わりない

でもこいつはそうは思っていないのかな?

なんて単純に見えた


「よくそこから逃げて来られたね、なんで

捕まらなかったの?捨てられたってこと?」


オレに取って捨てられたは悪い言葉ではない

自由になったという意味合いが強い

強がりはかなりあるが……こいつには

通じるんじゃないかと期待した


「残念!その方が良かったけど… そんなに

甘くないよね!なんか理由付けてそうしている

とか言われるんだよ!全く困っちゃうよね!

なにもしてくれないのにね!」

「今回は、この世界を偵察してこいだってさ」


うん?この世界?

「なんか人でないと言ってる様に聞こえるけど

もしかして ……」


「ああ、ぼく魔物だよ!でもちょっと変わってる

んだ!君が飛ばされた時に影響を受けて

こうなったんだよ!だから仲間でいいでしょ?」



騎士は森の中を駆けていた

馬もかつてより動きが良い 色も抜けて

白い馬になった 自分が努力した分より今の

方が上であるのが少し悔しいと言う気持ちが

拭えない まだ納得する何かを見つけていない

それがとても不快で引き摺る鎖に見えた


「お話しをしても良いでしょうか」

隣にあの子が並走しているシャミイだったか

とても可愛い男の子という印象だが女の子と

言われても驚きはしない

性別がないと言う方が納得できる

きっとそうだろう ただ服装は女の子だよ

フリフリが似合っている

その子が馬と並走しているのは

なんとも不憫で思わず速度を落とす

平気な顔で合わせる様はどうも幻のように

フワリと降り立った


「どうかしたの?」やはり下の子に問うように

目線を合わせる しっかりと見据える態度で

その体を精一杯伸ばしている

少しは知りたいと期待した通りで今までは

満足がある 

更に充実はしないだろう それは普通の

考え方で自分は知りたい欲求を押さえることにした


「私は町の中を見てみたいのです、

どのような所で何があるのか知りたいんだ!

見てみたいんだ!」


急に口調を変えて何か有るのかと思えば

服のスカートのフリルを気にしている

男に目覚めたのか?何かさっきとは性格も

変化しているみたいに手を払いぱたぱたとはたいた


「嫌なら町に服を取りに行くが……君は男なのか?

しかし一緒に連れては行けない

それを話しに行くから許可が下りてからになるね」


「それを一緒に行こうと言うこと、その方が早いでしょう?

私なら誰もいやがらんだろう?」


なんか言葉がバラバラで自分が定まっていないのか

まだ何も決まっていないのか

わざとしているのか探っているのか

とても不快で恐ろしい そんなやつと行けるか


「失礼だが、今の君は連れていけないよ 

とても不安定になってることを気付いてる?

町で何かあれば困るからね ごめんね」


工芸品質の置物が生きていたのが今止まった

いけないことを言ったのだろうか?

「好きなようにしていたのがいけないのですか?」


明らかに狼狽えている あんなにしっかりと

いていたのが嘘みたいにふやけていた

形がそのままでいることでなんとか保っている

ああこれは見た目より幼いのか

産まれたばかりの赤ん坊、いやそうではない

こちらこそ隠された人格なのかも


「自分のままに行こうってことで自分を無くせとは

言われてはないだろう?

何もかもフリーに行こうって思ったのかい?それは

無理だよ」


初めから人であるなら自分があるしそれを嫌いには

なっても元からすげ替える事は出来ない

自分で無くなれば死ぬのと同じだ

二度と戻っては来ない それだけでも

この子は何かがずれている

まあそれが性格だと思えばそうなのかもしれない

とにかくこんな子はみた事ない


「私は私のままには、…そうですか 最初の者が

自分を形創ることを推奨すること」

「連れて行ってはくれないですか?勝手に入りますよ?」


「それは困るな、しかし一緒でもいいというなら

其なりに長く拘束すると思うが いいんだな」


あまり深く入り込むといけない 違うことは

強制など無意味 付き合い方は其なりにある

どうせそれも駄目というからね


「それが条件ですか?その辺はなんとでもなりますけど

……幾つかお話ししましょうか?」


ふむやはり突っ込んできたな さてさて


君のような仕草は昔の中では若い頃の思い出

を繰り返しているみたいだけど 懐かしいね

「まずは、あなたに見えない様になることで気に

ならなくなります 

次に………」


「もういい!!」


馬の手綱を取る、馬と並走したければ

「待って下さい!」

「あいつはそれで怒るのか?」

睨まれる まんま子供のそれだ

もう少しやれるのかと感じたことを 

ささと進む走るとしてどのくらいで着くかな

夕方には町に着けるだろう 


「あなたなんて嫌いです!!」

女の子ぽい伸び上がりで顔を背ける

どうやら性格を女性に設定したのが笑えた

クスッとしたのが更に不快にさせて最早交渉決裂は

決定的になった


「では明日また遊びに来る、なにきっと入れる様に

するから待ってて欲しいな!まだいるだろ?」

「連れて行って欲しいからね」


「勝手なことばっかり!………」ぶちぶちが似合う

きっとモテるだろう それは何かけしからんな

いけない世界が広がりそうだ

男の女が似合い過ぎて女の男なのか議論が巻き起こり

そうだがどちらにしてもこれは注目されるだろう


ぜひ町に来て欲しいと思う

 そのままゆっくりと離れて行った


ロボ姉…フュプナスは森の上を飛んでいた

あの後すぐには動かず少しじっと佇んで誰がどう

するのか見ていたのだ

特にシャミイのことを考えて注目していた

自分の判断が彼女?とどれほど,違う,のか?

確めないといけないと思ったのだ

おそらくはそのままで何もしないし強制などは

不可能とやる気もないでしょうね

彼はそれでもいいと思っているのに………

そして騎士との話を諦めたところで行動に移す

事にしたのだ


近くまで行くと森の中からあちら様が出てきた

そのまま上空に飛び上がる

 当然同じように上がって来る

雲よりほんのちょっと下で止まる


「私達はかつては同じように思考していた

しかし自分を与えられたの、…それは素晴らしい事よね?」


「そうね、近くに居てももう同じではないし

私はそのままで良いと思う

 貴方が何もかも満足してるとは違うのがわかる…

何かやりたいのね」


最初に聞いたのがフュプナスでそれに答える

シャミイだった


「私は彼があのままでいるのが気に入らない

彼が何もしないのが嫌なの、

彼にはもっと色んな経験を積んで貰いたいのよ!」


「そのままではまた死に向かって行くだけだからね、

確かにあのままでは繰り返しを重ねるだけでしょう

でも何をするつもりなの?」


「貴方は本体を持っているから許可はいらないでしょう?」

何故そんなことを聞くの?

嫌な予感がする


「彼が動かないなら最初の人を復活させる!」

!!

最初の人、…それは彼に飲み込まれた方の

,本来転生する筈だった人格,

の事、選ばれそもそもの発端的な人物

私達の元の授与者 だった者


「それをやっても管理者は変更できないのよ?

でも貴方が認めれば大丈夫ね、…与えてどうするの?

反乱でもするの?」


「彼とは気が合わない、多分傷つけてしまうの…

だから貴方にお任せするわ

私は離れるの!…その為よ……」

そういった後手を前に出し両手の間に力を込める

マンガによく出るエネルギーの球が出来上がり

それを人型にするまだ小さいそれをお腹にしまう


「本体は貴方が持っていなさい

私も使うけど、…貴方の方が必要だから

沢山使うのよ!」


「ありがとう、ねぇさん… サヨナラ」

シャミイは降りて行く フュプナスは森を越えて

消えていった


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