2, やっぱ妖精ってたいへんみたいです
「ああ~ああ~」
ずっと頭抱えている なんかまたやっちまったかもしれん
調子乗りすぎたかね これは何とかしないといけませんね
「ごめんな、ホントにごめん、…謝るよホントごめん!」
しっかりと膝を揃え直立した後がばっと膝をつけたまま
座り込み頭を地につける
土下座が完成した これでダメなら打つ手はない
終わりだ この子との関係は長くはなかった
正直言うと気にはなっていたのだ
ただもっとよい出会いの方がこの子にとって有益に
なると思ったのだが……どうやらそうではなかったらしい
すぐ目先の事に行くのは悪い癖だ
いつもそれで失敗する、… ホントに嫌になるね
今もそうだ、すぐやっちまう 治らないもんかねこれ
あの子は元に戻したい
気持ちは伝わったのかな
まだ狂っているのかな
おでこをつけたままなのでどうなっているのか
さっぱりわからない
少なくとも襲われる事はないと思うけど…
少し位叩かれてもいいと思うのでおさまって下さい
ホントに洒落にならん
でもこれってなんか訳わからん神に御祈りするのと似てるな
しかも最悪になってきている
どうゆうこと? なにもしかして巻き込まれ?
ここって現実だよね、夢じゃないよね?
「貴方が選択前召喚者か、…あの子は帰したから……
これから私が貴方の担当よ よろしくね」
また新しいの出て来た!!
なにこれ無限ループなの?
逃げられない固定の選択肢無しなのですか………
まあ妖精キライではないよ、キライでは……
顔を上げて座ったまま姿勢を正す、目の前の
妖精さんの姿が変化していた
今度は半分機械化の妖精さんだった
脚が針の様で顔は冷たく無表情大きさも八十センチほどになっている服というより鎧になっていかにも強そうだ
「初めまして、わざわざ来て頂いてありがとう
ございます よくわからないけど宜しくお願いします」
すかさず低姿勢で対応した、多分お怒りの様子であると
見た感じ取れたからだ 元々オレがヘマした訳だし
まだ反省しているのだ 来たからもう済んだでは
納得はできない、オレだって説明が欲しいのだ
「あの、…それで… ご用件は… 何であるのでしょうか?
やはり貴方に触れるというモノなのでしょうか……」
まずは前回の復習である
というかそれしか情報ないよ
「そうではあるのですが、…まずは先代の話をさせて下さい」
先代?あの前にいた子供の事か? 確かに気になるな
「あの子の事ですか?確かに気になります、オレのせいでなにか良くない事になってやしないかと……」
「引き隠る様に黙って貴方を見ております、…
もう貴方の前には出られないと思います……
あの子の望みは叶いませんでしたから
失敗したのですあの子は………」
………失敗したか、… これはやはりオレがやらかしたから
なのか? あのモノリスに触れる事無くあの子にも適当に触ったからだよね?
関係無いとは言いたくない 少しだけ言葉足らずであったとは思うが オレもよく聞かなかったのだから
同じ間違いもしたくない
「そうでしたか……… あの子とはもっと話しがしたかった
そうゆう機会はもう無いのですか……残念です」
「私はあの子とは知り合いであったので頼まれたのです
貴方について行って欲しいと、
あの子の意に添うように
努力していきたいという所存です」
「あっはいよろしくお願いいたします」
思わずお辞儀をしてしまう
だってなんか向こうかしこまっているんだよ?
つられた様にしてしまった
えっとどうゆうことなんだ?未だ訳わからんね困ったね
「えっとでは貴方様が今後わちくしとご一緒して頂けるということで良いのですか?」
「はいそうです、宜しくお願いします」
またお辞儀をしてくれた
髪の毛がキラキラしてとても綺麗だ
銀髪の騎士って所かな?とても機械化しているが
上半身は生身である様だ 妖精羽はある
「それではまずわちくしがしなければいけない事は何かあるのですか?やってはいけない事はどんな事なのですか?」
今までの事からまずはこれやっとけ!でないと痛い目合うよ
な事があるのはわかった
それは避けた方が絶対にいい
適当にやって上手く行くほどオレの運は良くないらしい
それにこの子も前の子の様にはしないだろう
「その〝わちくし〞というのは止めて下さい、
それに正座もお止めになって下さい
あの子に怒られます」
あっダメ出し頂きました そうだよね可笑しいよね
「す、すいません!」
さっと立ち上げる 若干痺れたようだふらふらする
「大丈夫ですか?けが等されると私が
責められるので気を付けて下さい」
どうもよそよそしい これは第一印象最悪
というやつだね それか仕事ですと暗に
言われているのか てことは外では
関わりたくないと言うことか……
外見と同じで中身も固いんですね でも何か
それがいい なんだろうさっきの子とはまた
違いがあって新鮮でもあり素晴らしい
はまってしまいそう
「そんなに厳しいんですか?上司なんですか
それとも先輩とか?そんな風に見えなかった
けどなぁ」
ちょっと軽くおどけてみる 仕事なら
当然なのか?知らんがオレは浮浪者である
そんなのはイヤで勘弁して欲しい
オレは我慢できない
「そんな事ありませんよ、ただ先代がとても
気に掛けていらっしゃるので
出来るだけそれに添うように
してるだけです」
「じゃあ貴方はそれ以外の理由はないと言うことなんだね?
オレに何故そこまで執着するのかわからないんだけど教えて欲しいなぁ」
謎である ホントにわからない
何故なのか理由があるはずである
そうでないとおかしいのである
オレが他の奴らより優れた点などあるとは
思えない オレは浮浪者だからな 暇だから
とかそんな理由でもあるまい
「……別に貴方自身がどうなのかは大したこと
ではありません、問題があればそうゆう対応
をするだけです
本当にわからないんですか?
そこまで消えているならば説明します」
やっと理由が聞けるのか、ただの勧誘なんて
地雷でしかないからな
ついて行けば後は後悔しか無いなんて幾らでも
聞く話だ
見た目なんかで判断しては痛い目を見るだけ
寧ろ要注意だ 世の中こわいんだぞ
でないと生き残れない
ニメートルほど離れた所に一メートル位浮かんで見下ろしている
向こうだって警戒していることは
丸わかりだ
「貴方の中にある今の人格は貴方自身で
あるのでしょうが、そこにもうひとつ
入っているのです
いずれ解るはずですが 同化して
馴染んで消えかかっているようです
勿論私にはどうでもよい事ですが
貴方にはちょっとわかりづらいのかも
知れませんね、…
あの子は元の記憶に依存していた為
あの様に弱体化したのだと思います
本来ならあの子の方が私より大きく
なければいけないのです」
銀髪の髪が目に懸かりよくみえない無表情は感情を読み取る事を拒んでいるかのようだ 驚くべき事なのに平静に考えられる、 なんとなくわかるのだ
ああそうゆう事か…… ひどくしっくりきた
もうこれしかない程度には………どうも無意識ではそう思っていたのだけれど自分がそれを拒否していたらしい
なんせ自分が残るかどうかが決まるのだからな
抵抗して当然だ