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青猫2

作者: 漣 涼人

青猫の続きを友達に書け書け言われた(脅迫された)から書いた。

 青猫が居るのはカジノの中。見渡せば二人の仲間が力強く頷いてくれる。なんて安心できる奴等なんだろうと彼は思った。標的の女はバーでカクテルを優雅に飲んでいる。履いている革靴の音をならしながら彼は彼女に近づいた。

「今日はどうなんですか?マドモワゼル」

この程度の会話は日常でよく使っている。彼は、いつもなら大学に通い、友人とナンパを繰り返す日々を送っている普通の、いたって普通の青年だった。

「ぼちぼちね……貴方は今から?」

女はなにも気づいていないで彼との会話を繋げてくれた。

「ええ、まあ」

「当たりが少ないからやめた方がいいかもね。ジョーカーも来ていることだし」

「ジョーカーいるんですか?一緒にやってこようっと」

「貴方……本気?」

「僕、最強ですから」

と言うのは嘘だった。ジョーカーという名前で通っているのは青猫の友人だ。ジョーカーはとんでもないイカサマ師だが誰も見破れてないのは流石プロと言えよう。青猫は事前に彼に今から行うマジックを伝えていた。そのため、彼に勝つことが可能だった。けれども、そんなことしなくても青猫はジョーカーに勝つことが出来る。

「すこし、見てみたいわ」

引っかかった。青猫が望む通りに物事が進んだ。

「ジョーカー……」

「なんですか?」

ジョーカーは若草色の長いアホ毛が特徴的なショートカットの青年だった。桃色の瞳で朗らかな笑みを浮かべる。彼は、女性らしい顔立ちをしていた。それに弱い人たちが多かった。

「ポーカーやりませんか」

「うん!!……あっ……」

ジョーカーは、その見慣れた姿からの誘いに思わず素の元気な返事をする。青猫は予想していなかった答えにすこし動揺した。相手も相手で、ここで作ってるキャラを崩壊させるような返事を言ったことにより、動揺より恥ずかしさが勝って耳まで赤くなった。と、いうよりも既に泣いていた。

「お、おい……泣くなよ」

「ごめんなさい……」

「終わったら明日、ケーキでも食べにいこうな?な?」

力なく、鼻を啜りながらジョーカーは頷いた。まわりで見てた人達はざわつく。

「ジョーカーって実はメンタル豆腐並みだったんだな」

「白スーツの人……かっこいい」

「ジョーカー……泣き虫だなんて意外ね」

「謎の白スーツのイケメンと可愛い系男子のホモ?……よし、目に焼き付けよう!」

「ポーカーはどっちが勝つんだ?」

「ジョーカーだろ」

と言うような内容だった。しかし、青猫は痛恨のミスを犯してしまったのだ。ジョーカーは元からポーカーフェイスだが些細な動きまで見ている青猫に見破れないものはない。が、今回の彼は、泣き止まないために、読み取りにくいのだ。そんなことに気づかないアホどもがこっちにすりよって来たため、大所帯でのゲームとなった。

「コイツらから大金ぶんどって良いもん食おうな」

と青猫はジョーカーに耳打ちした。


 青猫たちは一回勝負という約束で行うことにした。参加者のなかには指輪をつけた女もいる。青猫はあえてその隣に座った。

ジョーカーはここのディーラーもしていたため、そのまま行う。

「参加費貰いますね……」

さっきのことで元気のないか細い声でディーラーのジョーカーが言った。全員が払い終わってから、カードを配る。妙にまわりの顔が真剣で青猫は吹き出しそうになった。ジョーカーは耐えきれず笑っている。

「笑顔になってよかったよ」

「おかげさまで。約束だからね……」

と、さっきの約束の話をする。緊張感のない、お遊びのゲームをしているようだった。それが逆に二人以外の緊張感を産み出している。

「じゃあ、カードの交換を始めます」

まずは、ヤクザの息子のような人が三枚。次にお坊ちゃんらしいスーツの男が二枚。三人目はギャングの娘はスルー。四人目に標的の女が一枚。青猫が四枚。ジョーカーはすべてを交換した。全員が交換し終わるとチップを一枚ずつ差し出す。

「Jのワン・ペア以上の役を持っていますか?」

と聞くと、全員が大丈夫のようだ。

「流石は皆さんですね……」

とジョーカーはニコニコとしている。一回目の賭けが始まった。皆それぞれ、思い思いのチップを差し出す。二回目となったが、全員降りる気は無さそうだった。

最も自信があったのはギャングの娘だった。持ってる大量のチップを四分の三は出してトップになっていた。手札は6,7,8,9、10のストレート。それを見たスーツの男がこの場を降りた。彼もなかなかの大金を賭けていた。

「残念だったな」

ヤクザの男が出したのは 全てハートでA、5,8,J、K のフラッシュ。ギャングの娘を越えていた。青猫は隣を見る。女は余裕の無さそうな顔をしていた。次にジョーカーを見た。あえて負ける勝負だったからか、少し怒っているようだった。ジョーカーが出した手札に女は降りることになった。ダイヤの4,5,6,7,8。ストレートフラッシュだったのだ。会場内がまたざわつく。

「あいつ負けたな」

「なーにが勝てる勝負だよ」

「ジョーカー強すぎだろ」

等。

「ジョーカー……俺他の仕事あっから金は貰っといてくれ」

「はいはい」

最後に青猫はスペードの10・J・Q・K・Aを出した。最強の手札。ロイヤルストレートフラッシュ。客席から感嘆の声が上がる。ジョーカーが彼のスーツケースにチップを詰めた後。

「ボルテージMAX!!」

という青猫の合図でカジノ全体の照明が消えた。

青猫は女の指輪と持ってきた模造品を取り替える。模造品といっても、1000万は越える価値がある物だ。

「レディースアンドジェントルメーン!!今から始めますは、噂の大怪盗ブルノワールのマジックショーでーす!!」

照明の当たっているLがマイクごしに言った。観客が自分の身の回りを守り始めた。標的だった女もだ。すると上のほうにある月の光がよく入る窓の縁にカラスが渦を巻く。カラスが去った後、人影が残った。

「あれが怪盗……」

「金がとられる!!」

「け、警察……」

「そんなことしたら俺らも捕まるぞ!?」

「糞っ……」

「誰なんだ!!お前は!!」


「ブルノワール。青と黒の名を持つ大怪盗だよ」

黒いスーツに黒いマント。黒のシルクハットを被り、モノクルを着け、南の海を写し取ったような美しい青髪で、蜂蜜のような黄色の瞳の彼が答えた。

「イカしてますぜ!!兄貴!」

Lがおだてる。

「もう盗み終わってるから、マジックショーを開こうか」

ブルノワールが飛び降りると着地と共にたくさんのカラスが飛び立つ。

「待たせたね、シェル」

頭からシルクハットを取り、手を入れると一匹の猫が出てきた。種類はロシアンブルーだ。よくなついているらしく、ブルノワールから離れない。

「ジョーカー、後のことは頼んだよ」

ジョーカーに向けて、何もない手から青い薔薇を投げた。

「お任せあれ」

彼は受け取った青い薔薇を胸ポケットに入れた。

「それでは皆さん、また会う日まで」

そう言って、大量の煙と共に彼等は消え、カジノに明かりが点った。




「つかれた」

青い髪の青年が言った。

「お疲れさま、ありがとう」

黒い髪の少女が言った。

指輪はちゃんと彼の継母の指にはまっていた。

「ありがとうな、シェル」

シェルはニャーと穏やかに鳴いた。青猫は雲ひとつない日だまりに寝転がって昼寝をしようと決めた。

空白とかあわせて3000ピッタリなんだぜ!?すげくねー?すげくねー?

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