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coghweel  作者:
6/13

四夜

今回は短いです

最終更新終了(もっかいぐらいあるかも

〜coghweel〜


ここは、家か?


いつ帰ってきたんだか、期日で言えば今日は休日。


俺はもう一度寝ようと目を閉じる。


「寝るの?じゃあ私は帰るから」


その声で俺の目はその声にこじ開けられる。


起き上がるとそこには填島が帰宅の準備をしていた。


「いや、おまえなんで?」


言い終わると体の異変に気づく、体中が筋肉痛で痛い。


「昨日の晩に開発区で会ったでしょう?とゆうかあなたは寝てたけど」


「それを見かねてココまで運んでくれた、と」


そう、とだけ言って填島は出て行こうとする。


「待てって」


俺は体に鞭打ち、起き上がって填島を呼び止める。


「ありがとう」


「貸しにしとくわ、後寝言と寝相のことも黙っててあげるから」


反論も言わさずにズカズカと出て行く、俺の中で彼女が最強のランクに位置づけられた瞬間だった。


とにかく体がヤバイ、だが誰の策士の仕業か知らないが飯がない、とゆうか食い散らされているとこを見ると填島の強襲によって全滅したようだ、使い物にならない体をふるい、買い物に出かけることにした。


だが一歩一歩に慎重になってしまい、ちょっとばかし、いやかなり変な歩き方になってしまっている、今クラスの誰かに会ったら見事、俺は学年一の笑いものだ。


「はい、今日はカレーにしますから、はい」


店に入り、簡単に出来る料理の食材求め彷徨っていると青果コーナーで聞き覚えのある声がした。


「はい?え?反応ですか?」


前にココで買い物をしていた女性だ、また携帯で通話しながら買い物をしている、しかも休日なのに制服を着ている、校章の色は赤、一つ上の二年生だ。


「いえ、それっぽい人はいるんですけど、なんかあっちがこっちに気づいてるみたいで」


女性は周りを確認するようなフリをしながらこちらをチラチラと見てくる…歩き方!?歩き方なのか!?


「えぇ!?今ですか?人を確認したからいいじゃないですか?…わかりました」


通話を終了してこちらに向かってくる、そんな顔して脅迫ですか?


『だまってて欲しかったらホニャモニャ円渡しなさい』


とかそうゆうノリの人だったのか?


「少しお付き合いいただきますよ、鬼山…コレなんて読むんですか?」


手に持ってる手帳を見せてくる、顔写真と名前、学年、他もろもろの個人情報が書いてあってそこに書いてある俺の名前を指差す。


「りゅうじ…です」


「そう、その龍爾君にお話があります、少し買い物にも付き合ってください」


今の手帳、普通に欲しいぞ。


彼女はカレーと思われる材料を三人分購入し、付いて来てくださいね、と先導する。


彼女も俺が見ていた人間の中では美人に入る、能力者は比較的美人なのか?


髪の毛はかなり短く茶髪だ、目が少しツリ目なのが唯一のマイナスかもしれない。


「急にすいませんね、私 葛城 笹(かつらぎ ささ) って言います、今回ついて来てもらうのにはちょっとした理由がありまして」


ふぅ、またか、こっちに来てからはこんなことが多いな、まぁ『ジャングル』の通過は全員やることだが、昨日は昨日で『人』の形の化け物と戦わされたワケだ。


「できれば能力繋がりのトラブルはやめてほしい」


てかそれに巻き込まれるかもしれないのに疑いなくこの人に付いていく俺もどうよ?


「その判断は私の話を聞いてからでも遅くないと思います」


ここまで言われて話も聞けないとは言い辛い、俺は黙って付いていく。


彼女の家は開発区の時計塔にあるそうだ、裏口から入って長い階段を登って行く。


「家の主人の好みなんです、高いところ大好きで」


どうやらその説明会にもう一人参加する奴がいるらしい。


「ここもいつか取り壊されちゃうんですか?」


とりあえず開発区に何が建てられるかはわからないが、他の建物が取り壊されているところを見るとここもそう遠くないうちに取り壊されるに違いない。


「いえ、ここは買収済みなので」


時計塔まるまる一つを…ですか?


「只今戻りました」


時計塔の歯車が動く機関室の上に彼女達の家はあった、彼女は奥に俺を案内する。


案内されたのは大きな部屋だった、座って居てください、と中央に互いを向き合わせるようにおいてあるソファに座らされしばし待たされた。


「遅くなった」


一人の男が入室する、男も制服を着ていてバッジは赤、2学年の先輩だ。


短髪が黒いハリネズミを思わせる、目はツリ目なんてレベルを超えていてかなり怖い、てか身長が大きい、170ぐらいはある。


俺と対になっているソファに座る。


「鬼山だな、紫藤 圭(しとう けい)だ、紅咲町の断罪者派遣代表だ、こいつの名前は聞いたか?」


ソファに座らず圭の後ろに立って待機している葛城を指差す。


俺が頷くと話をはじめる。


「本部へ登録していない『断罪者』は始めて見た、説明してもらおう、本部に行ってない理由も含めてな」


さぁ、と俺に話しを促すが、俺にはよくわからない。


「…笹、まだ話してないんじゃないよな?」


葛城は苦笑いしている、紫藤は葛城を一度にらみ、話を再開する。


「鬼山、昨日あたりに能力の話を聞いたばかりで混乱しているかもしれないが、こっちの話はお前にとっても重要な話になる、少し聞いてくれ」


制服の仕様を遥かに超した着こなし方、姿勢、何をとっても一流そうな紫藤の話を蹴るなんて事は出来なかった。


「能力の中でも君の力は普通の能力じゃない、能力にはかわらないが、ある特別な位置づけをされているその位置づけが『断罪者』と呼ばれる能力者だ」


少し長くなる、と紫藤は葛城に飲み物を持ってくるように言うと、葛城は部屋から出て行った。


「『断罪者』はこの町に来てから開花する力じゃない、産まれたときから」


一旦話すのを止める。


「話づらい、普通に喋っていいか?」


紫藤の話し方が軽くなる…え?


まぁコッチに拒否する理由は無い。


「良かった、笹にはきつく止められているんだがな、じゃあ続ける、産まれたときに『断罪者』ってやつは己の中に『使命』を授かる、ある人物の手によってな、その使命の内容によって力の強さが変わる、そして使命に同じ物はない、『使命』は唯一無二、1000年経ってもかぶることはない」


紫藤はポケットからタバコを出して吸い始める。


「『断罪者』は世界に何人もいてな、俺はそん中でも結構強い『断罪者』、つまり強い『使命』を授かったので、意味本部よりも重要な場所になるこの町を管理をしている」


立ち上がって続ける。


「本部よりも?」


普通本部が一番大切な場所じゃないか?


「そうだ、その大切な物が無くなると俺達『断罪者』は普通の人間になっちまう」


そこらへんはまた後にしよう、と次の話に移る。


「俺らの活動内容は… あー、『7つの大罪』って知ってるか?」


頷く。


「だよな、名前ぐらいなら誰でも知っているモンだ、俺ら『断罪者』って名前はなその『7つの大罪』を裁くことから名づけられている」


「裁く?」


法的な範囲の中で人間として裁くなら能力なんて無くてもいいんじゃないか?


「『7つの大罪』、それに該当する人間を『大罪者』って呼ばれてる」


俺の理解を待つために少し間を空ける。


「『7つの大罪』は『断罪者』と同じで能力として人に乗り移る、かなり強い力だ、歴史的にも『大罪者』の方が古いって事らしい」


『7つの大罪』、森の男が言っていたことだ、こんなにも能力が分かれるならば学校で説明の一つでもあっても良いと思うのだが。


「7つに分かれた?」


俺の問いにあぁ、と返答し紫藤は話しを続ける。


「確かに集合してた時はやばかったらしい、200年ばかし昔の話だ、だが昔の断罪者さんがバラッバラにしたんだと」


少し内容は違うがそれなりに聞いた話と同じだ。


「それから『大罪者』はただ単に狩られる側になった、力の優勢が一気に逆転してな」


「後何人残ってるんですか?」


俺の指摘に紫藤の顔は渋くなる。


「そこだ鬼山ぁ、『大罪者』の厄介な理由を教えてやる、…やつらの能力は蘇る」


蘇るって言い方は何かちげぇな、と説明をしなおす。


「例えば『大罪』が寄生した能力者がポックリ逝っちゃうとな、その能力は違う人間にそのまま乗り移っちまう」


「じゃあ完璧に消すのは無理なのでは?」


その通りだ、と二本目のタバコに火をつける。


「確実に消す方法は発見されてるが、恐らく不可能って話でな、俺達は違う方法を…例えば『大罪者』7人を同時に消すとかな」


「確実な方法?」


やっと核心だな、と疲れたような表情を浮かべる。


「『7つの大罪』が一個でも破壊されるとその能力を違う適合者に移すためにある象徴が現れる、『大罪』自体に転生機能が備わってる訳じゃないらしいからな、『クリフォト』と『セフィロト』昔の伝承に伝わる樹の名前だ、知ってるか?」


その名前に強く反応する。


「アイツが樹?」


昨日の夜『クリフォト』は人間だったハズだ。


俺の質問に対して大きく態度を変える紫藤。


「会ったのか?」


確かにクリフォトは人間らしくなかった。


「そいつらは、姿を変えてこの町に ある一定の周期、またはさっき話した『大罪者』がやられると降りてくる、その姿は『人』と『物』、片方が『人』時はもう片方は『物』になっている、『クリフォト』はこの世に『大罪』を撒き散らし、『セフィロト』はそれを裁く『断罪者』をこの世に使わす」


「『クリフォト』を消せば、『大罪』はこの世界に生まれなくなり『断罪者』の勝ち?」


「そうだ、逆に『セフィロト』がやられれば『断罪者』はこれ以上増えない、それにしてもよく生き残ったな、人ではとにかく能力者でも奴ら『世界樹』には敵わないのに」


昨日、クリフォトに出会い、戦闘になって奴を追い返したことを伝える、その途中で葛城さんが戻ってきた。


「良い紅茶なんですよぉコレ、ってこらぁぁぁ!紫藤さん、タバコ、ええええええ??」


かなり錯乱している。


「真面目に話すって約束して下さったじゃないですか、嘘だったんですか?」


ほぼ泣き目である、コレはまた何というか、かわいい。


「うっせぇ、最初は良かったんだよ、でも途中からガマンできなくなっちまって」


紫藤を叩きながら葛城さんの馬鹿連呼攻撃は続く。


「つか話の腰折ってんじゃねぇよ、今大事なことなんだぞ」


俺をチラッとみて葛城はすみません、とお茶を配った。


「じゃあ今回はクリフォトが『人』、セフィロトが『物』、いや『武器』になって降臨している、そうだな?」


「セフィロトは置き忘れてきた、と言ってました」


そのおかげでお前は生きてるのか、と紫藤は一人で納得している。


「ジャングルの空間にはもう入ったのか?」


林に強引に捻じ曲げられていた空間の話をし始める


「そこにいた、人として能力を使う普通の能力者達、アレは世界樹を奪い取りにきたもの達だ、世界樹は相当な力をもっている、世界を改変できるぐらいにな、そいつらから世界樹を守るのも俺らの仕事、ほとんどは紅咲高校に世界樹が潜伏しているってデマを流してあのジャングルの空間に閉じ込めるんだけどな」


学校との関係は確実なものなのだろう、学校側はほとんど利用されているに近いが。


「鬼山、お前の『使命』の形はなんなんだ?」


悪いが全く覚えていない、その感覚も見えない。


「まさか知らないのか?」


不思議なこともあったもんだ、と紫藤は続ける。


「まぁいいさ、使えるならな、ちなみに俺の能力は世界の『矛盾』を無くすこと、だ」


「私は様々な『原因』を無くすことだそうです、つまり私達は『セフィロト』『クリフォト』を破壊するのに一番適しているんです」


紫藤に続き葛城が自分の『使命』を説明する


『人』や『物』でないのにその姿をしている『矛盾』、『大罪者』を生み出す『原因』を無くす力、確かにこれ以上のコンビはいないだろう


「そこで『クリフォト』の消去の話をお前にも手伝って欲しい、戦闘経験がないと話しにならないからな」


俺がこのミラクルワールドから開放されるにはコレ以外の方法はおそらくないだろう、俺はこの二人に協力することにした。


「んでいきなり嫌なニュース、4日前になるが我々『断罪者』の組織で『7つの大罪』の同時消滅に踏み切ったんだが、『大罪』はちゃんと転生を成功させている、当面の目標はこの町にいるだろう『7つの大罪』の適合者7名の探索だ」


7人を全員破壊しても転生に成功する...、他の方法を模索しながら転生先を見つける、こんな具合らしい。


話は終わった、体も痛いし帰ることにしよう。


「じゃぁカレーを食べていってくださいな、三人分出来ているので」


思えば自分の買い物をしていない、今日はご馳走になっていくことにしよう。


〜another part〜


今回の彼はまた一歩マスを進めた、毎度毎度クリフォトに会ってオーバーワークを起こして死なれてはたまらない。


「さぁ、もう一マス進んで頂戴ね、鬼山君」


私は彼を観察し続ける。

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