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coghweel  作者:
11/13

一夜・もう一度 二夜・矛盾

続きです

〜coghweel〜


「鬼山、龍爾」


その少女は俺が夕飯のラーメンを食ってる最中に現れた、体は衰弱しきり、意識ももうろうとしている。


とにかく俺の名前を知っていた以上見過ごせずに家で休ませた、少女の名前などは生徒手帳でわかった、填島 梢、彼女の名前だ。


填島はしきりに謝ってくる、謝ることしかしてくれない、落ち着くまで待とう。


「あなたをまた殺してしまうかもしれない」


彼女は俺を殺す男の名前を教えてくれた『セフィロト』とゆう『人』と『物』の姿を相方と交互に勤るやつ、そしてその相方の『クリフォト』には明日の朝には出会い、俺に不思議な能力を預けるそうだ。


「予言?」


「形としては間違ってない、私は時間軸を歩行できる人間、他の時軸のあなたを観察している」


時間軸歩行?


「パラレルワールドを行ったりきたりしてるってこと?」


彼女は頷く、まぁここは信じるそぶりを見せよう。


「俺は死ぬの?」


また頷く。


「そっか…どうすればいいの?」


彼女は顔をあげて俺の顔を不思議そうに見ている。


「そうだった、彼方には死の概念が捕らえきれないんだった」


彼女は仕方ないやつ、と笑った。


そうだ、俺に恐怖心はない、俺が死ぬなんて思ってない、もし本当に死ぬなら飛び切りの冗談だと笑ってやる。


彼女は俺の能力を教えてくれた、俺は能力の連想を填島に言われたように行い、『使命』の力を取り戻す、そして明日に備えて今日は寝ることにした。


次の日、俺は填島の言っていた男に会った、今の時刻は夜明け前、午前3時。


「今回は早いんだな」


男は髪の毛を整え、素顔をさらしている。


「あぁ、そろそろ疲れたんでね、くれよビー玉」


男はビー玉をこっちに投げてくる。


「成功を祈ってるよ」


次の場所に移動しようとする俺に男はケケケ、と笑いかける。


「嘘付け、偽善者」


知り合いのように別れた。


俺は時計塔に向かうとそいつは俺を待っていた、連れに見つからないように俺を待っていた。


「鬼山龍爾、『大罪者』」


「知ってたのか?」


まさかこいつも時間歩行者ってワケじゃないよな。


「俺の『使命』が『原因』をなくすことだとしよう、誰かが殺されてしまいました、その場合その人間が死んだ『原因』を俺は見る権利を得ることが出来る、そして俺の『使命』は『矛盾』を無くすこと、時間歩行しているあの女の『矛盾』のおかげで俺はお前の存在を見る権利を得た、あの女がなぜ時間歩行ができるのかも、な」


タバコに火をつけて一服している。


俺はビー玉を強く握る、力は半分半分で使うものじゃない、『使命』を完全にシャットアウトし『大罪』を起動する。


男も銃を取り出し、俺に向けてくる。


「時間歩行者でもないのに他の時軸を知っている『矛盾』、『大罪者』なのに『断罪者』である『矛盾』、もう人間でいられるはずがないのに『人』である『矛盾』こいつは高くつくぞ!」


俺は意識をカットし、『大罪』に繋げる。


「敵性反応を確認、撃破します」


俺の中の『大罪』は機能し、敵を潰そうと走り寄るが敵はそれを許さない、多くの『矛盾』を持っている俺にヤツの弾丸は一撃一撃が命を奪う攻撃だった。


銃を次々に変えていくヤツに俺も次々と武器を変えていく、だが俺には全てを防ぎきれない、障害を創り出しても、固有を創りだしても、時空を創りだしても、限界を創りだしても、真実を創りだしても、精神を創りだしても、あいつは限りなく銃を打ち続ける。


俺は『大罪』をカットする、そして『使命』を起動する。


包帯を手に巻きつけ、放たれる弾丸から『触れる』概念を消していく。


「器用じゃねぇか!」


近づく俺から一歩も引かないこの男、まだこの時間の俺はこの男と名前を交わしてもしない、その人間と戦っている。


俺はもう彼の一歩前まできていた、俺は力を半分にわけ、精神を消し去る鈴を取り出して彼を眠らせ、その場に寝かせる。


さて…こいつの言うことが本当なら俺には必要不可欠な能力だ、填島の『矛盾』を覗くためには。


『使命』を呼び出し、この男に集中する。


消し去るのでは意味が無い、俺はうつろに見えている部分をもっと簡単なものに連想していく。


男の体は無数の歯車で出来ている、そう連想すると男を動かすものが歯車に変わって行く。


一番動いているこいつは心臓かな?なんて思いながらこの男の『使命』を探す、この世界の全ての『矛盾』を無くす力を探す。


それはこの男の中心に埋まっていた、男の生きがいのように、全ての歯車をまわす中心のように。


俺はその核の歯車を取り出す、そして自分の体の隙間に埋め込む、男はまだ生きている。


俺であり俺じゃない人間の記憶が流れ込んでくる、これが違う時軸の自分とリンクするって事か、一日目の夜の俺は全員寝ている、のんきなもんだ。


俺は家に帰る、玄関で泣いている填島が見えた。


「まだ四月だ、冷えるぞ」


填島は俺に気付いて泣きついてきた、置いていかないで欲しいと呟く、少し申し訳ないことをした。


『矛盾』を無くす力で他の時軸を見るがこんなにも弱い填島は見当たらない、時軸を見ると俺は二日目で填島に会い、三日目の夜にセフィロトに殺されるパターンが3564回あった。


それまでは少しずつ核心に迫っていた話もそこで絶対に止まってしまっている、彼女は3564回、俺が死ぬ所を見ていたんだ、あんなにも衰弱しながら。


んなクリアできないゲームを拗ねて深夜までやってる子供じゃないんだからさ。


笑いながらそこまでして俺に近寄る『矛盾』を彼女から見る。


〜another part〜


世界が何者かによって一度リセットされた日、私にこの呪いはふりかかった。


あらゆる時代の時軸間を歩行し、もしまた文明が間違った方向に向いたとき、その何者かを呼んで世界のリセットを行わせる、それが私の呪い。


歳はその時点で止められた、それから何年生きたのだろうか、いや時間を歩行している私に生きた時間なんてものはないだろう。


時軸を探検している時、ある面白い時軸を発見した、産まれたときに『使命』の力を授かり、ある町に入学し、その日に『7つの大罪』全員が殺され、次の日に『7つの大罪』を全て背負った少年だ。


一回目の時軸は何もしなかった、完璧な部外者を装って彼を観察した、彼はその運命に耐えられずに死んだ。


次の時軸を見た、彼はまた『使命』と『大罪』を背負っていた、そして死んだ。


そして気付いた、人が産まれた時から無数に分かれるはずの時軸、だが彼は『大罪』を渡されるまでは人生を一本道で過ごしている、つまり必ず『使命』と『大罪』を背負わされ、そこから人生の分岐が始まり7日までに必ず死ぬ。


私は彼の人生をいじってみたくなった、そのために能力者でもないこの体をこの時間軸を歩ける力と老けない体を利用し、長い年月を費やし、能力者にした。


それから何度か接触し、私と接触するほど彼は人生は変化を見せていく、ある日彼は神が創造した『大罪』を産み出す男を撤退させる時軸を見た。


私は楽しくて仕方なかった、どの時軸を見てもこんなにも大きな力に抵抗できる人間は存在しなかったから。


それから私は教えて良い範囲を教えるだけ教え、大きく接触を試みることにした、彼の能力は生みの親を倒す力があると核心する。


コレは私のわがままだった、この呪いを受けたことに対しての神への反抗。


だが彼の物語は進まなくなってしまった、私の企みが『使命』を授けるものに知られ、三日目の夕方に必ず彼は殺されるようになってしまう、何度も見ている内に彼を私のわがままで殺してしまっている罪悪感にとらわれた。


そして謝罪しに行くと彼はこの遊びに付き合ってくれると笑ってくれた、私はこの時軸から抜けたくない、この時軸に居たい、そう思ってしまった。


でも彼は死んでしまう、違う方法を試しても彼は死んでしまう、もう私の精神が持たなくなった、私はまた彼に泣きついた、今回の彼は俺は死なないと言ってくれた、今回を最後にしようと思った、こんなことをしなくても違う時軸では彼の友達でいられる、だから普通の人として接しようと決めた。


朝の5時ぐらい、いつもの彼が起きる時間だ、だけど彼はいなくなっていた。


錯乱してしまい玄関で立ち尽くしていると彼は帰ってきた。


この姿が愛しく思ったのはいつだったろうか、始めは彼の死体を見ても何も感じなかった私は今は彼が居ないと気持ちが落ち着かなくなっている。


彼が私の体を気遣ってくれた時、『普通の人間だったら』と強く願った。


〜main part〜


「今度会うときは少し女の子らしくなってろよ」


俺は『使命』の力で彼女の体を見る、体は空っぽだ、呪いの歯車のみが動いている。


彼女は俺がしようとしていることに気付き、俺を振り払おうとするが今の俺には触れない。


「ダメ、それはダメ!」


拒否の言葉を聞き終わる前に俺は彼女から呪いを取り出す、呪いを失った彼女の中に新品の歯車が積まれていき、動き始める。


彼女は何か大きなものを失ったように放心状態になり、すぐに意識を取り戻す。


「嫌だ、いなくならないで…」


俺は呪いの歯車を自分の中に埋め込み、この時軸を離れることにした。


填島が止めようとするが、俺の体を通り抜けるだけで足止めにならない。


俺はこの遊びの詰みに向かう

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