序章
初投稿です
誤字脱字は目を瞑ってください
修正完了版です、ごゆっくりどうぞ
〜cogwheel〜
中学三年生、季節は冬、クラスメイトや先生が受験シーズンとして最も忙しく活動するシーズンだ。
そんな中でも俺は高校受験というものがまだ実感できず、周りの忙しさをよそに志望校も決めずぐうたらしている。
そんな毎日の中、普通日課がなく、テストを一時間受けてそのまま下校する、そんな一日があった。
内容は『どんな就職先に行きたいか』『将来結婚はしたいか』など下らない内容だった。
先生から進路の決まっていない俺を含む数人への牽制だと思い、俺はそのテストを『白紙』のまま提出した。
だが、そんな抵抗もむなしく最終的な志望校を決めて用紙にまとめ、職員室に出しに行かなければならなくなった。
俺もこればっかしは仕方ないと近所にある不評が耐えない高校を用紙に記入し、俺は職員室へと向かった。
「鬼山か、もう両親から話は聞いたか?」
顔を見せると先生は深刻そうな面持ちで告げた。
「親?なんのことですか?」
先生は聞いていないのか、と机においてあった書類を取り出し、俺にその書類を読んで聞かせた。
「推薦状、鬼山 龍爾殿」
先生はその部分だけ俺に読み聞かせると後は自分でと言い、俺に書類を渡してきた。
「先生はな、この推薦状は丁度良いと思ってる、どうせその志望校調査用紙も近所の不良高なんだろう?」
図星の俺は取り合えず親と話します、と職員室を後にした。
俺は午後の授業をすっぽかしすぐさま帰宅、母親を家の和室に呼びつけ座らした。
「推薦状の事、聞いてきたの?」
申し訳なさそうに切り出す母親に理由を聞く。
「龍ちゃん、進学に対してあまり熱心じゃないみたいだったから、見た?中身、学校があるのは幾つか山を越えた先なの、その気になるまで黙っておこうと思って」
少し、申し訳なかった。
俺は他人様から見てお世辞にも成績が良いとは言えず、親になんども迷惑をかけてきた俺の事をこんなにも心配してくれている親に頭があがらなかった。
「俺、やってみるよ」
まだ雪も降りはじめないこの時期、俺はあの世界の扉に手をかけた




