サンタクロースじゃなくて魔法使いさんでした!
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「あ…、す、すみません。私は野原花子と申します。」
「ホッホッホッ。外見に違わず、名前も珍しいのじゃな。のはらはなこ殿は。ホッホッホッ。」
おじいちゃんはサンタクロース然とした豊富なあごひげを撫でながら、これまたサンタクロース然と朗らかに笑っている。
けど、なんか、ちょっと違うような…。
「あ、あの、野原が姓で…。」
「セイ、とはなんじゃい?」
おお!?これはもしな、
「あの…、失礼ですがお名前は…。」
「おお、おお、これは失礼致した。わしゃグレンリード.カウス.カッパニーニと申して、宮廷魔術師をしているもんじゃ。」
…………魔術師。
はて?魔術師って………
「ま、魔法使いさん!?」
「ホッホッホッ。そうとも言うの。」
ザッ、ファンタジーじゃないですか~~!!!やっぱりあれですか!?ここは異世界というものもなんですか!?
…そうですよね。ありえない話しのようですが、今の 自分の状況を考えるとそうとしか思えません。むしろ、そうだと言われた方がしっくりきてしまいます。
私は生まれてこのかた17年間、日本から出たことはありませんが、魔法使いがいる国があるとは聞いたことありませんし。
ああ…、魔法って…、異世界って…。
「これこれ、どうした、大丈夫かいな?」
は!?いけない!あまりのことに屍になろうとしていましたよ…。
「し、失礼しました。ええと、恐らく、私の名前をこちら風に言うと、ハナコ.ノハラだと思います。ところで…、つかぬことお聞きしますが、ここはどこでしょうか?」
「ふむ。そうか。ハナコ殿と申すのか。そうじゃな。そなたとはじっくりと話さなくてはならぬ故、まずはこんな湿気った所からは出るとしようかの。」
「え…。ここから出る…?」
「そうじゃ。なんだい、その鳩が豆鉄砲喰らったような顔は。それともハナコ殿はここにいたいのかいな?」
「いいえ!!出たいです!ここから!!!」
「ホッホッホッ。では参ろうかの。」