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神々の戦い 2

神々は嘆きました。


自分の子らが争っているのです。嘆き、悲しみました。


そこで神々は自分たちで、子である人々が住まう世界を治めることにしました。


世界の中心にて母なる海とも繋がる地をレイニールが、寒さの季節には雪に閉ざされるも、光の暖かなる季節には大きな実りが溢れる地をグリアンティールに。多大なる糧と力を育む地をファイアンサカ、人々を繋ぎ、繁栄をもたらす地をティルンネセラ、母なる海の中の島々をスカルノーゼ、熱き太陽の光の影となる地をブラシェウスが、それぞれ治めました。


神々はそれぞれ人を導き、教え、時には支え合い国を治めました。


そのような日々が暫く続くと、ある神の側近である一人の人間は言いました。


「我らが国の取り柄とは何でしょうか?レイニール神の治める国は中心の国らしく、農業に、商業にと活気溢れる国であり、グリアンティールの神の治める森の国は広大な肥えた土地で暖かなる季節には多大なる実りを成し、ファイアンサカ神が治める火の国は貴重な燃料を生み出す鉱山を幾つも有し、ティルンネセラ神が治める英知の国は様々な文化を有し、特に綿織物や工芸の技術は群を抜いており、遥か南のスカルノーゼ神が治める海の国は漁業に優れ、珊瑚や真珠なる海の宝を用いた飾り細工の技術に秀でております。

我が主であるブラシェウス神よ、我が国には何がありましょう。」


ブラシェウスは愕然としました。


ブラシェウス神が治めるこの光の影なる地は、南に位置し、暖かな気候に恵まれているものの、痩せた土地が多いため、実りを成す事よりも、人々の糧としてレイニールより与えられた動物達を飼育し、繁殖し、生業としていた。海辺の地では漁業もするものの、海の流れのせいか、微々たるものだった。


何故、何故自分にはこの地が与えられたのか。


人を作るという進言をしたのは自分であるのに!


側近は言いました。


「ブラシェウス神よ、嘆き悲しみまするな。何、事は簡単です。他の地をも我らが主であるあなた様、ブラシェウス神が治めることとしてしまえば良いのです。」


と。


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