自慢の姉ちゃん
こちらさく、咲く1の続きとなっております。
是非そちらの作品を読んでみて下さい。
六月最初の土曜日。
もうすぐ梅雨がやってくるといった頃。
俺かんた、はさくらさんとLINEを交換することができた!
昨日LINEで話しているとさくらさんの実家のうどん屋さんである東雲屋にうどんを食べに行くことになり準備をしている。
かんた『母ちゃん、今日昼ご飯外で食べてくるからいらないよ』
母ちゃん『わかったわよ、気をつけて行ってきなさい、、、どこのお店に行くの?』
かんた『どこでもいいよ、、、』
もちろんだが母ちゃん、姉ちゃん、弟に学校一の美少女さくらさんに恋をしているとは言っていない。
そんなこと恥ずかしくて家族になんか絶対言いたくない。
かんた『酔い止めどこにある?』
母ちゃん『そこの棚よ』
俺はリビングの棚を漁り酔い止めを探す。
母ちゃん『あんたもしかしてバス乗るの?』
かんた『うん、遠いから乗らないとだめ』
母ちゃん『りゅうちゃんとご飯食べに行くならお母さん車でおくっていってあげるわよ?』
かんた『流星とじゃないよ、あいつ今部活だから一人で行ってくるよ』
母ちゃん『あらそう、、』
台所でコップに水を注ぎ酔い止めと一緒に飲んだ。
酔い止めの箱をリュックにしまい東雲屋屋に行く準備を続ける。
どんな服を着ていくかなのだが、、
さくらさんはどんな服を着ていたらカッコいいって思ってくれるのだろうか。
考えてみるが全然わからない。
俺は彼女がいたことないのでそういったオシャレには疎い。
服もオシャレを重視したものより流星たちと外で遊ぶ動きやすさを重視した物しか持っていない。
かんた『ねぇ、、母ちゃん、、かっこいい服ってどんなやつ?』
母ちゃん『お母さんに聞かれてもわかんないわよ、、お姉ちゃんに聞いてみたら?』
かんた『うん』
俺はとりあえず着ていく服を何着か持って姉ちゃんの部屋に行った。
姉ちゃんは受験生で今部屋で勉強している。
彼氏もいるしこういったことは姉ちゃんに聞いてみたほうがよかった。
コンコンとドアをノックして開けた。
姉ちゃんは机に向かっているのだが、、彼氏と何やら楽しそうに話している。
かんた『姉ちゃん、、ちょっといい?』
姉ちゃん『なに??今忙しいから後にして』
かんた『全然忙しそうじゃないじゃん!楽しそうに話してるし』
姉ちゃん『休憩中なの!邪魔しないで』
彼氏『だれ?』
姉ちゃん『弟、、なんか用あるみたい』
かんた『頼む姉ちゃん!!聞いてくれ!大事なことなんだよ!』
パチンと手を合わせてお願いした。
姉ちゃんは彼氏に『ちょっと待って』と言うと少し椅子を引いた。
クルッと椅子を回転させると俺の方に脚を組みながら身体を向けた。
ショートパンツの部屋着を着ていて奈津橘パイセンが憧れるルーズソックスというやつを履きこなす綺麗な脚線美が見える。
姉ちゃん『、、なに?』
少し不機嫌に言ってきた。
どうやら協力はしてくれそう。
かんた『えっとーこれから友達と遊びに行くんだけど、、オシャレな服ってこの中だとどれだと思う?』
姉ちゃんにバレないために嘘をついてるがなんか目が泳いでいるような気がする、、
姉ちゃんに好きな人いることばれたら絶対茶化してきそうで絶対バレたくない。
姉ちゃん『え!?、、知らないわよ、、どこに?誰と行くの?』
そう言いながらドアのところに腕組みしてやってくる。
かんた『えっ、、だ、、誰でも、いいだろ、、』
やばい視線を彷徨わせてあたふたしてしまうっ!
若干顔が赤くなってる気がする、、
姉ちゃん『、、ふーん、、なるほど、ねっ、、』
姉ちゃんはなんか楽しそうに腕を組んでいる。
薄い生地のピンクの部屋着を着ていて胸が強調されている。
俺の姉ちゃんは立派な物をもっておられる。
かんた『なにがなるほどなの?』
これは、、きっと勘ぐられてしまったな、、
姉ちゃん『どんな服あるの?見せて』
俺は姉ちゃんに今持ってきた服を見せた。
姉ちゃん『あんた、、、小学生みたいな服しか持ってないじゃないの、、、』
かんた『、、、ういっす、、、』
姉ちゃんは肩を落として手のひらを上に向けた。
まぁ、そう言われるとは思っていた。
この服たちを着て中学までこの岩波の街を流星たちと鬼ごっこしたりかくれんぼして走り回った。
いや、今思えば学校帰りに遊ぶことが多いからほとんど学ランだった。
だから俺の私服は小学生で止まってしまっていた。
姉ちゃん『今あんたの持っている服にオシャレとかないから諦めなさい』
かんた『うそ、、だろ、、なんとかならない?姉ちゃんのコーディネートで』
姉ちゃん『なるわけないでしょ、だらぶち!、、はぁ、服装どうこう言ってるのは今回諦めて、、自分の着たいやつ選んで行ってきなさい、時間に遅れるほうがダメだから』
かんた『わかった、、』
オシャレなコーディネートが見つからずに落胆した俺に姉ちゃんは助言をくれる。
姉ちゃん『、、、あのね、かんた、、服装も大事だけどそれよりも一番大事なのはハートよ!』
そう言って拳を作り立派な胸に当てた。
ぷるんと胸が柔らかく揺れた。
姉ちゃん『落ち込んでないで楽しんできなさい、明るくて面白くて元気いっぱいなところがあんたのいいところなんだから』
姉ちゃんに自分の良いところ言われてなんか照れてしまう。
かんた『わかった、、ありがとう』
姉ちゃんはドアを閉めた。
、、てか姉ちゃん俺が好きな人いるってわかって言っていたよな。
これから姉ちゃんに茶化されるか不安になりつつさっき言われた自分の着たい服をこの中から選ぶことにする。
そして俺は良いことを閃いた。
制服で行けば良いじゃないか!
これなら一時凌ぎではあるがダサい私服の格好をさくらさんに見せなくて済む。
東雲屋に行った帰りに富山駅周辺の店でオシャレな服を買って帰ろう。
今日一日の計画を立て制服に着替えた。
※
時刻は午前十一時を少し過ぎたところ。
制服姿でリュックを背負いいつもの学校に行くのと同じスタイルで家を出た。
こう考えると制服って便利なんだなと思う。
だがいつまでもこうとはいかない。
いつかさくらさんにオシャレな私服を見せてカッコいいって思われたい。
いつになるかわからないが奈津橘パイセンに誘われたえんどう豆パーティとかいうものすごいパーティにさくらさんが参加してくれるならそれまでには一つは準備しておきたい。
富山駅周辺で服を買う予定なので多めにお小遣いを持ってきた。
リュックにはスマホ、財布、酔い止め薬が入っている。
それとさくらさんから本を借りる約束もしているのでそれを入れるためにリュックにした。
ライトレールの駅に向かって歩く。
空は曇りだが予報では雨は降らないらしいので傘はもってこなかった。
そんなことを考えているとさくらさんと相合傘したあの日を思い出してこころがドキドキする。
人見知りなのに俺が傘を忘れて雨に濡れないように彼女は俺を傘に入れて駅まで一緒に歩いてくれた。
少し肩同士が触れた感触は一緒忘れない。
あんなにも近づいて歩いたので心がドキドキして死ぬかと思ったがとても心が落ち着いたことを覚えている。
きっとそれはさくらさんの落ち着いた雰囲気が俺をそうさせたのだろう。
さくらさんは本当に優しい人。
ライトレールの駅が見えてきた。
ライトレールの電車は十五分に一度の間隔でやってくる。
都会だとありえないがここは田舎のゆったりと時間が流れる岩波。
電車もゆったり俺たちを運んでくれる。
ちょうど電車がやってくる。
いつも利用しているのでやってくる時刻はわかっているのでスムーズに乗る。
電車の色は青色だった。
赤色に乗ると良いことがあると言われているがこの後さくらさんに会えるという良いことがあるので電車占いは外れた。
電車内は土曜の昼なのでかなり空いている。
適当に椅子に座って電車に揺られること約二十分で富山駅に到着。
次はバス停に向かうのだが、、
バス酔いの恐怖に足が少しすくむ。
酔い止めは飲んでいるのだが日によっては飲んでいても気持ち悪くなる日がある。
大きなエンジンの音を鳴らしたバスがやってくる。
バスを見ながら深呼吸を一度した。
外の空気を少しでも多く吸っておきたかった。
乗ると中は空いていてどこでも好きな場所に座ることができそう。
とりあえずタイヤの上のところは酔いやすいのでやめておき真ん中の左の列、窓側の席に座る。
近くの物を見ると酔いそうになるので窓の外の遠くを眺める。
スマホなんか弄ろうとしたら一瞬で気持ち悪くなってしまう。
富山駅周辺は大きな建物が建ち並んでいる。
この窓から見る景色だけなら都会にも見えなくは、、ないか、、
酔う主な原因は緊張からの神経の伸縮からなのだそう。
、、、バスに乗ると酔った気持ち悪さを想像してしまい緊張感が増してしまう。
何か他のことを考えないと、、、
さくらさんがもし今隣にいたら、、なんて考えちゃおうかな、、
隣に落ち着いた彼女がいてくれたらきっとこころが穏やかになって酔わなくなりそうな気がする。
彼女の可愛い姿を頭に降臨させた。
、、、、
ぱっちり二重にぷくっと膨れた涙袋〜目が合うと吸い込まれそうになる綺麗な瞳〜マスクをとったことで知ったぷるんぷるんの艶やかな小さな唇〜鼻は少し高くてすらっとしていて〜童顔で幼く見える整った顔、、
その顔はとても小さくて俺が広げた手のひらにすっぽりハマってしまうのではないかと思わせられる。
スタイルは身長が高めで細くてとっても華奢、スカートは長めでそこから少しだけ見える脚はとっても白くて綺麗でどこからが白い靴下なのかわからない。
俺が一番惚れ惚れしたのは長くてサラサラの黒髪。
富山の大岩で食べられる立山の天然水で作られたそうめんみたいに艶やか。
性格は人見知りで物静か静穏を好む落ち着いた人柄。
最初は周りの噂や常にマスクをつけていたからなんだが冷たい人なのかなと思わせられそうになったがそんなことはなく奈津橘パイセンという友達を大切に思う温かくて優しい人だった。
彼女を頭に思い浮かべるとニヤニヤしてしまう。
こんな笑顔さくらさんに見られたらドン引きされそうだな、、
降臨させたさくらさんに隣の席に座っていただく。
※以下かんたの妄想デートにお付き合いください※
かんた『バス乗ったね』
バス乗ったねって、、何当たり前のこと言ってるんだ俺は、、、
さくら『うん、、乗ったね、、、』
ほらさくらさん反応に困って苦笑いしてるじゃないか。
かんた『これから東雲屋ってところでうどん食べていこうよ』
さくら『それ私のお家、、』
かんた『えっ?あっ、、そうだった、、あははは』
妄想の中でも緊張してしまった。笑
さくら『いっぱい食べていってね』
かんた『いっぱい食べるー』
さくら『ごぼう、かぼちゃ、さつまいも、、いろんな天ぷらあるんだけどかんたくんはどれが好きかな?』
さくらさんは俺のことをかんたくんと呼んでくれる。
俺の名前を呼んでくれるようになるまで時間がかかった。
かんた『え〜!?何が好きか??、、、さくらさんが好き!!天ぷらにしちゃうぞ!』
さくら『えっ!?もう、、、だらぶち、、、』
さくらさんはだらぶちと富山弁を使う。
意味はおバカさんとかそう類。
それを言う姿がちょっと照れたように言うからたまらなく可愛い。
かんた『手を繋いでいい?』
さくら『、、うん、、繋ごっか、、』
二人の手が触れ合いそうになる、、、
※終※
バスの運転手『次⚪︎⚪︎お忘れ物ないようにお願いします』
バスの運転手のアナウンスで現実に戻ってきた。
どうやら降りるバス停に着いたみたいだ。
さくらさんと妄想デートして頭の中ピンクになっていたらあっという間に着いてしまった。
リュックから財布を取り出して小銭を精算機に入れてバスを降りた。
外の空気を吸いバスに酔うことなく無事着いたことに安堵して肩の力を抜いた。
スマホを見て東雲屋の地図を確認する。
大通りから小道に逸れて地図を確認しながら東雲屋に歩いて行く。
かんたはバスには酔わなかったが、さくらさんの美しさに酔いしれてしまっていた。
※
東雲屋の前に到着した。
外見は老舗の木造建築。
歴史が感じられる古いが立派な建物。
一階がうどん屋さんで二階にさくらさんたちが住む場所がある作りになっている。
入り口に青い暖簾がかかっていて白い文字でしののめやとひらがなで達筆に筆で書いたように書かれている。
開扉を開らこうとして前で立ち止まる。
ドキドキして緊張する。
小さく深呼吸してから優しく木造の引き戸を開ける。
重みが少しあって横にスライドさせると。
うどんの香りがすーっと鼻を通って胃袋に入った。
入り口に立っているだけなのに美味しい。
四人がけの席が三つに二人がけの席が二つあって中はそんなに広くはないと言った感じ。
お昼時で他のお客さんで賑わっている。
???『いらっしゃいませ、お一人様ですか?』
かんた『はっ、はい、、』
青いエプロンをつけたサラサラの黒髪の女性にこえをかけられた。
さくらさんに似た落ち着いた雰囲気。
彼女がさくらちゃんのお母さんだとすぐにわかった。
目元が少し似ているような、、
その美しい容姿に暫く少し開いた口が閉じない。
さくら母『あそこの席お座り下さい』
後ろの入り口の引き戸を閉めてちょうど二人がけの席が空いていたのでそこに促された。
リュックを迎えの椅子に置いて席に着く。
さくら母は水の入ったコップを持ってきてくれた。
さくら母『ご注文お決まりになりましたら改めてお声がけ下さい』
俺は軽く頭を下げた。
さくら母はそう言ってからお客さんの待つレジのあるところへ行った。
お会計を済ませると机を拭いて食べ終えた食器を運んで厨房のある奥に姿を消した。
厨房の入り口は人一人が余裕をもって通れるサイズ。青い暖簾のせいでここから中を見ることはできない。
さくらさんは奥の厨房でエプロンをつけて揚げ物を作っている。
さくら母が接客をしてさくらさんが揚げ物さくら父がうどんとそれぞれ担当を決めてチームワークで東雲屋のお昼を回している。
さくらさんのエプロン姿、、めっちゃ可愛いだろうな、、、
机に立て掛けてあるメニュー表に目を通す。
食べ物の写真は無く文字のみのメニュー表だった。
俺はさくらさんからおすすめされた釜揚げうどんを食べることを決めていたので残りの揚げ物だったりを決める。
さつまいもいいなぁ、、野菜かき揚げも美味そう、、
かしわてん、舞茸の天ぷら、かぼちゃの天ぷら、、
色んな天ぷらがあってどれを頼もうか迷ってしまう。
いなり寿司あるんだ、、なんだこれ?うどん団子??
天ぷら以外にも目がいきがち。
全部食べたいが胃袋と予算がオーバーしないように食べたいものを絞っていく。
そして決めたのは釜揚げうどん五百円、さつまいも天ぷら百円、野菜かき揚げ百五十円、いなり寿司百二十円。
決まったのでさくら母を呼ぼうと手を上げ、、、
さくら『、、、かんたくん』
耳に心地声音が俺の名前を呼んだ。
顔を上げると白いバンダナを頭に乗せた青いエプロン姿のさくらさんが少し恥ずかしそうに側に立っていた。
手にはメモ帳とペンを持っている。
そのあまりにも可愛らしい姿に、、、
俺は何を注文しようか忘れてしまった、、、
さくら『バス大丈夫だった?』
小さく首を傾げて聞いてくる。
かんた『、、うん、、大丈夫大丈夫、酔わなかったよ』
さくら『よかったです、、食べたいもの決まったかな?、、』
かんた『決まったよ!えっとね、、あれ?、、なんだっけ、、ごめん、緊張しちゃって、、えっとー』
さくらさんは俺のあたふたしている様子を見ると優しく微笑む。
さくら『待ってるから、ゆっくり決めて大丈夫だよ』
かんた『あ、ありがとう』
落ち着きを取り戻すと決めたメニューを彼女に伝える。
さくらさんは言った品をメモすると
さくら『わかりました、少しまっててね』
と言って厨房へと入っていった。
、、、めっちゃ可愛い!!!!
心の中で思い切り叫んだ。
天使が俺のメニューを聞いて一度天界に帰っていった。
次はうどんを持ってやってきてくれるんだよ??
どうなってるんだこの店わああああ、、、
外はもうすぐ梅雨を迎え夏になろうとしているのだがこのお店はずっと春を感じさせてくれるみたいだ。
その名の通りさくらさんは綺麗なさくらみたいな笑顔を俺たち客に振り撒いてくれる。
ん?待てよ、さくらさんは接客はしないと言っていたからもしかしたら今回俺だけ特別なのかな??
俺は花より団子じゃなくてうどんよりさくらさんです。
なんて思っていたら厨房から男性が一人姿を表す。
体格が良くて威厳のある顔つき。怒ったらかなり怖そう。
彼がさくらさんのお父さんだ。
その太い腕はこれまでたくさんうどんをこねてきたであろう逞しい職人の腕。
あまり喋らなそうな寡黙な印象はさくらさんが譲り受けたものなのだろうか。
レジの所でお客さんの話を聞いている。
きっと常連さんなのだろう。
さくら父は常連さんの話に少し笑顔を見せる。
威厳のある人があんな笑顔をするとそのギャップになんだかドキッとしてしまう。
さくら父は常連さんを出口まで見送ると厨房に戻って行った。
それと入れかわるようにバンダナエプロン姿の天使がお盆を持ってゆっくり慎重に俺の所にやってくる。
さくら『お待たせしました』
机の上、目の前に優しく置いてくれた。
お盆の左に木材でできた樽が置かれていて中にうどんがキラキラ輝いている。
隣につゆの入ったお椀と揚げ物二つにいなり寿司の乗った皿。
美味しそうな湯気に顔が包まれると細胞一つ一つがうずきだす。
かんた『美味そう!』
さくら『揚げ物とお稲荷さんは私が作ったんだけど、、お口に合うかな、、、』
彼女は自信なさげに不安の混じった表情。
割り箸を割ってさくらさんが作ってくれた揚げ物からいただくことにする。
野菜かき揚げを摘んで豪快に齧った。
サクッ!!
と大きな音が鳴ると口の中に野菜たちの甘さが訪問してきた。
さく、さく
噛むと口の中に甘さが広がっていって、、とっても美味しい〜〜〜
かんた『さくらさん!めっちゃ美味しい!!ありがとう!!』
目を大きく見開いて彼女に伝えた。
さくらさんは俺が喜んでくれてほっとしたのか嬉しそうに微笑んでくれた。
俺は箸が止まらなくなってどんどん食べる。食べる。
心はとっくに掴まれていたので今度は胃袋も彼女に掴まれてしまった。
さくらはかんたが美味しそうに食べている姿を微笑ましく眺めると邪魔をしないように声をかけずに厨房にもどった。
あっという間に皿から野菜かき揚げが消えてしまった。
次はメインのうどんを食べてみることに。
樽から食べられる量をとってつゆの入ったお椀にいどうさせて、そして口へ。
うどんがつゆをしっかりからめて連れてきてくれてふたつの味が合わさってとっても美味しい。
噛むとうどんのこしがしっかりしていて噛み心地がとても良い。
歯がうどんに押し返される。
さくらさんを嫁にくださいと言ってくる男を次々押し返してしまうあの怖そうなお父さんの顔が頭をよぎる。
なんて、。力強いうどんなんだ、、、
さつまいもの天ぷらに箸を伸ばす。
噛むとサクッといい音がなってこれもとっても美味しい。
このさつまいもさくらさんに揚げてもらえて幸せだったのか甘味がより深く増している。
うどんとさつまいもの天ぷらが俺の胃袋へと姿を消した。
最後にいなり寿司を食べる。
美味しいそうな茶色の油揚げに白いご飯粒が包まれている。
パクッと一口齧ると
油揚げに染み込んでいた出汁がブワッと口中に流れ出す。
この稲荷寿司のご飯粒みたいにさくらさんの優しさが包み込んでくれるみたいな優しい味わい。
一つ一つ真心込めて作っていることがつたわくる。
力が抜けて椅子から転がり落ちそうになってしまった。
完食して手を合わせた。
はぁ、、歯磨きしたくねぇ〜笑
一生このほのかに残っているうどんたちの風味を残しておきたい。
セーブして保存していつでも取り出せるようにすることはできないだろうか。
少し食べた後の余韻に浸っている。
次のお客さんがやってくるのであまりゆっくりしてはいられない。
リュックから財布を取り出してお会計の準備をする。
お会計の場所に行くとさくら母が気づいてきてくれる。
さくら母『あの、、、かんたさん??』
!!??
話しかけられるとは思っていなかったのでドキッとしてしまう。
かんた『そうです、、どうして、俺のこと知ってるんですか?』
さくら母『さくらから聞いています。奈津橘ちゃんのスピーチのお手伝いしてくれたんでしょ?ありがとうございます』
かんた『えっ、、いや、、その、、俺は、、なにも、、』
さくら母『今日ここにきてくれるかもしれないってさくらから聞いていて、制服が同じ学校のものでしたから、もしかしたらかんたさんかなって』
さくら母の話を聞いて納得した。
さくらさん俺のことお母さんに話していたんだ。
制服だったから声をかけてくれることができて運良くこの格好できて正解だった。
なるほどさくら母がさくらさんに俺がきたかもしれないと言いに行ってくれたからさくらさんはタイミングよく俺を接客できたんだ。
さくら母『うふふ、いまさくら呼んできます』
上品な笑い方そっくり、、
彼女は厨房に入っていった。
少し待っているとさくら母とさくらさんがやってきた。
厨房の奥はファンタジーの異世界にでもつながっているのだろうか。
大きな真っ白なお城が似合うお姫様親子みたいでその透き通った存在感は国民だけでなく動物たちにも愛されて囲まれてしまう。
さくらさんは上目遣いで恥ずかしそうにしながら立っている。
そんな可愛い姿されたらドキドキして心臓がもたない、、俺死んじゃうよ、、、
さくら『、、、お口にあったかな、、?』
かんた『とっても美味しいかったです』
さくらさんは嬉しそうに微笑んだ。
かんた『最後に稲荷寿司食べたんだけど美味しくってまだ風味が残っててさ、歯磨きして消すの勿体無いぐらい』
さくら『ちゃんと歯磨きしないとダメ』
かんた『は、はい、、』
さくら母『うふふ』
俺とさくらさんのやり取りを見た彼女が小さく笑う。
まじでこの美人親子やばすぎる。
さくら母『さくらったらとても恥ずかしがり屋な子なのにかんたさんすごいわね』
隣で他のお客さんの会計をしながら話しかけてくれる。
かんた『えっ?、、、』
これは恥ずかしがり屋なさくらさんと普通に会話している俺を褒めてくれたということでいいのだろうか。
さくら母『スピーチの練習大変だったでしょ?』
かんた『、、まぁ、、かなり大変でした、、』
さくら母『うふふ』
今度は俺とさくら母のやりとりにさくらさんは少し頬っぺたを膨らませて仏頂面をした。
ぷにぷにの小さなほっぺを摘んでみたくなる可愛さがある。
さくらさんは俺のお会計をしてくれる。
さくら『五百円です、揚げ物は私からのサービスです』
かんた『えっ!?いいの、、』
さくら母『さくらがお世話になりましたので今回は特別です、遠慮しないでください』
かんた『、、ありがとうございます』
俺はさくらさんに五百円支払う。
さくら母『ぜひまたいらして下さい』
かんた『はい!また来ます』
出口に歩いて行くと俺の後ろをちょこちょこさくらさんがついてくる。
会社に向かう夫を見送る新妻のようだ。
引き戸を横に開け外に出る。
さくらさんも後から外に出ると俺の横に肩を並べる。
ポケットから一冊の本を取り出すと両手で持って渡してくる。
借りる約束をしていた魔女の旅路という本。
この本は彼女が好きで読みやすくておすすめしてくれた。
さくらさんとの話のきっかけになればと思い読んでみたいとお願いした。
しっかり両手で受け取り落とさないよう女神からのお借りものをおリュックにおしまう。
かんた『読んだら、、また、、話したいです』
さくら『はい、、私も、、お話したいです、、』
さくらさんは語尾がだんだん小さくなっていった。
お互いほっぺを赤らめて俯いてしまう。
その二人の間にうどんのいい香りがすーっと抜けていった。
ここに立っていると他のお客さんの邪魔になるしさくらさんは仕事の途中なので俺は切り上げる。
かんた『それじゃまた、お仕事頑張って』
さくら『うん、また、来てください』
俺はさくらさんに背中を向けると東雲屋を後にしようとする。
さくら『かんたくん、、』
さくらさんが呼んだので振り返る。
さくら『、、バス酔いそうになったら、、深呼吸したら、いいみたいです、、』
俺のためにバス酔いの対処法を調べてくれたみたいだ。
知っているが知らなかったように振る舞って優しさを受け取っておこう。
かんた『わかった、ありがとう、やってみるね』
さくらさんは口元に少し手をもっていくと微笑んで東雲屋の中に入っていった。
帰りのバスは満腹で幸せに包まれぐっすり昼寝してしまった。
※
富山駅周辺にある大きな建物、マルートの中に入る。
十二回建ての複合ビルとなっていて一階から四階までが商業施設となっているショッピングモール。
老若男女から人気がありたくさんの有名店がある。
土曜日だから中はたくさんの人で賑わっている。
お昼過ぎた時間帯ということもあってスイーツの店に行列ができている。
俺はここにオシャレな男になるためにやってきた!
今度奈津橘パイセンの家で開催されるかもしれないえんどう豆パーティ。
それにはさくらさんも参加する。
とはいっても参加するのは俺と奈津橘パイセンとさくらさんの三人だけ。
生徒会選挙の打ち上げみたいなこと言っていたのだがはたしてどうなるのだろう。
美少女二人に囲まれてのパーティなんて他の男子が聞いたら羨ましがってしまう。
開催するには忙しい奈津橘パイセンとさくらさんの予定が合わないといけないしそもそも恥ずかしがってさくらさんが遠慮してしまうかもしれない。
確実に参加できるのは暇な俺だけだった。
開催されるかわからないがこの機会にオシャレと向き合ってみるのもいいかもしれない。
いつかまたさくらさんに私服を見せないといけない時が来るかもしれない。
さくらさんにかっこいい姿を見せて、振り向いてもらうために。
オシャレな服、、
今電話で姉ちゃんに聞いてみたいが勉強しているだろうし、、さっき邪魔してしまったから聞くのはやめておこう。
流星、奈津橘パイセンは部活だし、、
弟は俺と同じくオシャレ?みたいな感じだし、、
誰も聞けそうな人がいない、、
とりあえず店内を歩きながら自分で考えてみよう。
俺がかっこいいと思う服は、、漫画の主人公みたいな黒をベースとした感じの服なのだがさくらさんは絶対好みではないと思う。
世間で言う厨二病というやつ。
実際二年前まで中二だったしそうなってしまうのは仕方なかった。
周りを見ながら歩いているとたくさんのカップルが楽しそうに手を繋いで歩いている。
俺もあんなふうにさくらさんと手を繋いで歩いてみたいなぁ、、
俺の目には周りのカップルが羨ましくてキラキラ輝いて眩しかった。
このショッピングモールを歩くカップルの男性たちの服装を参考にしてみればいいと思った。
いろんなカップルの男性の服を見て周りそれっぽい服を探すのだが、、
かんた『値段高っ!』
高校一年生の財力では買えない。
一階から四階まで色んな服の店に入ってはオシャレな服を探すのだが俺の小遣いでは買えないし種類がありすぎてどれを買っていいかもわからない。
今からバイトしてお金を貯めてもえんどう豆パーティには間に合わないしバイトの予定で行けなくなるのは嫌だった。
配信でもまだまだ収益化できるほど人気もない。
母ちゃんに頼んでも今見てきた服は高くて買ってはくれないだろう。
どうしよう、、、
もう三時間ほどショッピングモール内をウロウロしていた。
足が疲れてきてベンチに座って一休み。
目の前にはスターバックスの店があってガラス張りで中が見える。
たくさんの若い人で混んでいる。
カップルがお互いのコーヒーのストローに口をつけて飲み合いっこしているところを見てしまう。
、、、、
すげぇ、、、
俺もさくらさんとあんなふうに仲良くイチャイチャしたいなぁ、、、
でもさくらさんは人混みは嫌いだろうから俺がコーヒーを買ってきて誰もいない静かなところで二人きりで、、、ゆったり、、過ごしてみたい、、、
そんな想像ばかりしてしまう。
いつかさくらさんに好きって想いを伝えないといけない。
彼女と手を繋いでみたい、ちゅうしてみたい、ずっと一緒にいたい、、、
、、、、
できない、、、、
彼女に俺の想いを伝えることができない、、、
彼女が俺を好きになってくれるわけないんだ。
俺がこの好きという想いを彼女に伝えたら優しい彼女はこれ以上俺を傷つけないために距離を置いてしまうだろう。
振られることが怖い。
やっとさくらさんと話せたというのに。
もう二度とそれもできなくなるだろう。
さくらさんは美少女だから他の男の人と付き合ってしまう。
何をしても遠くに遠くに行ってしまいそうで、、、
俺はまた胸が苦しくなってしまう。
好きって想いを伝えることがこんなにも辛いことなんだ、、、
はじめて本気で恋をして気づいた。
ここにいるカップルの人たちはこの想いを乗り越えて好きって想いを相手に伝えた人たち、、、
みんな悩んで辛くてそれでも諦めなくて努.力.して自分の想いを伝えたんだよね、、、
すごいなぁ、、、
だからこんなにみんなキラキラ輝いてるんだ。
俺の片想いは彼女に伝えられない。
けっきょく三時間ほどウロウロしただけで何も買うことはなく肩を落として帰路についた。
※
晩御飯はこの前みたいにまた喉が通らない。
食欲がなくてたくさん残してしまった。
自分の部屋に戻ってベッドの上で毛布に全身包まって仰向けになっている。
マルートで見たカップルたちの姿があまりに眩しかった。
さくらさんに好きな気持ちを伝えたいと思うと苦しくてたまらなくなる。
コンコン
誰かがノックしてドアを開けた音がした。
姉ちゃん『かんた?入るわよ』
ベッドが沈む感覚がしたので縁の俺の足元あたりに姉ちゃんが座ったのだろう。
姉ちゃん『朝のやつでしょ?、、デート上手くいかなかった??』
かんた『デデデデートじゃないよっ!』
姉ちゃんの発言にびっくりして上半身だけ起こして毛布をばさっと外した。
姉ちゃん『えっ?デートじゃないの??』
かんた『デートじゃないよ』
姉ちゃん『珍しく私にどの服着ていけばいい?とか聞いてくるし誰と遊ぶか教えてくれないからデートだと思うでしょ??』
かんた『ち、違うよ、、』
姉ちゃん『だったらなんなのよ!あんたが食欲ないとかおかしいでしょ?まさか!いじめられてるんじゃないでしょうね?』
俺の顔の方に向けて上半身を捻り少しかがみながら手のひらをベッドにつけて言ってくる。
かんた『、、、違うよ、、、』
姉ちゃん『じゃ何?教えて!お母さんも光輝も心配してるのよ?、、私だって、、、』
かんた『、、、ごめん』
みんなに心配かけてしまっていたんだ、、
姉ちゃんに、、相談してみようかな、、、
かんた『、、、すっ、、』
恥ずかしくて言葉がつっかえてなかなか出てこない。
かんた『、、、すっ、、すきな、、ひと、、い、、る、、、』
顔が真っ赤になって下を見ながらなんとか言えた。
姉ちゃん『はぁ、、とりあえずいじめとかじゃなくて安心した、、』
姉ちゃんはすっと姿勢を正面に向け脚を組んだ。
整った姉ちゃんの横顔を見る。
かんた『、、うん』
姉ちゃん『、、、それで、食欲ないのはその子のことを考えたらなの?』
かんた『、、、うん』
姉ちゃん『少し前も食欲なくなったよね?同じ?』
かんた『、、前はテストの点が悪かったからだと思ってたけど違うみたい、、、きっと今と一緒、、、』
姉ちゃん『なるほど、、あんたたぶん恋煩いよ、それ』
かんた『、、そうなの?、、』
姉ちゃん『きっとそうよ、その子のこと本気で好き?』
かんた『うん、、世界一可愛い』
姉ちゃんははぁとため息をつく。
姉ちゃん『その子とはどんな距離感なの?LINEはしってるの?』
かんた『、、うん、昨日、こうかんした、、』
姉ちゃん『えっ!すごいじゃない!』
かんた『、、、うん、、、』
姉ちゃんに褒めてもらい嬉しくなってまた仰向けになり毛布で顔を覆った。
毛布に包まっていないと羞恥心で耐えられない。
姉ちゃん『次は告白じゃん』
かんた『、、、できない、、、』
姉ちゃん『どうしてそんなこと言うの?』
かんた『、、、俺のこと、、好きじゃないかもしれないから、、』
姉ちゃん『その子はどんな感じの子なの』
かんた『、、、人見知りな人で、、、恥ずかしがり屋で繊細で、、、すごく優しい人』
姉ちゃん『なるほどね、、、、そう言えばあんた彼女いたことあったっけ?』
かんた『、、いたことない、、』
姉ちゃん『もしかして初恋だったり?』
かんた『、、、うん』
姉ちゃん『やだ〜もうっ!!』
茶化した声音で俺の横腹をつんつんしてきてこちょがしい(くすぐったい富山弁)
かんた『やめて!こちょがしい!!』
だから姉ちゃんに知られるのは嫌だった、、
姉ちゃん『その子人見知りで恥ずかしがりやなんでしょ?』
かんた『、、、うん』
姉ちゃん『そんな子がLINE教えてくれたんだよ?あんたのこと興味ないとか絶対おもってないよ』
姉ちゃんの言葉に毛布を少し下げて目だけ出して姉ちゃんを見た。
そ、そんなことは、、
でもたしかに人見知りで恥ずかしがり屋のダブル引っ込み思案の彼女が連絡先を教えてくれた。
興味ない人にそんなことしてくれるだろうか、、
かんた『、、優しいから、断らなかったのかもしれない、、、』
姉ちゃんは何か少し考えている様子。
その横顔を見て何を言うのかを待つ。
姉ちゃん『その子とは話してる時とかよく目が合ったりしないの?他にはー恥ずかしがり屋だから、、、黙って上目遣いで見てくるとか、、、』
今日の会計の時の光景を思い出した。
あの時さくらさんは俺を恥ずかしそうに上目遣いで見ていた。
かんた『目はよく合うと思う、、さっき上目遣いで俺のこと見てきた、、、めっちゃかわ、、うわ!!』
姉ちゃんは俺の身体にかけられた毛布をばさっと掴んで取ると俺に馬乗りに跨ってきて首を両手で掴み激しく振る。
かんた『イタタ!!くるちぃ、、、はなして、、、』
姉ちゃん『だらぶち!!なにモジモジしてるの!今すぐ告白してこいっ!』
そう言って激しく揺さぶった後俺のことを解放した。
危うく逝きかけた、、、
姉ちゃんは冷静になるとそっと俺から降りさっき座っていたところに戻った。
姉ちゃん『絶対両思いよ!もどかしぃ〜!』
かんた『そんなのわかんないよ、、、ふられるのがこわい、、、せっかく話せるようになったのに、、想いを伝えたら遠くに行ってしまいそうで』
声を振るわせて姉ちゃんに想いを伝える。
俺はさくらさんにスピーチの練習を手伝うと言った時彼女が教室を飛び出して行ったことを思い出していた。
あの時は奈津橘パイセンのフォローがあってなんとかなったのだが今回はそうはいかない。
姉ちゃん『かんた、、』
姉ちゃんは楽しそうにニヤニヤしていた表情を曇らせた。
姉ちゃん『かんたならきっと大丈夫だと思うよ、、だってあんたは明るくて元気いっぱいで面白くて、優しい子なんだから』
そう言って照れた姉ちゃんは顔を斜め下に伏せた。
姉ちゃん『女の人を惚れさせる大切な人柄をちゃんともってるんだから、振られるのが怖いんなら自信つくまで仲良くなってきなさい、それでしっかり告白してこいっ!』
かんた『姉ちゃん、、ありがとう、、』
姉ちゃんがこんなにも真剣に向き合って相談に乗ってくれるなんて思ってなかった。
姉ちゃん『落ち込んでないでいつもあんたでいればきっとその子は好きになってくれるわよ、まぁ逆にあんたはそれしか取り柄がないけど』
かんた『さらっとディスってない?』
姉ちゃんはニコッと笑うと立ち上がった。
姉ちゃん『その子なんて名前なの?その子って言うのなんか嫌』
かんた『、、、さくらさん、、、』
姉ちゃん『ふーん、さくらさんって名前なんだー』
かんた『もし振られたらどうしよう』
姉ちゃん『まぁー振られたら次の恋探すしかないでしょ、あんたまだ高一でしょ?重く考えすぎ』
かんた『、、、わかった、、姉ちゃんに相談してよかった、、今度スタバで一番安いやつ奢ってあげる』
姉ちゃんは鼻で笑うと部屋から出て行った。
ドアのところでこっちを見ると
姉ちゃん『配信あんまりうるさくしないでよね』
かんた『わかってる』
姉ちゃんは隣の自室に戻って行った。
姉ちゃんにいつも彼氏がいてモテる理由がわかったような気がする。
姉ちゃんに相談して少し自信がついた。
ありがとう。俺の自慢の姉ちゃん。
魔女の旅路よもっと!