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ある世界の男は我儘最強レベル  作者: 平カケル
8/10

ディオーネ

 神が従えるこの国の名は、ディオーネ。

 ディオーネには、四つの都市が存在し、東の都市(イースヴィル)西の都市(ウェースヴィル)南の都市(サースヴィル)北の都市(ノースヴィル)と分離されている。

 ディオーネの民は、三千年前に、神からそれぞれの都市に存在する死神(しじん)を殺せと命じられた。

 神の命令に従って死神を殺すか、神のために働くしか選択肢はないと神は言ったらしい。

 それに背いた民は、抹殺される運命。

 神の命令は絶対。

 だが、神の命令を実行できた民は、三千年経った今でも、存在していない。

 そして、神の命令の背いたうえに、神を倒すなどほざいた少年が、今さっき東の都市に誕生した。

 その名は、ゴウ。



     *



 オーラの家で話し合って一晩が経った。

 俺とオーラは二人で、東の都市屈指のギルド本部に足を運んでいる。


「本当に大丈夫か?」

「大丈夫だって~。俺がいるから問題なーし」


 キランと歯が輝くが、オーラはそんな歯に一切視線を向けなかった。酷い。

 程なくしてギルド本部に辿り着く。


「ここかぁ~。結構でかいんだねぇ」

「う、うん。かなりでかいな」


 この子ビビっとるやないかい。


「それじゃ」


 俺が《攻撃アップ》を使おうとすると、オーラがそれを必死に止める。


「何してる⁉」

「何って、この扉ぶっ壊すんだよぉ」

「ダメだ! そんなことをしたら話も聞いてもらえないぞ!」

「あぁ~! 確かにそうだな!」


 オーラは「ダメだこりゃ」と言って頭を抱える。

 言われた通り扉は壊さず、コンコンとノックをして中にいる人を呼び出すことにした。

 すると、顔を真っ赤にした不潔な男が顔を見せる。

 全然強そうでもないし、このギルドの雑用か何かだろう。


「ねえねえ。お前ら俺の部下になれ」

「はぁ⁉」


 オーラは眉間にしわを寄せ、声を上げる。

 真っ赤な顔の男も首を傾げて、睨みつけて来ていた。


「何言ってんだお前。帰れ」


 一瞬にして、目の前から真っ赤な男の姿は消え去り、冷たい風が俺たちの肌を刺激した。


「馬鹿か」

「馬鹿じゃない」

「いや、馬鹿だ。ゴウは馬鹿だ」

「うむ。馬鹿かもしれない」

「認めてくれてありがとう」


 オーラは罵った後、一人のこのこ歩き始めた。


「おいおーい。どこ行くのぉ?」

「ゴウと一緒にいたら、変人だと思われる。それが嫌なんだ」

「そんなこと言うなって!」


 一秒もかからずにオーラの道を塞ぐ。

 ピタッとオーラの動きが止まった。


「どいて」

「嫌だ。一緒に作戦考えようぜぇ!」

「作戦考えたって、どうせ作戦通りに動かないだろ」


 そう言われれば確かにそうかもしれない。作戦なんかに動きを縛られたくないしな。


「オーラが弱そうだから相手にしてもらえなかったんじゃねえの?」


 次は人のせい。

 オーラも呆れを通り越して無視していた。


「おーい。オーラさん? 生きてます~?」


 ピクリとも動かないオーラに話しかけるも返事が返ってこない。これ死んだ?

 ツンツンと頬を突くが、ビクともしない。


「んー。俺のこと嫌いすぎじゃね?」

「当たり前だ」

「うわっ⁉ ビックリした」


 急に声を発したと思えば、俺の胸倉を掴んできた。


「人のせいにするんじゃない! 私が弱そうなのと、相手にしてもらえなかったのは、全く関係ないだろ!」


 半泣きのオーラは唾を飛ばしながら意見を突きつけてきた。


「ごめん」


 流石の俺も謝るほかない。


読んで下さってありがとうございます!


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