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ある世界の男は我儘最強レベル  作者: 平カケル
6/10

死神

「私は、片手剣の怪物みたいに強くなって、死神(しじん)を倒す」


 また急に変なことを言い出したぞこいつは。

 しかも死神って。無茶なことを言うな。


「今無理だろって思っただろ?」


 心を見透かされている気分だ。


「まあなぁ~」

「……だよね」


 悲しそうに俯くオーラ。胸を押さえ、必死に涙を堪えているようにも見える。

 こいつは、自分の弱さをしっかり理解しているな。


「でもな、感心してる」

「感心?」

「うん。あの化け物に立ち向かおうとしているから」

「そ、そうか」


 オーラは嬉しそうに髪を触る。

 でも、それとは裏腹に気に入らないことがあった。

 オーラも俺の違和感に気づいたようだ。


「どうした?」


 俺の顔を覗き込むようにして訊いて来る。


「オーラは、神の命令に従う派か」

「そんなの当たり前だ」


 それを当たり前だと思ってしまっているのが、一番腹立たしい。

 そんなの当たり前でも何でもないはずなのに。いつの間にか当たり前になっていた。


「じゃあ、ゴウは違うのか?」


 その問いの答えに迷うはずがなかった。


「違う」


 たった一言のはずなのに、オーラは驚愕している。

 オーラからしたら俺があり得ないだろう。


「神の命令に従わないなんておかしい!」

「従う方がおかしい」

「神の命令に背いたら、神に殺される!」

「じゃあこの国の民は、全員神の命令に従って、死神(しじん)を倒そうとしてるのか?」

「死神を殺す度胸もない民は、全員怯えながら神のために働いている! だから殺されないんだ! でも、ゴウは命令に背いたうえに、働いてもない。いつか殺される!」

「でも現にこうやって生きてる。心配はない」


 互いの意見が飛び交い、猛烈な口論が繰り広げられる。

 オーラの言っていることもあながち間違えではない。

 でも、俺が言っていることも間違えではない。

 これは正義と正義のぶつかり合い。この場に悪は存在しない。


「死神を倒すつもりがないのなら、ゴウは怯えながら働くしかない!」

「じゃあ働く。神の命令には従いたくないから働く!」


 まるで今の俺は、おもちゃを買ってもらえない幼児ではないか。


「けど、働くことも神に手を貸していることと一緒だ」

「あぁー! じゃあどうすればぁぁぁ!」


 俺は頭を抱えて、歯を食いしばる。


「こんだけ強いんだから、ゴウも私と一緒に死神を倒せばいいのに」


 ごもっともな意見。

 でも、そうしたら神の命令に従うことになるんだよなぁ。

 あーどうすれば——あ、そうだ。


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