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ある世界の男は我儘最強レベル  作者: 平カケル
4/10

剣を探そう

 走りながら訊く。


「剣ってどこにあんの?」

「多分ボスの部屋」

「さっきのデブがボスじゃないんだな」

「うん。流石にボスにしては弱すぎだと思う」

「確かに。それじゃ」


 俺はオーラをお姫様抱っこする。


「何だいきなり! 辞めろ! 下ろせ下ろせ!」


 幼児のように暴れるオーラ。


「あぁー! 暴れるな! 俺が能力使った方が早いんだよ!」

「能力ってさっきの《超速移動》?」

「そうだ。ぶっ飛ばすぜ!」


 俺は猛スピードでボスの部屋に向かう。

 お姫様抱っこをされているオーラは、「うわぁぁぁぁ」と叫び、何とか速すぎるスピードに耐えていた。

 やがてあっという間にボス部屋に辿り着く。


「よーし。ここに剣があるんだな?」

「…………」

「あれ?」


 オーラを見てみると、顔色を真っ青にして、胃から込み上げてくるものを必死に堪えているようだった。


「たったあれくらいのスピードで酔ったの?」

「た、たったあれくらいなんかじゃない。速すぎだ。ゲフッ」

「気持ち悪いなら、ここで待っててもいいぞ? 俺が取り返してきてやるからぁ~」

「いい。私も行く」


 込み上げてくるものを必死に我慢し、立ち上がるオーラ。その際にも「おぇ。うおぇ」という声を口から漏らしていたので心配にはなったが。


「それじゃやりますか」

「うん」


 俺は拳を握り、思い切り引く。

 勢いをつけて攻撃力を高めるためだ。


「ふぅ」


 徐々に俺の拳が赤色のオーラを纏い始める。


「これって、《攻撃アップ》能力か」

「そうだよぉ」


 この能力を使えば攻撃力が一.五倍に上がる。


「よし。それじゃまずはこの扉ちゃんをぶっ壊しましょうか!」


 攻撃力が上がった拳を、扉にぶつけた。

 バンッ——。

 一瞬にして扉が粉砕する。


「凄い破壊力だ」

「まあ、能力使わなくても扉くらいは壊せるんだけどね。あはは」

「だ、だろうな」


 オーラが「ははっ」と笑う。

 扉の向こう側には、大柄の男が座って、呑気に葉巻を吸っていた。


「今回はデブじゃなくて、ムキムキマンかぁ」

「てめえらどうやって牢屋から出た?」


 大柄の男は葉巻を手で握りつぶし、こちらに歩み寄って来る。


「デブが開けてくれたぁ」

「フンッ。そうか」


 大柄の男は、胸ポケットから拳銃を取り出した。

 そしてそのまま、


「死ね」


 俺に向けて引き金を引いた。

 だが、こんなものが俺に当たるわけがない。

 瞬時に避けて見せ、大柄の男の胸倉を掴む。


「やっほー! ムッキちゃんって銃使えねえの?」

「何だその速さ」


 大柄の男は冷や汗を流し、俺の手から逃れようとするが、それが出来ないでいる。


「な、何て力だこいつ」

「はいはいはーい。それじゃムッキちゃんに質問です」

「あぁ?」


 この状況でも睨みつけてくるこいつの度胸は認めてやるか。


「あの子の剣をどこに隠した?」


 後ろのオーラを指さし訊いてみるが、一向に口を開けない。

 ただ睨みつけて来るだけだ。


「早く言えよぉ」

「て、てめえには教えねえよ」


 何子どもみたいなこと言っているんだこいつは。

 全く俺以上に馬鹿だったか。


「じゃあ言わないと、どんどん顔がぐちゃぐちゃになっていくけど、いいのぉ?」

「へっ。上等じゃねえか」

「そっかぁ」


 俺は、迷うことなく男の顔面に攻撃を叩き込む。

 一発、二発、三発と攻撃は止まらない。

 後ろのオーラは「ひぃ」と恐ろしい物を見るような声を漏らしている。


「おらおらぁ! ってあれ?」


 いつの間にか気を失っている男。

 これじゃ剣の居場所を訊けないではないか。


「ねえオーラ」

「な、何だ」

「こいつが気を失ったせいで、剣の場所訊けないんだけどどうする?」

「ゴウが殴りすぎたせいでしょ」

「何か言ったか?」

「い、言っていない! 自分で探すからいい」


 終始俺と目を合わせなかったオーラは、自分の剣を探すために部屋中を模索している。

 俺も男から手を放し、剣を探そうとするが、


「まだ片付けが残ってるな。ははっ」


 俺の言葉が聞こえたのか、一人の小柄な男が机の下から姿を現した。


「ずっと机の下にいたのかよぉ」

「そ、そうだが」

「ビビりすぎじゃね?」

「う、うるせえ! てめえはゆる——ガッ」


 最後まで聞くのもめんどくさかったので、言葉を言い終える前に、小柄の男の頬にパンチを喰らわせてやった。

 一発でその場に倒れる。


「はぁ。全員弱いなぁ」


 そんな愚痴をこぼし、オーラの剣を探す。


「ゴウが強すぎるだけ」


 オーラの小さな呟きは、ちゃんと俺の耳に届いていた。


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