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魔法世界のセデイター 2.異世界人の秘密と魔法省の騒動  作者: 七瀬 ノイド
九章 魔法省十日目以降(新職)
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9-3 危険物と弓の練習

「それが例の棒?」

 どうあっても武器は無視できないサンドラは、魔法耐性のついた布製カバーに入っている棒を、興味深げに見つめている。

「そのカバーはないよねぇ」

 リンディが指摘したのは、その色――ピンク。あつらえた科学者の脳内がうかがえる。

「出しましょうか?」ナユカはピンクの布袋から真っ白な棒を出し、サンドラへ渡す。「どうぞ」

「おっ、軽いね」受け取った武器専門家は、棒を立てたまま、上下に動かす。「振り回したくなるな」

「ストーップ!」今回、叫んだのはリンディ。「……死人が出たらどうするのさ」

 これはマジである。ナユカがやるのとは違う。

「そんなへましないよ。……ま、やらないけど」

 サンドラは、じーっと棒を見つめてから、名残惜しげにオーナーへ返す。その仕草を見るにつけ、振り回してみたいのは本当だろう。ただ、軽すぎて、筋肉姉さんのストレス解消にはなりそうもない。リンディはその嗜好にあきれ、この棒本来の用途を思い出させる。

「ったく、武器じゃないっての」

「でも、護身用になるでしょ。使い方によっては致命傷も……」

 ここで、サンドラの反論はフィリスの咳払いによって中断された。なにか言いたげだが、とりあえず抑えている。

「チメイ、ショウ……?」

 代わってつぶやいた異邦人は、単に、この単語を知らないだけ。そうとは思わず、武器専門家が取り繕う。

「あ、いや……使い方によってはこのペンだって武器になるし……」机上のペンを取る。「致命傷なんて、なに使っても……」

「本当に……?」

 青ざめたフィリスを見て、その理由を察したリンディが声を張る。

「そんなことできるのは、サンディだけだって」

 ナユカが怪我する危険性に関してナーバスな医師が、身の回りの武器になりそうなものをやたらに撤去し始めたら大変だ……。それにしても、ペンで致命傷を与えるとは……完全に暗殺者だ。まさか、この筋肉は……そんな仕事を……。疑念が古い知己の頭をよぎる……。

「あ、大丈夫。やったことないから」

 さすがにサンドラにもないと聞いて、リンディはほっとする。しかし、「やったことない」と「できない」は違う。間違いなく、「できるけど」という接頭辞が発言に隠れているのだろう……。そう考えると、この部屋にある一番の危険物は、この人だ。声を低くして、健康管理者に告げる……。

「ねぇ、フィリス。サンディを片付けるのが一番よさそうじゃない?」

「……そうでしょうか?」

 ゆっくりとその対象を見上げた健康管理者と、サンドラの目が合う。

「ちょっと、何を物騒な相談してるの?」

「ひ」すくむフィリス。「わ、わたしを片付けないで」

「……あのねぇ」危険物のため息。「だから、やらないって」

「ご、ごめんなさい。ちょっと……課内の片付けを考えていたので……」

 やはり、フィリスは先ほどからそれを考えていた。実際、室内での怪我というのは、一般家庭を含め、予想以上に多い。取り分け恐ろしいのは、「たんすの角に足小指」とか「閉まるドアに手」の類で、下手すれば骨折する。もしも魔法の効かない異世界人がそうなったらと思うと、医師は気が気ではない。後者は現状、注意を払うしかないものの、前者は家具収納の配置によって改善できるはず……。今、気にかかっているのは、課長の机周辺における什器の配置。決して課長自身を排除することが頭によぎったわけではない。

「だから、まず課長を片付け……」

 改めて口にしたリンディの冗談は、すぐにさえぎられる。

「ち、違います。課長の机周りの片付けです」

 フィリスの必至な否定がおもしろいので、さらにからかおうとする。

「むきになるのが怪し……」

「やめてください!」

 かぶせて制止したフィリスからにらまれ、リンディはその命がけのような気合に圧倒された。

「……はい」

「あ、すみません。つい……冗談を本気に」して、ではなく……言い直す。「……冗談に本気になって」

 さっきからフィリスの言い様が引っかかるサンドラ……。しかし、ここは責任者として大人の対応を取らないと……。

「それじゃ、後でミレットと相談して考えてくれる? ……片付け」

「あ、はい。でも、今……気になっているところだけやっちゃいます」フィリスはナユカをちらっと見る。「ちょっと危ないので」

 すると、その意に反して、気遣った対象が参加を表明。

「わたしもやります」

「え?」あまりやらせたくない医師だが……。「うん……」

 この程度で駄目とはいえない。そこで、やることがなくなっているフリーランスに、課長が声をかける。

「リンディも手伝ってよ」

「……あたしがぁ?」

 ここでいつものパターン。

「ひまでしょ? 食事おごるから」

「ま、いいけど」


 またもや、食事一回分で片付けも手伝った食道楽は、その最中、きっちりと机の角に膝をぶつけた。それを見て、この怪我のパターンもあると気付いたフィリスが、ぶつけた本人よりもぶつける危険性の懸念されるナユカのほうを気遣ったので、痛みにあえぐリンディに虚しさがこみ上げる。はたしてこれが食事一回分で収まる仕打ちなのだろうか……。

 それでも、医師はすぐに実際の負傷者のほうへ転じ、回復魔法をかけてくれたため、すぐに怪我は治癒した。それを体感するにつけ、仮にぶつけたのがナユカならこうはいかないことを思えば、健康管理者の対応もやむを得ないとリンディは思い直す。この異世界人だったら、しばらく痛むだろうし、完治するまで幾日もかかるのだから……。


 午後、予定通り弓矢の練習をするため、ナユカは教官としてのサンドラ、医師のフィリス、そして手伝いのリンディとともに、魔法練習場へ向かう。防護壁でそれぞれ隔離された魔法練習用レーンが並んでいるこの場所は、確かに弓の射的にはぴったりだ。

 ナユカがサンドラから渡された弓は、見たところ、向こうの世界の長弓とさして違った点はなく、初めて射る異邦人にも違和感はない。矢は安全性に配慮した競技用のもので、矢尻の部分は、先が丸く加工された柔らかいゴムのようなもので作られている。そして、一般的なエンチャント系武器と同様に、そこに魔法伝達物質がコーティングしてあり、他の部位には耐魔法物質のコーティングがされているか、魔法耐性のある素材が使われている。

 その矢尻にエンチャント魔法をかけ、魔法練習場に設置してある魔法を感知する的を射ることで当たり判定を行うわけだが、例の結界破り棒と違って、この矢にはエンチャントされる部分以外に魔法耐性が付与されており、つがえるときにナユカがエンチャントされた魔法を無効化してしまうことはない。したがって、彼女にでも魔法武器として使える――ただし、誰かにエンチャントしてもらうのが前提で。

 とはいえ、弓矢の競技は一部愛好家の間で細々と行われているのみにつき、このような矢は入手困難な代物であることから、現実的に武器として使用されるケースはまずないだろう。それらを所持していたのは、「武器なら何でも」のサンドラなればこそといえる。


 なお、的を射る競技の際には、見た目が派手な火魔法によるエンチャントが好まれるが、今回は射掛けるのが初心者なので、安全な水魔法をかけることにした。これは、魔法で負傷することはない特殊能力者のためではなく、周囲の同行者たちのためではあるが。

 ともあれ、これだけ安全に配慮されているのなら、ナユカ自身が怪我をする危険性も低そうということで、フィリスから駄目出しされることもなく、無事、練習に入ることができた。実は、弓矢の競技には防具を着けた模擬戦形式もいくつかあり、サンドラは弓矢を使ったサバゲのようなものを好んでいるが、そこにいる医師の血管をぶち切らないためにも、そのような情報は与えないでおくのが無難だろう。余計なことを教えると、また不許可にされてしまう。

 いったん始めてしまえば、弓を射続けるのに必要十分な身体能力に加えて、集中力も持ち合わせているナユカは、練習好きであることも相まって、その上達速度はかなりのもの。さらに、矢尻へのエンチャント魔法を「手伝い」として呼ばれたリンディがかけてくれることで時間も短縮でき、練習はさくさくと進んでゆく。このエンチャントの作業は、結果的に魔導士にとっては魔法出力の調整訓練にもなっており、いわば一石二鳥でもある――ただし、現状、その出力にばらつきがあり、的に当たったマークの大きさがまちまちなのがご愛嬌だが。


「今日はここまでにしましょう」

 ナユカの疲労を心配したフィリスが、早めにドクターストップをかけた。これは、先日の棒術のような事態を回避するためだ。しかし、別に病人ではない本人は、承服しない。

「まだできるよ。もう少しでコツがつかめそうだし」

「もう十分じゃない」

 単になだめるためにそう言っているだけではなく、フィリスの見立てでは、射手の上達はかなりもの。

「でも、今、やっとかないと……」

 技術的に気になることがあるのか、食い下がる練習好きを、健康管理者がきっぱりと諭す。

「今日で終わりなわけじゃないでしょ? だから、今日はおしまい」

 この医師がこうなったら、逆らわないほうがいい。教え子の上達ぶりに熱を帯び、もう少しやらせてみたくなっているサンドラも、ここは従っておくことにする。それに、初回から教えすぎるのは、かえってよくないとも思う。

「今日はいったんやめにしようか、ユーカ」

「……そうですか……わかりました」

 しぶしぶながら、射手は用具を片付ける。


「それにしても、なんか地味だよねぇ……弓矢の競技って。魔法みたいに、手合わせとかないの?」

 九課への帰りしな、フィリスから隠していたいことをリンディがわざわざ聞いてきたので、サンドラはしらばっくれる。

「……え? なんか言った?」

 視線で聞くなと質問者に訴える……効果なし。

「いや、だから……手合わせ」

「えっ? なにっ?」

 聞かせないように発言にかぶせて声を張り上げても、リンディには通じず……声のカウンターが発動。

「だからぁ! て・あ・わ・せ!」

 聞こえてるっての。人を幾つだと思ってるんだよ……。虚しくなり、サンドラはあきらめた。

「……あるよ、手合わせ。もういいでしょ」

 さらっと流そうとした武器専門家に、ナユカが聞き返す。

「え? あるんですか?」

「いちおう、まぁ……撃ち合い的な……」

 サンドラが好む競技は、自由に動く撃ち合い。一定の距離を置いて射掛けあうような、もう少しおとなしい形式もある。

「まさか、ユーカにやらせないでしょうね?」

 最初から聞こえていたフィリスが、低音で確認してきた。

「まぁね……ちゃんと防具を装備するけどね……」

 競技経験者の物言いに含みを感じた健康管理者は、即座に駄目出し。

「許可しません」

 それでも、練習したばかりのスポーツ女子は、やはり……。

「わたしは、ちょっと興味……」

「持たないでいいよ」

 医師のこの態度に少々かちんときたリンディが、ナユカの代わりに意見する。

「でも、あの矢尻ならそんなに痛くないんじゃない?」

「では、ご自分の体で試してみます?」

 フィリスは、発言者に視線を向けず、前方を見たまま。

「え?」

「大丈夫ですよ、すぐ回復魔法をかけて差し上げます。リンディさんなら回復できますから」

 振り返ったヒーラーは微笑んでいるものの、その目は笑っていない。すると、その肩に手が置かれる。

「そこまで。冷静になりなさい、フィリス」

 後方から横付けしてきていた筋肉課長によって、医師は停止させられた。

「あ、す……すみません」自分を捕らえている隣へと振り向いてから、今度は立ち止まったリンディのほうへ向く。「ごめんなさい」

「……まぁ……いいけどぉ」

 言葉と裏腹、よくなさそうだ。間違いなく不機嫌。

「フィリス」

 課長に呼ばれ、部下はまた隣を見る。

「あ、はい」

「リンディに食事を一回おごること。これは、課長命令」

「……食事? はい、わかりました」

 部下が命令を受諾したので、上司はご機嫌斜めのフリーランスに確認する。

「それでいいね? リンディ」

「あたしは別に……なんでも……」

 飯おごればいいと思ってるのかよ……。不貞腐れ気味にぼそっと答えたリンディへ、サンドラが再確認。

「なんでもいいわけ? それだと、いい加減なもの、食べさせられるよ?」

「なんでもよくない」

 食道楽は、きっぱりと否定した。そこは譲れない。

「それなら、きっちりおごらせることね」

「そうする」

 しっかりうなずいたリンディを見ると、サンドラはにやっと笑う。

「覚悟したほうがいいね、フィリス」

「そ、そうですね……はは……」

 苦笑いするフィリスだが、その笑いは苦いだけではなさそう……。自分のことでもめているのを見ているしかなかったナユカは、胸を撫で下ろした。


 九課に戻ってからは、ナユカはやることがなく、さりとてできることもないので、サンドラの勧めで魔法省内を見て回る――つまりは、うろつくことになった。今まで、限られた場所を行き来していただけだったため、省内を探検するいい機会だ。特殊な肩書きとはいえ、臨時職員として雇われの身となった今、内部をそれなりに把握しておく必要はあるという配慮だろう。

 課長、秘書、医師の三名は、それぞれ自分の職務があり、フリーランスが案内役。とはいえ、リンディも魔法省内は必要な場所にしか行ったことはなく、実質的にただの付き添いだ。ただ、職員としての肩書きがあるナユカと同行すれば、大手を振って関係者以外立ち入り禁止の中に入れるやもしれず、それはそれで意義深い。どこか、やばい機密のあるところにでも迷い込んでやろうか――などと思ってはみたものの、現状、ナユカの立場を考えれば、控えたほうが無難だろう。目立つ行動は取らないほうがよい。

 そんなわけで、適当かつ無難に内部をぶらついてみたところ、それだけでも、異世界人には興味を引くものもあったようだが、リンディにとっては、取り立てておもしろい場所に行き当たることはなかった。見つけたのは、せいぜいサボるのによさそうなポイント、数ヶ所。フリーランスにも、まだオファーのない、というよりも、そもそも存在自体が知られていない「結界破壊士」にも、ほぼ意味はなさそうだ。とりあえず内部構造をさらっと把握した程度で探検を終了して、定時前に九課へ戻り、終業時間を迎えた。


 終業後、報告書作成で残業のあるサンドラから、食事をリンディにおごる約束を果たして欲しいと頼まれたフィリスは、ナユカも連れ立ち、饗応対象の部屋に比較的近くにある指定されたレストランにて、任務を遂行。依頼者から受け取った軍資金も加えて全員の分を払うようにとのことなので、食後、フィリスがナユカの分もまとめて会計しようとしたところ、もともと予定外の饗応だったため、少々足が出た。ナユカが自分の分は自分で払うと主張したため、皿洗いをする羽目にはならなかったが。


「で、結局……今回は誰のおごりなわけ?」

 帰り道で改めて尋ねたこの食道楽が、遠慮も容赦もなく食に励んだことが、資金不足の原因だ。饗応対象であるがゆえに、当人はびた一文払わない――皿洗いにならない限りは。

「サンドラさんとわたしのです」

 ここにいる饗応者への指示では、そういう名目になっている。

「ふーん、それじゃ、足して一回分ってことね……。つまり、それぞれ二分の一回分」

「……そうなりますよね」

「まさか、二回分にしようとしたとか?」

「いえ、そうじゃないです。ただ、サンドラさんが……一回分のダメージが大きすぎるから、共同にして二回おごろうと」

 一度に被る金銭的負担を半分に減らそうということ。

「……まるで、あたしが食べ過ぎてるみたいじゃん」

「……」

 答えに窮しているフィリス……。

「いや、冗談なんだけど」

 本人にも自覚はある――ただ、腹のほうには自覚はない。

「そ、そうですよね」

 あわてて微笑む饗応者に、食い意地が慈悲を与える。

「……まぁ、今日は少し多めだったから……1.5回分でいいよ」

「えっ?」

 驚きの声を上げたのはナユカ。リンディが視線を向ける。

「なにさ?」

「いえ、その……どういうことですか?」

 この食欲が食事絡みで妥協するとは……。

「あ、えーと……」内容に関する疑問だと、当人は理解。「つまり、今回はフィリスが一回分で、サンディが二分の一回分ってこと。それでいいよね?」

 免除提案を受けたフィリスがうなずく。

「あ、はい。助かりました」

 不憫な不在の饗応者は、救われなかった……。もっとも、この一回をクリア扱いにされても、食事をおごる約束をした回数はまだたくさん残っているので、焼け石に水だったといえよう。自分ではなくフィリスが饗応の矢面に立てば、リンディも少しは遠慮するかもしれないという思惑がサンドラにはあったのだが、まったくの空理であり、食い意地にはなんの影響もなかった。


 ただ、饗応依頼者の策略はもうひとつあり、それは、自ら指定したこのレストランが饗応対象の部屋に近いという点だ。その場所から、また魔法省へ戻ってナユカとフィリスの部屋へ泊まるには、言い訳をひねり出すのが難しく、リンディの見栄としても無理があるだろう。ならば、ようやくひとりで自分の部屋に戻るのではないだろうか。イレギュラーな状態が続くと、なかなか本業のほうへ戻りにくいのを、サンドラが案じてのことだ。前回のセデイトが、ひどかっただけに……。そして、こちらの策は、果たして成功した。

 とはいえ、策士の想定外だったのは、リンディが、ナユカとフィリスに自分の部屋へ泊っていくように勧めたこと。ふたりは、お招きに預かるのもやぶさかではなかったものの、ある問題があった――着替えを主とする、お泊りの用意をしてきていない。前者がそれでも構わないと思ったのとは逆に、より旅慣れているはずの後者のほうが気乗りしないようで、そういうのは、旅行のときのようなやむを得ないケース以外は避けたいという。結局、フィリスの意向を汲み、今夜はそれぞれの部屋へと戻ることとなった。


 さて、こちらの世界に来て初めて、ナユカはリンディと離れて夜を迎える……。傍らにはフィリスがいて、もちろん、そのことは心強い。しかし、この世界に迷い込んでから二週間ほど……いつもそばにいた人がいないのは……。

 自分の部屋でひとりで寝るほうは、どうなんだろう……。久しぶりに落ち着いて羽を伸ばしているのだろうか? まぁ、自分と会う以前の状態に戻っただけだから、どうってことないのかな……。でも、少しは……。

 ベッドに腰を下ろして物思いに耽っていたところへ、寝支度の終わった同居人が声をかける。

「じゃ、寝よっか、ユーカ」

「うん、おやすみ」

 そして、異世界人は横たわる。灯りが消され、リンディのいない夜は更けてゆく……。




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