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第44話

 

 翌日は1日王都の中を散策し、王都観光の傍ら、

火山に向かう際に持っていく水、食料をたっぷりと買いつける。


 今までとは違ってかなりの戦闘が予想されるので

食料以外にも毒消し、麻痺消しなどの薬品も

一揃え購入し、夕刻にギルドに顔を出すと、

クエスト掲示板をチェックして、そこにあった

ランクAの魔物討伐のクエストを受けておく。

 

 受付嬢に聞くとランクAの魔獣討伐は数の指定がなく、

魔石を持ち帰った分だけ報酬が出るらしい。

ついでに受付嬢にしばらく北の方面の魔獣を倒して

レベル上げをしてくるので街からいなくなると

ギルマスに伝言を頼む。


 そうして準備を整えた翌日、日が昇る頃には王都の

西門を出て北に向かう道を歩いていく2人の姿があった。


 アイテムボックス持ちなので2人とも手ぶらで、側からみると

王都近郊の魔獣退治にでもいく様な格好で道を歩いていく2人


 北に向かう道はその先に村と山しかないせいか

同じ方向にあるく人やすれ違う人もほとんどいなくて

ほぼ無人の道を一路北の山脈の中にある火山を目指していく



 歩いていると探索スキルに前方に赤い点が現れた

ゴブリンの上位、ゴブリンウォリアーとゴブリンメイジ

どちらもランクBの魔獣だ

 

 抜刀してそのまま隠れもせずに歩いていくと、暫くして

遠目からゴブリンメイジが魔法を撃ってきた。


その時にゴブリンウォリアーも斧を持って走りながら

近づいてきている


 飛んできた火系の魔法を交わしてレンはゴブリンメイジの方に

走っていく、走りながらレンから<<サンダー>>の魔法が

打ち出されたのを見たティエラは同じ<<サンダー>>を

ゴブリンウォリアーに撃つ。


 ランクBになると<<サンダー>>1発程度では死なないが

それでもかなりダメージを受けている様だ。

ゴブリンウォリアーが近づいてきたところで片手剣で

その胴体を切り裂いた。


 レンはと見ると、2発目の<<サンダー>>が命中して

フラフラになっているゴブリンメイジを同じく片手剣で

真っ二つに切り裂いていたところで

お互いに魔石を取り出して合流して


「まぁ、ランクBだからこんなもんだろう。相手の魔法も

全然怖くなかったしな」


「魔法が飛んでくる速度も遅かったしね、余裕じゃん」


 その日は道沿いにテントを張って野営をし、翌朝

再び北に向かって街道を歩いていく


 たまに遭遇するランクBクラスの魔獣は問題なく討伐し、

歩くこと9日目の夕刻最北西にある村に着いた。


 村の入り口の衛兵にギルドカードを見せ、宿屋の場所を

聞いてからその場所に向かう


 部屋はいくらでも空いているという宿屋に宿泊料を

支払って久しぶりにベッドの上で身体を休めた2人


 翌朝、宿屋の1階で朝食をとりながら、料理を持ってきた

主人の奥さんにどこにいくのかと聞かれ、北東にある

火山を目指しているというと


「気をつけて行きなよ。ここから先はもう村もないし

人もいない場所だよ。魔獣のランクも上がるらしいからね。


過去何名かのあんたらの様な冒険者達が北を目指して

行ったけど、帰って来られたのはほんの一部だったんだから。


北の魔獣を退治してくれるのは、うちら村に取ってはいいこと

だけどさ、それでも命を大事にしておくれよ」


「北にいるランクの高い魔獣は決して山裾から出てこないって

聞いてきたんですけど本当ですか?」


ティエラが聞くと、そうそうと頷き


「何でだろうね。今まで北の魔獣がここまで来たって話しは

聞いたことがないね。まぁ噂なら色々と言われてて

魔素が少ないから山から出られないとか、山の魔獣を

統括してるとんでもないのがいて、そいつが森から

出させてないとかさ…本当の事は誰も知らないのさ」


 王都で聞いた話しと同じで、新たな情報は得られなかった。

まぁ元より情報についてはあまり期待をしていなかった

2人は落胆することもなく、宿屋の主人とその奥さんに

お礼を言い村を出た。


 道がない草原を北西の火山に向かって歩いていく2人。


「それにしても高ランクの魔獣が山から出ない理由って

何だろうな」


「おかしいよね。村の人が言っていた噂もちょっと眉唾もの

だし。山に君臨してる魔獣が統括してるってちょっと

考えられないよね」


「火口について神獣に聞いたらわかるかもしれないな」


 道なき道を北に向かって歩いていく二人。

村から北のエリアは道もなく、草原の様なところを

歩いていると、探索スキルにまた赤い点が現れる


「今度はトロル5匹か…こっちから仕掛けて

一気に倒してしまおう」


「了解!」


 そのまま駆け出してトロルが固まっている背後に回って

背後から魔法を撃つ。連続して2回撃つと2匹がその場で倒れ

残りの3匹がこちらに向かってくるが、それらにも精霊魔法

を撃って最後近づいてきたところを片手剣でさっくりと倒す

と脳内で


 『レベルがあがりました』


の声が。ステータスを見るとLV61になっていた


「ようやくLV61になったな」


「うん。魔法剣士になったらレベルが上がる条件が

他のジョブと同じになったと言ってももともとの必要経験値も

大きく増えてるから、なかなか上がらなかったよね」

 

 魔石を集めながらそんな話をして集めおわって

また暫く歩いているとちょうどいい野営地が見つかった。


「あそこの岩場の陰でキャンプするか 背後を気にしなくても

良さそうだ」


 2人で岩場の前にテントを張って、アイテムボックスから

取り出した食料を食べる


 夜は交代で休んで朝になるとまた北を目指していく。

 

 そうして時折ランクBクラスの魔獣を倒しながら

北に向かって歩いて5日後に火山の山脈から

広がっている山裾が見えてきた。



 近づいていくと、山脈の一つの山頂から煙が出ていて


「あれが火山か。いよいよ本番だ。山に入ったら連戦になるけど

覚悟しとけよ」


「わかってる。すごく楽しみ」


 そのまま躊躇なく山裾から中に入っていく

 

 するとすぐに探索スキルに反応が


「結構いるな。皆ランクAだ」


「オークエンペラーにオークチャンピオン。どちらも

前衛脳筋ジョブね」


 探索スキルのマップ上に赤い点が5つ写っている

幸いにもその周囲には他の赤い点が見えないので

この5匹の魔獣に集中できそうだ。


 2人は背後から回り込むことをせずにそのまま赤い点に

向かって山の中をゆっくり進んでいく


 視界にオークを捉えたころ、オークもこちらの気配に

気づいたのか2人の方を向くと一斉に突撃してきた


 レンとティエラは左右に広がって、近づいてくる

オークにサンダーを2回連続で撃つ。


 魔法で動きを止められなかった1匹をまず

すれ違いざまにオークの腹を片手剣で薙ぎ払って

絶命させ、お互いが2匹のオークに向かっていく。


 ランクAのオークとは言え、その動きは神獣の加護を受け

魔法剣士に転生しさらに身体能力がアップしている2人に

とってはゆっくりとした動きにしか見えず、

武器やパンチを軽くかわしながら手を落とし、

そして首をはねて絶命させた。


「とりあえず、大したことがないってわかった」


「物足りないね」

 

 魔石を集めると再び火山に向かって山を進んでいく

すぐにまた探索スキル上に赤い点が…今度は多数…

10以上の点が進行方向に見えてきた。


「ランクAとランクBか。今度のは統制が取れている様だな」


「正面から行く?」 


「当然だろ? 俺はボスをやるからティエラは雑魚を頼む」


 そういうと2人は剣にエンサンダーを付与する

エン魔法は2人が魔法剣士になって新たに取得した魔法で

武器に精霊魔法を付与することによって

本来の武器の攻撃力をアップさせるとともに、追加効果で

付与した精霊魔法のダメージが加算されるもの


 付与している間、MPを消費し続けるのが難点だが

世界樹の加護で常時MPが満タン状態の2人にとっては

MP消費を気にしなくても良いこの魔法は非常にメリットがある。


 二刀流のそれぞれの剣が雷を帯びてパチパチと紫の火花を

散らせているのを見てからオークの群れに突っ込んでいく


 素早さがアップしている2人はあっという間にオークの

群れに到達し、彼らが2人に気が付いた時には

既にティエラは2匹のランクBオークを倒していた。


 ティエラが剣を払うと、オークの身体から雷の火花が

飛び散り、剣の効果プラス精霊魔法効果で集団の

オーク達がなすすべなく倒されていく。


 レンは近くにいるオークを一撃で倒したあと一気に

群れのボスオークに近づいていった。


 ボスの隣にはオークメイジがおり、魔法を唱えるが

詠唱時間が長く、その間にレンが動き回っているので

全く魔法が命中しない。


 そのままボスに近づくと、ボスが振り下ろした斧と

レンの片手剣がぶつかり合い、そのままボスの斧を

いなすと、下から片手剣を築き上げて手首ごと弾き飛ばした。


 信じられないという顔をしたその直後、痛みから

オークが絶叫をあげるが、レンは攻撃を止めずに

そのまま絶叫を上げているオークボスの首を刎ねて

絶命させる。


 オークメイジはなんとかレンに魔法を当てようと次々と詠唱

している間に他の雑魚を倒し終えたティエラがオークメイジ

の首を刎ねた。 


 倒した魔獣達の魔石を回収しながら


「ちょっとは手応えあるかと思ったけど、そうでもなかったな」


「それよりこのエン魔法、使えるね。与ダメが増えてるよ」


「俺たちはMP消費を気にしなくてもいいから常時付与したままで

よさそうだな」


 エン魔法の効果に満足した2人はその後も山を進む

途中で幾度かランクA、Bの魔獣と遭遇するが

危なげなく倒しては火山に進んでいく2人


日が暮れる前に、山の岩場の陰の場所を見つけて

そこで野営することにした


 夕食をとりながら明日からの行程を確認していく


「この調子だとあと4、5日で火山に着けそうね。

 火口の入り口がどこかは分からないけど。

山の頂上まで上がる必要があるのかしら?」


「どうだろう?山の中腹あたりに中に入っていく洞窟が

ありそうな気もするけどな。」


「だといいけどね」


最後まで読んでいただきありがとうございます

良ければ評価をお願いします。

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