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第4話


 その後もソロでギルド討伐クエストを受けていたレンは

LV13にアップ


 レベルが上がって同じ魔獣を倒すと魔獣から得られる経験値が

少なくなるので、数をこなしつつ根気よく武器と魔法の

スキルを上げ続け、臨時パーティを組んでから

約1ヶ月後にようやくLV15に、そしてその1年後にLV20にアップ 

レンは19歳になっていた


 ギルドに報告してランクDに昇格した


 赤魔道士はレベルが上がるのが遅い代わりに、

その間にギルドのクエストを多数こなし

ギルドのランクアップのポイントは貯めやすいので、

レベルが上がって即ランクも上げる事ができた。


 このランクDは冒険者の最初の目標になっている。

というのはランクD=LV20になるとダンジョンに挑戦する

権利が得られるためである。


 ダンジョンがどうやって生成されたかは今でも謎となっているが

今でも定期的にダンジョン発生のニュースが国内に流れている。

ダンジョンの最深部にはいわゆるボス部屋がある、

このボスが存在している限り、いくらダンジョンの魔獣を

討伐しようとも、しばらくするとダンジョン内で魔獣が

自然発生し、再び冒険者に襲いかかってくる様になっていると

言われている。


 ダンジョン内の魔獣はフィールド上の魔獣より強めで、

そしてフィールドにいる魔獣には無いことだが倒すと

たまにアイテムをドロップすることがある。

強い相手を倒すと、強力なアイテムがドロップする

仕様になっているので冒険者は自分用、あるいは金策用に

ダンジョンの魔獣を倒すことに注力するのだ。


 もちろん、魔獣が強くなった分、事故や死亡のリスクも

高くなるが、うまく行くと今までとは桁違いの稼ぎができる

ということで多くの冒険者達がダンジョンを目指している


 ランクDになったレンも初ダンジョンに挑戦すべく

事前準備をしてからギルドのカウンターに向かった


 いつもの受付嬢にダンジョンに向かう旨を伝えると


「ダンジョンは魔獣の指定はなく、討伐した魔獣のランクや

数にて評価されるの。なので、ダンジョンの入り口にある水晶板に

ギルドカードをあててから中に入ってね、

水晶版にカードを当てて中で倒すと自動的に倒した魔獣の数や

経験値が溜まっていく仕組みになってるの。だからカードを入り口で

当てるのを忘れちゃうとせっかく倒してもカウントされないから。 

ところでレン君はどこのダンジョンに向かうつもり?」


 レンが今いるこの街、ベルグードは街の周囲に

多数のダンジョンを抱えている


「とりあえず南にある少し前にできた大きなダンジョンに

しようかと思ってる あそこは規模も大きいし結構幅広い

ランクのモンスがいるって話しだしな」


「そうね、ランクDなりたて、LV20でも倒せるのから、

深く潜るとランクAやSの人がパーティを組んでようやく倒せる

くらいのまでいるわね。まだ最深部まで到達したパーティは

いないけど。ところで、レン君ソロでしょ?」


 言いながらカウンターの下で何やら資料らしきものを

見ている受付嬢は、顔を上げると


「そうね、ランクDのソロなら南のダンジョンなら

4階か5階くらいまでは行けるかも? 

そこから先はレベルを上げないと厳しくなってくわよ。

でも低階層でも絶対に無理しないでね。南のあそこのダンジョンは

あそこだけに存在する特殊な罠があるから。」


「特殊な罠?」


「ええ、あそこのダンジョンだけ、その中で”転移魔法陣”

という罠が出るの。この魔法陣はダンジョンの中を彷徨う様に

あちこちに出現して、その上に乗っている冒険者をランダムで

飛ばしてしまうのよ。もっとも魔法陣の上に乗っても

すぐにそこから離れたら飛ばされることは無いらしんだけど」


「じゃあ大丈夫だな。 それでそのランダムで飛ばされる先って

ダンジョン内のどこかってことだろう?」


「そうそう。上層に飛ばされたり、下層に飛ばされたり、

あるいは同じ階層の違う場所に飛ばされたり、

本当にランダムみたい。この前、ランクAのパーティが

ひょっとしたら下層に一気にいけるんじゃないかって

乗ったらしいんだけど、飛んだ先はダンジョン入り口だった

らしいわよ。」


「Aランクならどこに飛ばされてもある程度は

対処できるだろうけどな。 わかったよ、

転移魔法陣には気をつける」


 受付嬢と話しをしてから、レンはギルドを出て、

南の城門から南へ向かって歩き始めた


 南のダンジョンは街から徒歩で約6時間ほどの場所にあり、

ダンジョンの周辺は冒険者目当ての店や簡易宿泊施設などが

あって、ちょっとした村の様な雰囲気になっていた。

レンはとりあえず店でダンジョンの地図を購入した。

その地図はもっとも安い地図で地下5層までのマッピングがされている。


 これ以上になると下の階層の地図程高くなっている。

地図を一通り見てから、とりあえず入ってみないとな…と

一人納得すると、ダンジョンの入り口に向かう。

入り口にはギルドから派遣されている警備員がいて、

レンを見ると


「ギルドカードをここに当てて」


 ダンジョンの入り口にある水晶のプレート(転送板)に

ギルドカードを当てるとその板が一瞬だけ白く光り輝く


「これでOKだ。 ソロかい? 下層に降りるほど魔獣が

強くなるから、あまり無理すんなよ」


 軽く手を上げてからレンは初めてのダンジョンに踏み込んでいく。



 なだらかなスロープを降りた地下1階部分は周囲が

硬い壁になった横幅は約5メートル、高さは約3メートル位の

通路が奥に続いている。ダンジョン内は壁が発光しており、

そのおかげで視界に困ることはないが、歩いていると通路が

T字路になっていて、どちらへも進める様になっている。



 初日なので地図を見ながらゆっくり通路を歩いていると

その先からモノの気配が。

片手剣を構えると同時に


「ギギギギ」 と聞き慣れた音とともに


 ダンジョンゴブリンが2匹、こちらに突っ込んできた。


 2匹とも棍棒を構え、唸り声をあげながら近づいてくるのを

見ながら


 <<フリーズ>> と唱えて左のゴブリンの顔に氷系魔法を

ぶつけると、それだけでゴブリンの首が飛んでしまった。

そして近づいてくる残った方のゴブリンは片手剣で

さっくりと首と胴体を切断して最初の討伐は終了。


 倒した2匹のゴブリンはしばらくすると淡く光って、

そして光の粒になって消えていってしまった。

ただ、ゴブリンといってもダンジョンのゴブリンの

レベルは最低でもV20はあるのだが…


「これがダンジョンの魔獣の最後か…

本当に地上のとは全く違うんだな」

 

 妙に感心しながら1階を探索するレン。

最初から今日は1階のフロアを全て歩いてみようと

決めていたので、途中で2階に降りる

階段を見つけても降りずに1階の探索を続ける。


 ゴブリン2匹のあとに再びゴブリン、またゴブリンを討伐し


 このフロアはゴブリンフロアなのか


 なんて思っていると通路の先から違う音が、

羽根をこする様な音がしたと思うと

キラービーが2匹こちらに近づいてきた。


<<エアロ>>


 風系の魔法で1匹のキラービーの羽根を切ると、

その場で床に落ちる1匹、もう1匹は

レンから近づいて片手剣を縦振りして真っ二つに、

床で暴れている最初の1匹にも

片手剣を突き立てて討伐終了。しばらく見ていると

淡く光って消えていった


 地図によると1階には部屋はなく通路があるだけで…

その通路をくまなく歩き見つけた魔獣を倒していくレン。

モンスのレベルは1階は19ー20程度でレン一人でも

問題なく狩れていける。


一通り探索を終えると


「下に降りてみるか」


 ダンジョンにいると外が昼か夜か、時間の感覚が

わからなくなってくる。ダンジョンに入ったのが昼前

だったので、腹の減り具合から多分今は夕方頃だろうと

思い、もう1階下の探索でダンジョンの階段を降りていった

階段を降りたところには水晶のプレート(転送板)があり、

これにカードを当てておくと、次回から

カードを当てた(記録した)フロアであればどこでも

好きな場所からスタートできるらしい。


 転送板にカードを当てて地下2階を歩き出したレン。

地下2階も1階と同じ様な通路でできているが、

1階と異なり所々に小部屋らしきものが地図に書いてある。

下に降りたレンはゆっくりと地図を見ながら探索を始めていく

途中で1階にはいなかったウルフやゴブリンよりは大柄の

トロルという人型の魔獣を見つけては魔法、

片手剣で片付けてダンジョンを進んでいく


 小部屋の前にくると、扉がなくて中がまる見えで、

部屋の中にいたトロルx3匹が

レンを見つけて突進してくるところを、魔法で1匹を倒し、

残り2匹は片手剣で危なげなく倒して、

その先に3階に降りる階段を見つけ、階段を降りたところに

ある転送石を触れて地上に戻った


 ダンジョン初日は1階、2階をクリアして地上に戻ると

日がくれた頃で周囲も薄暗くなっていた。入り口ゲートに

ある水晶板にカードを差し出して討伐の記録を取る。


 これから1刻歩いて街に戻るのも億劫なので、その日は

簡易宿泊施設のベッドで身体を休めたレン。 

やっぱり初めてのダンジョンで疲れていたのか、

眠ったと思って目が覚めるともう朝で、ベッドから

起き上がって支度をすると、道具屋に向かい、必要な薬、そして

水と干し肉の食料を買って、朝早くから再びダンジョンに

向かっていった。




最後までお読みいただきありがとうございます

1日1話ずつ投稿予定です

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