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第18話


 翌日朝宿の食堂で食事をしてから南門を出てテレポリングで

一気にダンジョン入り口まで飛んで受付でギルドカードを水

晶版に触れてから階段を降りていく2人


「今日はあの水のフロアからかぁ びしょ濡れになりそう」


「濡れたら風魔法で乾かせばいいじゃないの」


 言いながら転送板で14階に飛んでいった


「さてと、レン。どうやって行く?って聞いても目の前の細い道を

進んでいくしかないよのね」


「そういうこと。俺が先に行く。池から魔獣が攻撃してくる

可能性が高いから探索は常時発動で」


「了解」


 レンが先に細い道を歩き出す。左右は底が見えない濃い色をした

池の様で、ゆっくりと左右を確認しながら歩いていくと、

探索に赤い点が現れてきた


「左の池から5匹 右からは3匹」


「ティエラは右を」


 待ち構えると池の中から魚が飛び出してきた

トビウオの様に飛び出してきて口から勢いの強い水を吐き出していく


 レンとティエラは水を避けつつ、片手剣で魚の魔獣を倒して行く


「スピードが速くて魔法が間に合わないわ 

打つ頃にはその場所にいないのよ」


 そうぼやきながらも片手剣で向かってくる魚を次々と切るティエラ


 8匹を倒すとまた細い道を進んでいく


「水をぶつけられて池にはまると面倒になるから気をつけて。

魔法が間に合わないなら剣でぶった切っていこうぜ」


 今度は2人の前に通路の先にサハギンが見えてきた 

サハギンは人魚魔獣でトカゲの様な身体付きながら二足歩行

する魔獣である。身体全体に鱗がありそこから出ている液は

滑りやすく、普通の剣や拳は滑ってしまってダメージを

与えるのが難しいと言われている


「俺はサハギンをやるから、ティエラは池から飛び出てくる

魚がいればその処理を頼む」


「わかったわ」


 言うなりレンはサハギンに突っ込んでいき、片手剣で一刀両断にした


「やっぱりすごいわこの剣、サハギンでも何ら関係なく綺麗に切れる」


 剣の切れ味に満足してさらに進んでいく2人

時々池の中から飛び出てくる魚を片手剣で問題なく倒して進むと

道幅は広くなったもののその先にはサハギンが5匹纏まって

広くなっている通路に立っているのがわかって


「エルフの店で買った素早さアップの靴の出番かな」


「そうね、一気にやっつけちゃおう」


 こちらからサハギンの群れに突っ込んでいくレンとティエラ


 サハギンも剣を持って向かってくるが、それを交わして胴体に剣を振って上半身と

下半身に綺麗に切断し、さらに集団の中に突っ込んで片手剣を振り回してく

サハギンも剣や棍棒を持ってこちらに攻撃をしてくるがそれらを交わしながら


「遅い!」


 相手が攻撃する前に次々と2人でサハギンを倒していき、

5匹のサハギンをあっという間に全滅させて


「靴買って正解だったな」


「本当ね。この前よりも身体も早く動けてる」


 その後も池の中から飛び出てくる魚やサハギンを倒していくと

池の中に浮いている小島の様な場所を見つけて、周囲を探索し、

何もいないのを確認してそこに座り込む


 アイテムボックスから水とパンを取り出して2人で食べていると、

ティエラが


「レン、あれ見て」


 ティエラの方に顔を向けると、小島にある小さな浜に冒険者の

ものと思われる装備がいくつか流れついているのが見えた。

何が起こったのかはお互いに言わずともわかっていて、

隣に座って浜辺を見ているいるティエラの肩に手を回すと、

身体を寄せてきた。しばらく2人で無言で浜辺を見てから


「さて、行くか」 


 2人立ちあがると、浜辺に漂着している冒険者の遺品を集めて

アイテムボックスに保管した。冒険者の遺品は可能な限り

持ち帰ってギルドに渡すというのが冒険者のマナーであり、

ギルドは遺品について、身元がわかるものはその関係者に渡し、

身元が分からなかった者の遺品についてはギルドで丁重に

処分することになっている


 再び小島から通路に出て奥に進んでいく2人

魚やサハギンを冒険者の仇の様にバッサバッサと

切り裂いておくに進んでいくと

ようやく通路の先に次のフロアに降りる階段が見えてきた


 最後はサハギン5匹の群れに突っ込んで魔法と剣で5匹を

蹴散らしてから階段を降りて15階の転送板に触れて14階をクリア


 そこで一旦休んでしっかり回復してから


 15階に挑戦、2人なので進行は慎重で遅めではあるが、

無理をせず、堅実に進んで15階に降りてから4時間後、

16階へ降りる階段を見つけた


「だんだんと攻略のスピードが遅くなってくな」


「そりゃ仕方ないわよ。下になればなるほど敵も強くなるんだしさ。

焦らずに行こうよ」


「そうだな、今日はこれで帰ろう」


 地上に戻り、テレポリングで街まで戻ってギルドで

討伐報酬をもらって宿に戻った


 その後も2人は2日ダンジョンに潜っては1日休みという

ローテーションを繰り返しつつゆっくりではあるが確実に

下層に向かってダンジョンを進んでいた。


 レベルも46に上がり、個人の能力も間違いなくアップしているが、

それでも当初の予定通りに決して無理をせず、

着実にボス部屋を目指していた。


 そうやってレンとティエラがダンジョンを攻略している頃、

ギルドマスターのアンドリューは王都でのギルドマスター会議に出席するために

辺境領を出て王都にむかっていた。

 

 途中の街で宿泊がてらそのギルドと打ち合わせをし、

その街のギルドマスターも合流しての

王都訪問となったので王都に着く頃には結構大きな一団となって王都に無事到着


 着いた日は宿に荷物を置いてから王都のギルド主催のパーティに参加、

各地のギルドマスターと旧交を暖めたのち、

次の日から王都でギルドマスター会議が開催され、そこで

辺境領ベルグードのギルドマスターのアンドリューより

正式にダンジョンの一件の報告がなされた。


 その反響は大きく、ダンジョンが天上の神が作った試練の場

だったということで、今までのダンジョンにまつわる不思議な

ことのいくつかが解明され、また同時に魔王を頂点とする魔族への

対応準備が必要だと再認識された。


 ギルド会議で発表されたことは即、ギルド経由で一般の冒険者にも

知れることとなり、ランクC以上の冒険者の多くがダンジョンが

多数存在する辺境領に向かっていった。


 またそれと同時に、特に冒険者の間で、今回の報告の基となった

神の加護を受けた赤魔道士が2人いるという話しも急速に広まっていった。

これはギルドは告知していないものの、

旅する商人や各地を転戦する冒険者の口から徐々に広まっていった。


 一方王国は今回の件についてはギルドの調査結果であり、

国として認めたものではないという見解のみを発表し、

静観の構えを見せている。ただし、ギルドおよび冒険者が独自で

ダンジョンに挑むことを拒むことはしないと

事実上ギルドの方針を追認する形となった。


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