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第16話


 一方、ダンジョンを攻略しているレンとティエラはというと

10階の地上の風景の様なダンジョンからさらに3層降りた

13階を攻略中であった


 11階以降はダンジョンの魔獣の数も多く、またレベルもそこそこそこ

高いのが連続して出てくるので今までの様にサクサクとは進まず、

連携を取りながら慎重に攻略してく必要がある。



 レンの後ろから魔法を打ち、レンが倒しきれなかった

魔獣のとどめをさしつつ


「レン、右から3匹くる。そいつを倒したら左に行ったらいいみたい」


「わかった」


 レンは前で絶え間なく魔法と剣を使いながら、押し寄せてくる

上位オークを倒しながら前に進んでいき

何十体と魔獣を倒したところで小さな小部屋を見つけた


「安全っぽいな」


 せいぜい5、6人が入ればいっぱいになる様な小部屋に入って、

しばらく様子をみていたが、部屋の中では魔獣が湧かないことを

確認してから2人でそのまま床の上に座り込んで


「流石に下に降りると、敵も強くなってくわね」


 ティエラが水を飲みながらいうと


「ああ、でもやりがいがあるよな 今回は正攻法で

最下層を目指したいからこれくらいで根を上げてたら

到底ボス部屋まで行けないぜ」


 ティエラからもらった水を飲みながらレンが言う


「間違いなく神獣がいるってわかってるから、

まだやる気がでるよね」


「まったくだ でも慎重に行こう。死んだら終わりだし」


「うん。今日はどこまで行くつもりなの?」


「朝から進んで3階おりて、今13階だっけ? 

今日は14階に降りたところで一旦街に帰ろうか。

食料の補給と休息が必要だよ」


「じゃあこのフロアを攻略したら帰るのね、うん。

いいと思う。私も久しぶりにお風呂に入りたいし。」


 ティエラも同意したので、少し休んでから


「じゃあ、行きますか」


 レンとティエラが同時に立ち上がって


「このフロアをクリアしたら休みが待ってるぞー!」


 ティエラが気合を入れてから小部屋を出て再び戦闘の場に


 それから2時間後、通路に沸いている上位オークを5体倒したところで


『レベルがあがりました』


 の脳内アナウンスが2人に聞こえて


「やったー LV45だ」


レベルがあがると体力がみなぎってくる感じがして


「よし、このまま一気に階段目指すぞ!」


「おー」


 その後探索を使ってうまく上位オークの群れを分断して

個別撃破を続けて進んでいくと通路の先に14階に降りる階段を見つけた


 階段を降りて転送板に触れて


「やっと14階まで来た」


「ああ、これで今日は帰ろう、14階攻略は今度だ。 

それにしてもここもいやらしいフロアだな」

レンとティエラが見ている14階のフロアは大きな湖と呼んでもいいほど

一面水で、その上に人1人が通れる細い道があちこちに伸びている。


「水の中に、いろいろいそうな雰囲気」


「ああ、この雰囲気、絶対にいるな。」


 2人でしばらく14階のフロアを見てから転送板を起動して1階に戻った


 地上に上がると、受付の冒険者が


「泊まりで攻略してたのか。何階まで行ったんだい?」


 水晶板にギルドカードを当てながら


「13階クリアしたところだ。今度は14階から。

ところで今このダンジョンに潜っているパーティで一番攻略が進んでいる

パーティは何階まで攻略してる?」


 カードの処理を終えたレンが聞くと、ダンジョン入り口にいる冒険者の男は、

声を潜めて


「ランクBの4人組のパーティが3日前に18階を攻略するって

言って入っていったんだけど、まだ上がってきてないんだよ。

攻略中なのか、それとも…」


 あとの言葉は言わなくても冒険者ならわかる。


「そうか、ありがとう」


 それ以上深いことは聞かずにレンとティエラはダンジョンの

入り口から集落に向かって歩いて


「レン、私たちは無理しないよね。」


 レンの左手にしがみつきながらティエラが上目使いで言うと、


「競争じゃないしな。それにこっちは2人。ゆっくりやろう。

それにしてもダンジョンの中にいると時間の経過がわからないけど、

もう日が暮れそうな時間だったんだな」


 レンの話にティエラは頷きながら、


「本当ね。じゃあこの集落抜けたところでテレポリング使って街にもどろうか」


「そうしよう。頼むぜ、ティエラ」


 ダンジョンの周囲の集落を抜けたところでティエラが指輪に

触れながらベルグードの街を思い出すと指輪が光始め、

その光が2人を包んで消えた



 光が消えるとそこはベルグードの街の入り口近くの場所で


「この指輪、便利だね」


「これならあの集落の宿屋に泊まる必要なくなるよな」


 レンもテレポリングの効果に満足し、2人並んで街に入り、

夕暮れのギルドに顔を出す。レンはこのギルドでもう2年以上

活動しているので、顔見知りもいるので、彼らと挨拶したり

軽く会話をしたりして受付の列に並ぶ。


 ちょうど冒険者が1日のクエストを終えて戻ってくる時間帯と

重なっていて、ギルド内は人が多く、受け付けカウンターで

しばらく並んでから、ギルドカードを受け付けに渡す。


「お二人ともLV45ですか、おめでとうございます。 

あと討伐数に応じての報酬の受け渡しがありますので

少々お待ちください」


 ダンジョンの場合には倒した数はギルドカードに記録され、

それをギルドで確認してから討伐数に応じた報酬が出る

システムになっている


 最初の南のダンジョンでは魔獣を少しだけ倒したところでお互いに

転移魔法陣で飛ばされた2人だったので本格的に

報酬をもらうのは今回が初めてみたいなものであった。


 ギルドカウンターの隣にある談話用のテーブルに座って

待っている間、レン達のテーブルの周囲にあるテーブルに座っている

多くの冒険者達から2人の赤魔道士に視線が注がれている


 レンもティエラも知らなかったが、赤魔道士の2人組みは

このベルグードの街でもギルドでも有名になりつつあった。


 フェンリルの牙を持ち込んだのがこの2人だというのが

どこからか漏れたのがきっかけで赤魔道士でLV40超え、

見たことのない様な片手剣を2人とも持っていて、

来ているローブもそこらの防具屋では売っていないものだと

知れるに従い、興味津々の目で周りの冒険者が2人を見ている。

2人が首に巻いている真っ青なスカーフも彼らを目立つ存在にしている。


 当人達は見られてるのは気づいてもそれ以上に2日に渡って

ダンジョンに篭った疲れとダンジョンから無事帰還できた安心感から

半ば放心状態であった


「お待たせしました」


 座っているテーブルにギルド職員が来て


「倒した魔獣の討伐分、お2人で金貨10枚、

銀貨150枚になります」


 その金額を聞いて周囲の冒険者は


「すげぇな 金貨10枚かよ」


「何体倒してきたんだ?あいつら」


 羨望ややっかみの視線を浴びながら報酬を受け取ると


「ありがとう」


 ティエラが職員にお礼を言って


「じゃ、レン、帰ろ」


「そうしよう」


 周囲の視線を受け流してギルドを出ていく2人



2人が出たあとのギルド内は


「なあ、今の赤魔道士の2人、レベル45って聞こえたけど本当かい?」


 聞かれたギルド職員は、


「冒険者のレベルを他人に教えるのはギルドの規則違反ですよ」


 と問いかけた者をたしなめながらも、小声で


「お聞きになられたのなら、その通りです」


 と答えるとテーブルにいた冒険者達が驚きの表情をして


「赤魔道士って他のジョブの3倍の経験値がレベルアップに

必要なんだろう? 見たところ2人も20歳くらいににしか見えないが、

それでレベル45って一体どういうことだよ?」


「一体どれだけ倒しまくっているんだ?あいつら? 2人パーティだろ?」


「メチャクチャ強いんじゃないの? 装備もいいのを持ってるみたいだしさ」


 しばらくレンとティエラのことで盛り上がっていたギルドの中であった。




「あ〜 やっぱりベッドのある部屋は落ち着くわね 極楽極楽」


 定宿に戻って部屋に入ったとたん、ベッドにゴロンと寝て、

そのまま伸びをしながらティエラが言うと、


「ティエラ、明日は1日休養日にしないか? 

ダンジョンはまだまだ深そうだし、しっかり疲れをとってから再挑戦しない?」


「そうしよ。明日は2人でのんびりしよ 一緒に街の中見てみない。

私この街、まだよくみてないし」


「じゃあ、そうするか」


 とりあえず明日は完全休養日となった



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