実花ちゃんは積極的
ブラック企業勤務のため、投稿は安定しません。ごめんなさい。
教室の自分の席に着くと、隣の実花ちゃんが話しかけてきた。
「おはよー。ギリギリだね。」
「うん、朝からたくさんの男の人に追い掛け回されて大変だったよ。」
実花ちゃんは、刺客のことを知っている数少ない友達だ。
「モテモテだね。うらやましいなー。」
「変わってあげたいよ。」
「あはは、私、マッチョな人苦手だから遠慮しとくよ。」
「私も別に好きじゃないんだけど。」
「あんた、自分より弱い男に興味ないとかいいそうだけどね。」
「そんなこと言わないし。将来ケンカとかするかもしれないから頑丈なほうがいいとは思うけど。」
「殴り合い前提なんだ…。」
「最終的にはそうなるでしょ?お父さんとお母さんのケンカだって大抵そうなるよ。」
「あんたの家庭どうなってんの。おばさん、物静かな感じだけど。」
「お母さん怒ると怖いんだよ。普段はおとなしいけど。」
うちの家族で序列をつけるなら、お母さん、お姉ちゃん、私、ジョン(犬)、お父さんの順になるだろう。たぶん、お姉ちゃんに聞いてもだいたい同じになると思う。もしかすると、ジョンと私が入れ替わるかもしれない程度だ。
「ふーん。で、彼氏とはどうなってんの?告られてオーケーしたんでしょ?頑丈そうにはみえないけど、殴ったりしてないよね?」
「そんなことするわけないでしょ。あれから会ってないんだから。」
「え?そうなの?連絡は取ってるよね?」
「連絡先知らないもん。」
麗華ちゃんの視線が気になって、早く離れたかったから聞いてなかったのだ。
「もう一週間ぐらいたつよね。あんた、よくそれで平気だね。会いたいなーとか思わないの?」
「その発想はなかった。」
確かに、付き合っているんだから会いたくならないのは変かも。
「休み時間に、彼のとこいってデートの約束してきなさい。」
「私、狙われてるから一緒にいると危険だよ。」
「じゃあお昼一緒に食べるのは?校内なら安全でしょ。」
「えー恥ずかしいから無理。」
「ダメ。私もついていってあげるから。」
「うん…。」
こうして彼氏?に会いに行くことになってしまった。おかげで授業にまったく集中できない。ただでさえ成績は下の中ぐらいなのに。お母さんにまた怒られてしまう。はあ…。