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お巡りさんは働かない

 家を出てすぐ隣にある交番に向かう。交番ではお巡りさんがいつも通り暇そうに座っていた。ほぼ日課になっているので、教室のドアを開けるときみたいに気軽に交番に入る。なんとなく敬礼をして話しかける。


「おはようございます。今日は3人。よろしくお願いします。」

「営業時間外なんだけど。」


いつも通りやる気がないな。


「警察って24時間営業じゃないんですか?犯罪はいつでも起こるし。」

「本部は24時間営業させたいみたいだけど、うちは人手が足りないから短縮営業してるんだよ。」

「コンビニじゃないんだから。仕事してるの見たことないし。」

「極ちゃんは学校で見てないだろうけど、うちは9時から5時まで営業だからね。営業中はすごい働いてるんだよ。」

「へーすごいですね。急ぐんでよろしくお願いしますね。」


面倒になってきたので適当に答える。


「仕方ないなあ。そいつら生きてる?」

「たぶん大丈夫。」

「襲ってきたりしない?」

「たぶんそんな元気はないと思うけど。まあもし襲われても鉄砲あるから平気ですよ。銃で撃たれると人は死ぬし。自信もってください。」

「これ使うと上司に怒られるからいやなんだよ。極ちゃんがとどめさしといてくれたら楽なんだけど。」

「ひどいこと言うなあ。過剰防衛で捕まったらお母さんが悲しむからダメですよ。」

「舞さんの悲しむ顔も見てみたいなあ。」


お母さんはわりと人気があるのだ。


「家にいるから会えるかもしれませんよ。」

「そうか。じゃあ頑張って仕事しようかな。」

「あはは、頑張ってください。じゃあ遅刻するから行きますね。」

「了解。気を付けてね。」


 これで襲撃者の片づけは完了。交番が近くにあるのって便利だ。戦っているときに助けてくれたことは一度もないけれど。


 さて、今度こそ学校に向かおう…と思って交番を出ると男5人の行列ができていた。交番に用があるわけではない。すぐにわかった。なぜなら交番を出た直後に先頭の男が斧を私に振り下ろしてきたからだ。サイドステップでかわしつつうしろを振り返ってお巡りさんを見る。目が合った。すぐに目をそらしてスマホをいじりはじめやがった。本当に役に立たない。あとでお母さんに言いつけてやろう。


 私は男たちを無視して走ることにした。斧とかもって走るのは大変だろうし諦めてくれないかな、と思ったけれど、後ろから足音が聞こえてくる。はあしつこいなあ。私はさらにスピードをあげる。足音がだんだん遠ざかっていく。私はかけっこには自信があるのだ。お姉ちゃんにだって負けない。だってお姉ちゃんの靴は鉄板入りで重いから。


快調に走っていると前にも刺客を発見した。柔道着着て、ファイティングポーズをとっている。うん、間違いない。刺客ぎりぎりまで突進して直前で右に一回転、そのまま相手の左側を走り抜ける。昔、某少年誌で読んだアメフト漫画に載っていた技だ。相手には私の残像が見えているのだろう、たぶん。私は心の中で極ゴーストと読んでいる、通学時に欠かせない技だ。


 こうして刺客と思われる怪しい相手を華麗にかわしつつ私はようやく学校にたどりついた。

思ったよりなかなか話が進まないです。

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