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お姉ちゃんは破廉恥

 お姉ちゃんたちのことは置いといて、さっき倒した男の人を見る。完全に気を失っているみたいだ。ピクリとも動かない。襲われたときに落としたカバンから絆創膏を取り出して男のあごに貼りつける。あごの骨が砕けているみたいだしこんなことしても意味ないと思う。でもやる。これはお母さんの教えなのだ。意味があるかどうかはともかく、相手を治療しているということが大事らしい。これで情状酌量の余地がうまれるらしい。お得だ。


 あとはこの人を外に運んで、玄関に垂れた血を拭けばお掃除完了。やっと学校にいける。外では校則違反のミニスカートをはいたお姉ちゃんが男の側頭部にハイキックを叩き込んでいた。私ならそんなことはしない。パンツがみえてしまう。私が何度注意しても聞いてくれない。足の方が長いから便利だっていうけど、お姉ちゃんには羞恥心が足りないと思う。せめてもうちょっと長いスカートをはけばいいのに。


「極ー。後片付けよろしくー。」

「えー手伝ってよ。」

「今日日直だからー。」

「昨日も日直って言ってたよね。」

「私のクラスはひと月ずっと日直だからー。」

「それ日直じゃないじゃん…。」


最後の言葉を言い終わる前に、お姉ちゃんは走っていってしまった。お姉ちゃんはいつも面倒なことは私に押し付けるのだ。昔はよくそれでケンカをしたけど、最近はしない。お姉ちゃんは鉄板入りの靴を履いているから蹴られると痛いのだ。卑怯な奴だ。それに破廉恥だ。ばーか。


 心の中でお姉ちゃんの悪口を言いながら片付けを続ける。私の倒した男を外に出して、お姉ちゃんが倒した二人の横に並べる。そして玄関に垂れた血を拭きとる。ああ、そうだ。お姉ちゃんが倒した男にも絆創膏貼らないと。それぐらいしてってくれればいいのに。あとでお母さんに言いつけてやろう。二人に適当に絆創膏を貼って片付けは終わりだ。


男たちは隣の交番のお巡りさんに引き取ってもらうからこのままでいい。いつものことなのでお巡りさんもすぐにわかってくれるから楽だ。いつも襲われてるんだからなんか対策を考えてほしいけど、仕事熱心なタイプじゃないからなあ。事情聴取が適当なのは助かるからまあいいけど。 


 やっと学校にいける。玄関を開けてから家をでるまで10分もかかってしまった。急がないと遅刻してしまう。私は走って学校に向かうのだった。

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