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5話 反省会 前編

森から帰った俺達は、解散せずにそのまま食堂にいた。ラファルドさんからなにか話があるらしい。全員が椅子に座ったところで口を開く。


「それで、話ってなんですか?」


そうラファルドさんに聞く。ラファルドさんはこちらを一瞥したあと、ゆっくりと口を開いた。


「君は魔術師に、いや冒険者に向いていないのかもしれない」


「え、いや確かに今回のダンジョンでは主に攻撃を当ててしまって呼び寄せてはしまったけど…」


「それはあまり関係ないかな。当ててしまった事自体は事故だからね。」


「じゃあどういう意味で…」


「そうだね、じゃあ順をおって説明していこうか。」


一拍置いてラファルドさんが話し始めた。


「まずブレードビートルに遭遇した時、君は1発魔法を無駄にしたね。君は自分の魔力量を分かっていて、その少なさを知っているのにね。」


確かに1回目の魔法は殻に阻まれて通すことが出来なかった。でもそれはあの魔物と相対したのが初めてで、その防御力を知らなかったからであって、それだけでそういうのはあんまりではないか。そんな考えが頭をよぎる。


「君はあの森の中央部に行くのは初めてだったのかな?少しは周りから情報を集めようとはしなかったのかな?僕達のパーティーの実力を知っていたら、中央部に行くことは考えれたと思うし、それも含めて情報収集を怠った結果だと思うよ」


だが、そう言われてしまえば言い返せない。


「それからその後、ジェイクに指示を出して自分は魔力を練るのに集中していたね。確かに間違った行動では無いけど、あまりにも指示が適当すぎた。いつも同じ行動を取っているならまだしも、初めての指示があれじゃぁジェイクが可哀想だ。しかもジェイクに向けて魔法を放った。事故にしろ、冒険者にとって味方に攻撃をしてしまうことはやってはいけないことだ。信用を失うからね。謝りもせず、あまつさえ責めるなんて、もうね。」


あの時はいかに魔物を倒すかに集中していてろくに考えが回っていなかったが、よく考えれば確かに酷いことをしていた気がする。


「最後に主との戦いの時、一度魔物に抜けられた時があったね。まだ距離もあったし魔力を練っている途中とはいえ、間に合いそうなタイミングではあったと思う。それなのに君は戦意喪失して棒立ちになってしまった。そのせいで、主の討伐に時間がかかってしまったし、君自身回復のためのポーションを消費してしまった。」


あの状況でラファルドさんに迷惑をかけたことはハッキリしているので何も言えない。


「敵を前に竦むようなヤツに魔術師は、冒険者はやって行けないと思うんだ。ジェイクも心配しているし、僕自身、君は冒険者をやることが危ういと思うんだ。このままだと君はいつか、早い内にダンジョンで死ぬと思うよ。」


頭が真っ白になった。ラファルドさんにここまでハッキリ言われるとは思わなかった。


「ラファルド、強く言い過ぎだよ…」


レーネさんが言うのが聞こえる。


「いや、こういう事はハッキリ言っておかなければ行けないよ。パーティーメンバーの友達が死んだなんて報告は聞きたくないからね。」


死にたくない。それは確かにある。ただ、冒険者をやめたくない気持ちもあるのだ。葛藤していると、ジェイクが口を開いた。


「ジェイクが魔物を前に竦むのは一応理由があるんだ。」


そう言って、ジェイクは、俺達が冒険者になった当初のことを語り出した。

短いですが続きます。

次はちょっとだけ昔の話です

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