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生産職ですが最強です  作者: シウ
第三章 精霊の森編
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第三章 第三話 「森での一戦」

皆様、新年明けましておめでとうございます。本年も少しづつですが、本作の投稿をして参りますので、どうか、宜しくお願いいたします。

※2月5日に兵士の人数を変更しました(すこし少ないかな、と思いましたので)

 アルレーシャと共に、馬で森を進んで時だった。


「ん?」


 何か声が聞こえたような気がして、颯天は馬を止めて辺り一帯の音を聞き取るために耳を澄ますが、気のせいだったのか、声が聞こえることはなかった。


「ハヤテ、どうしたんだ?」


「ああ。声が聞こえたような気がしてな…」


「ふむ。ちなみにいったいどんな感じだった?」


「えっと。小さな女の子が泣くような感じだったかな」


「そうか‥‥まあ、先に進んでみよう」


「あ、ああ」


 隣に馬を寄せて尋ねてきたアルレーシャの問いに颯天は伝え、それを聞いたアルレーシャは一瞬何か考えていたように見えたが、それは直ぐに馬を進め始めてしまい、颯天が尋ねるタイミングを逃してしまい、聞き返すのは悪いかと思い、尋ねずに先を行くアルレーシャを追うように颯天も再び馬を進めたのだが、数分後。颯天たちの前に出来てまだ新しい、大小さまざまの足跡があり、一足先に馬から降りたアルレーシャに続くように颯天も馬を降りる。


「アルレーシャ、この足跡は?」


「‥‥もしやとは思ったけど…でもなぜ?」


 颯天の声が聞こえていないのか、アルレーシャは大小さまざまな足跡について思い当たることがあるのか考えている時だった。


「「!」」


 小さくだが、颯天のみならずアルレーシャも聞こえたのだろう、一切の予備動作なくアルレーシャは立ち上がるとそのまま馬へと乗ると同時に馬を走らせ、その尋常ではない雰囲気に颯天も追うように馬に乗るとアルレーシャを追いかける。


「馬鹿な。 いったいどうやってこの(なか)に…!?」


(奴ら? なかに?)


 独り言だったのか、風に乗って颯天に聞こえたののだがsの意味までは流石に理解できなかった颯天は馬を加速させ、アルレーシャへと追いつき、隣へと並ぶ。


「アルレーシャ! いったいどういう事なんだ!」


「すまない!。だが端的に言えばこの森は今帝国の兵士たちに襲撃されているんだ!」


(そういう事か!)


 アルレーシャが足跡を見つけた際に何か考える様子、そして現在の何処か焦っている様子がようやく颯天の中でつながったと同時にアルレーシャの先ほどの言葉も理解した。

 アルレーシャが焦っていた理由。それはこの森は外部の敵からの攻撃は霧によって本来すべてシャットダウンされるが、それを突破されたことだった。そして颯天の頭の中で帝国、先ほどの足跡に小さな足跡もあったことから、ある可能性が浮かんだ。


「アルレーシャ! じゃあもしかして!」


「ああ! あれだけの足跡と聞こえてた悲鳴から兵士だけじゃなく奴隷商もかなりいると思われる!」


「なるほど、ならこの森に棲んでいるに限らず獣人やエルフなんかは、帝国で高価に取引されているのか!?」


「ああ、その通りだ!」


 出来れば外れてほしいと思いながら颯天が尋ね、アルレーシャが肯定したそれとは、ケルヴァス帝国ではあるものを公的に認めている職業いや、事業があった。それこそ奴隷の売買。

 そして、奴隷を用意する奴隷商が存在するのは、至って単純な帰結だ。

 もちろん颯天たちの世界にも表では決してないが、奴隷売買を行う組織は存在しており、もちろん奴隷売買がすべて悪とは颯天は思わない。

 借金の代わりに売られ、自らの体を商品として売ることで借金を返済するという一種の商売である事は胸糞は悪いが理解している。だが、そんな奴隷の売買にもルールは存在する。がすべての人間がルールを守るとはいえず。そんな人間が多くいるという事実を知っている故に颯天もアルレーシャの焦りが理解できた。


「急ぐぞ!」


「ああ!」


 アルレーシャの声に颯天は答えた後、頭一つ分ほど下がった後、ピッタリとアルレーシャを追走しつつ緑豊かな大地を駆けて行く。


「抜けるぞ!」


 アルレーシャと共に開けた場所へと抜けて最初に颯天が見たのは、本来であれば自然と調和した家屋があったことを思わせる家屋が、しかし今はその大半が無残に火の手を上げ、そこに住む住人と思しき動物の耳と尻尾を持つという特徴を持つ種族である獣人、そして耳が長くまさに妖精という言葉が相応しいエルフが逃げ惑い、時に反撃しているが炎が反射し血のように赤い鎧を身に着けた兵士たちによって無残に取り押さえられていく様子だった。


「くそ!」


 目の前の惨劇に、アルレーシャは腰の鞘から《光り輝く黄金の聖剣(エクスカリバー)》を抜き放つと、そのまま馬を飛び降りると、魔力による身体能力を強化し、一直線に突っ込んでいき、颯天もアルレーシャに続くように馬から飛び降りると同時に自身の肉体を強化する無系統忍術【金剛体】を発動、アルレーシャを追随する。


「シッ!」


 小さな呼吸と共にアルレーシャは、倒れたエルフを捕まえようとしていた帝国兵の腕を音もなく剣を振るい、斬り飛ばした。


「は?」


 突然、エルフを捕まえようとしていた腕が消えた、そう兵士が認識したの直後、颯天によって心臓を貫かれると同時に発動させた火遁【爆裂】によって心臓を破壊されたことによって、兵士の意識は消え、絶命した。

 そして、転んだ衝撃で気絶エルフだったが、その体にいくつかの傷があったため、颯天は省略印として、腕を振るい水遁【水衣】を発動、傷口へと定着させると傷口を覆い、治癒していくのを確認すると、アルレーシャへ視線を向ける。


「アルレーシャ。まずは数を減らそう」


「ああ、わかった」


 確認を終えた颯天からの、まるで暗殺者のような戦いを提案に、アルレーシャは頷く。いくら颯天とアルレーシャが強いとはいえ、確認できている限りで、百とまではいかないが五十以上いる兵士をすべて相手するのは、不可能ではない。が少なからず傷を負う可能性があったためで、特に王であるアルレーシャが傷を負うのはまずいとアルレーシャは理解していた。


 そして、その後、さらに五人ほどの兵士を同様の動きで葬り、襲われていたエルフや獣人達を治癒させたところで、獣人やエルフを追いかけるのに夢中になっていた兵士たちも異変に気が付いた。


「な、お前らは!?一体何処からガッ!?」


 兵士の一人がこちらに気づいた直後に、颯天は即座に心臓を破壊したが間に合わなかった。


「! 敵襲だ! 敵襲!」


 声を出されたことによって颯天たちの存在はバレてしまったが、颯天にしても、アルレーシャにしてもこのあたりが潮時だと理解していた。


「ふん、土足で我が領土に踏み込んだ帝国兵が私たちを敵襲呼ばわりとはな」


 颯天たちを見つけた兵士が大声で出したことによって、捕まえることに専念していた兵士が颯天たちの前へと集まっていく。その数減らしたとはいえまだ大勢の帝国兵が残っており、その中にはアルレーシャが女、それも美少女だとわかると情欲の混じった眼で見ている兵士もいた。


「おやおや、よもや五人もやられてしまったのは驚きでしたが、これでこそこそ出来ませんね」


「ふん、そんなことはどうでもいい。お前が、親玉というわけか?」


 そう言って兵士の間から姿を現したのは、身長こそ颯天たちと然程変わらなかったが、脂ぎった顔に加え豊かな富を持っていることを強調したいのか、身に着けているはちきれんばかりにパツパツの服、指輪、ネックレス全てに宝飾を施したものを身に着けた、そして下卑た笑みを浮かべた男だった。


「ああ、そうだ。俺こそ帝都で随一の奴隷商のピッグスだ。そんでこいつらは皇帝陛下より商品入荷のために借りた兵士たちだ。だが、五人もやられちゃ一銭もとくにもなりやしねぇ。一体どのように落とし前をつけるつもりだぁ?」


「ふん。さっさと言葉にしたらどうだ?俺たちの持っていると武具とそこの女を差し出せば見逃してやるぞってな?」


「もの分かりがいいな。ああ取引だ。武器に詳しくねぇ俺から見てのお前らの武器がいいものってもはわかる。だから後ろの女と一緒に渡すってんなら、俺も皇帝陛下にご報告したりはしねぇ。どうだ、悪くねぇ提案だろ?」


 もはや勝てると踏んでいるのか、先ほどの兵士以上のはっきりとした情欲の眼でアルレーシャを見ており、気持ち悪さからアルレーシャが表情を歪め、それを見た颯天はアルレーシャを背後へと隠しつつ、冷たく笑った。


「ふん、おめでたい連中だ。そもそもお前如きが俺たちに要求する事すら、おかしい。要求するのは、こちら側だ」


 僅かに、魔力を解放しつつ、颯天は酷く冷めた声で警告する。


「今すぐ、何もせずにここから去るのであれば、見逃してやるが?」


「ふん!やれ!」


 どうする? 颯天がそう言い切る前に颯天に向けて後方で、颯天たちからは見えないように人垣を作り

 そこで魔法の詠唱を続け待っていたのだろう。だが、その程度のこと、颯天は見抜いていた。故に対策も完了しており、颯天へと放たれた火・風・水・雷・土それぞれの矢や球状の魔法に対し、颯天は一歩も動かず、しかし魔法は颯天に当たる三十センチあたりで、見えない何かのよってかき消されたのように魔法の余韻である魔力を残し消滅してしまった。


「は?」


「な、なにが起こったんだ?」


「わ、わからない‥‥」


「魔法が、消えた…? いや消された‥?」


 目の前で起きた、本来であれば魔法によって焼き、貫かれ、引き裂かれるはずだった黒衣の男に当たる直前に魔法が消え去ってしまった、そんな予想外の事態にピッグスと帝国兵士の中に困惑とわずかな恐怖の波が広がる。


「アルレーシャいいか?」


「ああ。我が国の領土を侵略し、彼らを傷つけたんだ。私も、容赦はしない」


「分かった」


 最低限の情報を交換すると、颯天は【黒鴉】を。アルレーシャは《光り輝く黄金の聖剣(エクスカリバー)》をそれぞれ抜き放ち、構えると同時に抑えていた魔力を解放したと同時に地面を蹴り、目の前の出来事についていけず、混乱しているピッグスと率いる兵士達へと突っ込んでいった。

本来であれば、一月一日に投稿予定でしたが、家族関係で色々とあり、ずれ込んでしまいましたが、どうにか投稿することが出来ました。

今回は、前回投稿、その後消した話を再構成した話となります。

そして、次話ですが、まだあまり浮かんでいませんので、また去年と同様に一月に1.2話ほど投稿していきたいと思いますので、読者の皆様方、どうか、宜しくお願いします。では、今話はこれにて失礼します。また、次話でお会いできますように。

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