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生産職ですが最強です  作者: シウ
第二章 カヴァリナ皇国編
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第二章 第二十五話 「深き場所に居る存在《もの》」

ギリギリ間に合った…。

時間が空いてしまい申し訳ありません。そして、お待たせしました……。どうにか仕事の合間で幾つか話を考え纏めてようやく出来上がりましたので投稿です。

また今話なのですがあくまで可能性として後々に改稿の可能性がありますので、どうか、宜しくお願いします。

 颯天達が降り立ったのは、まるで光の中と言うべき真っ白の空間だった。本来であれば光が強いあまりに周りを見るのは不可能だっただろうが、今はその空間の至るところが黒に侵食されつつあり、視界が確保された状態でその空間に二つの影、颯天と白夜が降り立った。


「‥…どうやら、問題なく着いたようだな」


「うむ、どうやら無事に精神の深淵へと至る事が出来たようじゃな」


 互いにちゃんと潜り込む事が出来た事に安堵しつつも周囲への警戒を緩める事無く颯天と白夜は言葉を交わす。

 さて、ここである疑問が湧き上がる。何故颯天と白夜は表から力を合わせてアルレーシャの治療をせずに裏である精神の奥深くに潜ったのか。その答えは至って単純で、手術や怪我などをすれば悪い部分のみを、傷の原因である根本から治療した方が回復が早い。

 とするならば颯天と白夜がアルレーシャの精神深くに潜り込んだのかは明白でアルレーシャが最もダメージを受けた精神の傷を治せば、侵食されつつある状況を一気に打破できると颯天と白夜は判断した結果だった。


「しかし、まさか治療を開始する直前に念で精神の奥深くに飛び込むと聞いた時はさしものわしも驚かされたが、何か理由があるんじゃろ?」


「ああ。と言っても九割方は直感っという感じったがな」


「ほお? 何故直感を信じようと思ったのじゃ?」


「分からない」


「…分からない?」


 表ではなく裏を治療する。直前での唐突な予定の変更を判断した颯天に言葉の続きを促す様に白夜は颯天を見上げるとそれに答えるように颯天は口を開く。


「いや、言い方が悪かったな。実は治療を始める直前に何となくなんだが、引っ張られた感じがしたんだ」


「引っ張られた?」


「ああ。具体的には肉体じゃなく、封印されたアイツと俺の精神が引っ張られたっというべきかな」


「ふむ…」


 颯天が感じた感想を聞き白夜は頭の中で情報を整理する。

 そもそも颯天の中に、いや正確に言えば颯天自身に宿った力ともいえるその存在は現在颯天の父、宗龍によって封印されている。だが今の颯天は七つあるその封印の内の一つが解除されたという事を白夜は聞いており、現在の颯天は治療の為に第一封印を限定的とは言え解除している状態だ。

 そして、その状態の颯天が引っ張られたという事から考えられる可能性は幾つか存在する。

 一つは、これはこれで最悪だが颯天の勘違いだった可能性。だがこれは颯天の話を聞く限り可能性はほぼゼロだと白夜は判断していた。

 二つ目の可能性はこれも可能性は低いがあのコカビエルと名乗った天使による罠の可能性だ。何かしらの治療行為をした際のカウンターとして罠の様なモノを仕掛けている可能性も考慮したがこれも薄いと白夜は感じていた。そして、最後に見えて来る三つ目の可能性、それは。


(同種による共鳴、いや感応か‥‥よもやッ!)


 白夜がその可能性に至った瞬間だった。辺りに圧倒的なまでの力の暴力を彷彿とさせる咆哮が響き渡った。


「GUGYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!」


「「ッ!」」


 だが、咆哮が響いた瞬間に颯天は剣を白夜は術をいつでも使えるようにと戦闘態勢へと移行していたが、その間に白夜は自分が至ったその可能性が先ほどの咆哮による威圧によって正解だという事に気づいていた。


(やはり、龍か!)


 白夜が至った三つ目の可能性、それは同種による共鳴であり、同時にそれは一つの事実を示す。それはアルレーシャの中に龍が存在しているという事を。しかしそれであれば納得も出来た。

 颯天に起こった共鳴が起きたという事は、言い換えればその龍からの救助信号と言いかえる事ができ、例えばゾウは人には聞こえない音域の音が振動によって危険を知らせる事が出来るのだが、それと同じような事が龍同士であろうと起こるのだ。そしてアルレーシャの危機にアルレーシャに宿る龍からの共鳴があるとなれば白夜は視線を上へ現在は白と黒の二色となっている上空を見上げるとそこには、全身は黒一色、瞳は禍々しい赤でその姿は西洋で語られる、背に大きな翼、太い腕に鉤爪、そして腕同様に大きい脚というこれぞ龍と言える存在が空を飛んでおり、颯天と白夜は一瞬視線を交わしそれぞれ動き出そうとした時だった。


「「!!」」


 決して気を抜いていた訳ではなく、寧ろ戦闘になると上と下を含めた全方位に気を張っていた颯天と白夜の索敵に引っ掛かる事無く突如として背後に現れたそれは颯天と白夜に向かって白い鎖を投射し、颯天達はそれぞれ黒い龍と声を掛けて背後から攻撃をしてきた存在に背中を見せない様に左右に散開。

 即座に鎖の根元へと視線を向けるとそこには先ほどの黒龍とは真逆の純白と表現してもいい何処か神々しさを感じさせる白い龍が姿を現しており、その場で颯天達は油断なく再度ある攻撃へと備えたが、追撃が来ることはなかった。


『驚かすようなことをしたのは悪かったが、そう焦るな。私はお前たちと戦うつもりはないし、攻撃をした覚えはない』


 確かに白い龍の言葉に嘘はなく、先程颯天達に射出されたと思われた鎖は黒い龍が動けないように宙に拘束していたが、拘束を破壊せんばかりに黒い龍が暴れる事により鎖から鈍い音が聞こえるがまだ持つと事は分かり、抜いていた剣を納め、白夜も手に出していた炎を消す。


「なるほど。確かにそのようだな。しかしこいつは…」


「…認識した相手に出来る念話かの?」


『驚かないのであれば説明が早いですね。ええ、私は貴方達二人の頭に直接話しかけている。いわば念動力の一種です』


 颯天達のその僅かな困惑に気が付いたのか、白い龍の声が颯天達の頭へ直接話しかけてきたが、それによって颯天達に白い龍がしてきている事は颯天と白夜が使用する経路(パス)を繋いだ主と守護者のみで使える『念話』はいわばその相手のみの直通の電話回線のホットラインとするならば白い龍がしたのは一般の電話のように様に相手の番号を押し誰かと通話する汎用性に優れた言わば掛けたい相手であれば複数に掛ける(聞こえるようにする)事が出来るようなものなのだと颯天達は感覚的に理解した。

 そして、白い龍を見て颯天にはもう一つ分かった事があり、確認の意味も含めて白い龍へと問う。


「なるほど。という事は俺を引っ張ったのはお前か?」


『はい。私が行いました。彼女を救うために』


「そうか…ところで」


 そう、それは颯天が精神の奥深くへと潜る様になった要因の大半を占める出来事の事で、颯天のその問いに白い龍はアルレーシャを救う為に自らがやったことを確認した後、今も鎖から逃れようと暴れている黒い龍へと颯天は僅かに視線を向ける。


「お前の鏡写しの様なあの黒い龍、アレが原因で俺を引っ張った(呼んだ)んだろ?」


『ええ。その通りです。そしてアレはいわばアルレーシャを蝕んでいる天使のオーラを分かり易く具現化した存在(もの)です』


「なるほど。つまりアレがアルレーシャを蝕んでいるオーラの核という事で、あいつを俺達に倒してアルレーシャを助けてほしい、って言う事か?」


『はい、その考えで間違いありません』


 颯天の状況を踏まえての推測込みの問いに白い龍は再び肯定するの見て颯天はそもそものある疑問を白い龍へとぶつける。


「何故わざわざ俺達を呼んだ?」


『聞かなくても、貴方なら既に予想が付いているでしょ? 私を宿すアルレーシャ(彼女)と同じ龍を宿す()よ』 


「まぁな。お前はアルレーシャという人間()に宿る(存在)であり、器である人間に力を与え、また守護は出来きはするが、今回の様な事態では干渉する事は出来ないという事だろ?」


『はい。力を与え守護をする事は出来ますが私はあくまで魂。決して表に干渉する事は出来ません』


 白い龍の言葉が事実であれば、何故今回は干渉したのかという疑問点が残る。その時颯天と同じく話を聞いていた白夜が白い龍の話を引き継ぎ補完するかのように口を開いた。


「じゃが、器を助ける為の為の手助けくらいは出来るということかの?」


『そう言う事です、神狐殿』


「…今のわしはただの金狐じゃ」


『も、申し訳ない、金狐殿』


「…うむ、以後気を付けよ。それよりも早く続きを話せ」


『は、はい』


 白い龍からの呼び名に白夜は明らかに不機嫌な表情と雰囲気をこれでもかと出したので白い龍は慌てた様子で呼び直し、白夜も仕方がないと納得はしていたのだろう表情と雰囲気を元に戻すと続きを促し、傍から見ればもはやどちらが上なのかが見え隠れしたがその事に対して颯天は無視する事にし、白夜に促された白い龍の話の続きを待ち、促された白い龍も続きを話し始めた。


『ですが、幾らアルレーシャの危機とは言え誰にでも助けを求める訳にもいきません。下手をすれば余計な死者を増やすことになってしまう。ですが打破できるに足る実力を持っている者がいれば』


「助ける為に今回の様に呼ぶ、または少し力を貸すと言った補助をするという訳か」


『ええ。その通りです。し、金狐の契約者よ』


 思わず神狐と言いそうになりその瞬間、白夜が不機嫌なオーラを纏った事を察して即座に白い龍は言い直した事に気が付いたがこれも颯天は無視した。そして言い直した瞬間に白夜の機嫌も直り不機嫌オーラは納まっていた。


(これは、全部が終わった後で撫でてやらないと拗ねそうだな…)


 白い龍のドジ? のお陰で後で白夜を宥めないといけないという事になった事に内心で苦笑いを浮かべながらも別に白夜を宥めるのが嫌と思っていない事から颯天が全く面倒と感じておず、微笑ましさがあったという事が伺えたが当の本人である白夜に伝わるという事は、もちろんなかったが、何となくこの後嬉しい事があると直感的に理解したのか白夜の尻尾が揺れていたりした。

 とそうしていると話さなければならない事を話し終えたのか、白い龍の眼が颯天と白夜をしっかりと見据える。その眼には確かな誠意が籠っていた。


『故に、改めて貴方達お二人に願います。どうか、あの黒い龍を討滅しアルレーシャを助けてもらえないだろうか』


そう言うと、白い龍は深々と颯天と白夜に対して頭を下げてきた。気高いはずの龍が白夜に対して頭を下げるのは分かるが、恐らく人間である颯天に対して頭を下げると言うのは、それだけアルレーシャ事を大切にしている事を確かに物語っていた。そして誠意をもって頭を下げてきた相手には誠意をもって答えるべきだと、颯天は口を開く。


「ああ…」


 意識の何割かが白い龍に向いていたそんな時だった。辺りに硬い、まるで縛っていたのが砕かれたかのような音が響き渡たると同時に颯天達がいた場所が光に飲み込まれたのは。

次の話は容易に予想できる方も多い、黒い龍の討伐戦闘です。

中も外も戦闘シーンなので、シウ的には疲れますが同時に楽しいとも感じておりますが、指が動かず発想が浮かばない現状にして、相も変わらず戦闘シーンなとが苦手ですが、少しでも良いものを読んでいただけるように努力いたします。

また、この作品で少しでも読んでくださる皆様の暇や退屈を紛らわせる事が出来れば幸いです。

では今回はこれにて失礼します。脱字誤字、違和感などありましたら報告していただけると嬉しいです。

皆様も手洗いうがいなどをされて御体にお気をつけください。それではまた次話を楽しみに待って頂けると幸いです。ではまた次話で。

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