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あぁ、この国はなんて不条理なんだろう。
いや、国だけではない
この世界全体が不条理だ…。
この世界は女性の人口が男性に比べて圧倒的に少ない。
人口の3割にも満たないのである。
庶民の女性は20までには結婚をする。
貴族女性に至っては生まれる前から婚約者が決まっていたり、早ければ12で結婚を済ませる。
この国の貴族は妊娠期に占い師に占ってもらい性別判断を行う。
私の運命が決まったのもこの瞬間。
私の両親は例に倣って占い師にみてもらったが私の性別がわかると一瞬は喜んだが占い師が人生を大きく左右する発言したのだ。
「この子の性は女の子です。だがしかし、この子からは今まで感じたことのない悪運が見受けられます。この子には不幸が絡みついておる。」
そんな占い師の助言から私、レリア=ランダルンは今年で28になる。
私はそこそこなくらいの爵位の家に生まれた。
普通ならば生まれてまもない頃に婚約したり15までに結婚をするはずだ。
だがしかし、私のこの不幸体質のせいで誰一人と私に近づこうとする者はいなかった。
この国で生まれる女性は幸運体質の持ち主で結婚すれば幸せになれると世界中から言われている。
それなのに私は不幸体質で誰も幸せにすらできず両親も死んでしまった。
私に残されたものは爵位とほんの少しのお金だけ。
結婚することが出来なければ女性としての価値はなく余計に虐げられる毎日だがそれでも生きていけることに感謝して毎日を生活している。
人に近寄れば必ずその人が不幸になる様を私は見たくない。
一人で生きていくには寂しく辛いが人に迷惑をかけないで生きていけるのでこの生活でも苦ではなかったのにどこかの帝国の皇帝様が放った一言で私の人生がガラリと変わることになる。