第2話 お忍びでのお使い。
今回は
お使いの話です!
父からの呼び出しに
応じた
俺は目の前にいる
親父にどんな用なのか
聞いた。
「親父、話ってなんだ?」
「それはだなぁ・・・。」
と長い沈黙のあと
親父はようやく
口を開いた
「キャルメがぎっくり腰になってしまったので城下町へ薬を買って来て欲しい。」
ズコーッと
ひっくり返ったの
だった。
「それは使用人に頼むことでしょ?」
「王子、陛下が直に頼むというのは何か意味があると思います。」
と
現れたのは黒髪赤目の
猫の獣人族の少女で俺の幼なじみの
使用人である
スディック・マットであった。
「スディック。」
「王子、変装して行きますよ。」
「えー。わかったよ・・・・。」
と俺達、二人は変装して
城下町へと
向かった。
城下町で薬屋を
見つけて
お目当ての薬を買って
帰ろうとした
ときだった。
「急がないと・・・。」
と走っていると
ドンッ!
何かにぶつかった。
すると
「おい!兄ちゃん!」
と声のする方を
向くと
ガラの悪い
男が目の前に
いたのだった。
「あの・・・。ぶつかってしまいましたので・・・・。」
「言い訳するんだったら少し痛い目にあわせてやろう・・・。」
と胸ぐらを掴まれ
殴られそうになった瞬間
だった。
ドゴンッ!
と音がして
男の方を見ると
犬系の獣人の少年が
男の顔面に蹴りを入れていた。
そして男は
ドーン
と吹っ飛ばされて
気絶したのだった。
唖然としていた俺の元に
スディックが
駆けつけた。
「お・・じゃなかったエス、大丈夫ですか?」
「スディック、俺なら大丈夫だ。あの人が助けてくれたから。」
と俺はその獣人の少年を指差した。
「あの・・。助けてくれてありがとうございます。せめて名前を・・・・。」
「ああ。俺はマルス・コバル。冒険者ギルド[黒の三つ首番犬]のメンバーだ。じゃあな!」
と彼は去っていた。
その彼の後姿は
とても勇敢に
見えていた・・・。
そして
城の自室で
俺はこう思った。
(俺もあのギルドに入ろうかな・・・。)
と眠りについたのだ。
ちなみに
黒の三つ首番犬は
ブラックケルベロスと
読みます。
あと初登場のマルス以外の
メンバーは
次の話で
登場する予定です。