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5. 勉強会

わざわざこっちに来てまで入りたいと言っていたのでてっきり近所の有名私立高だと思っていた。


「なっちゃん、私宿題してるけど、どこかわからないところあったら遠慮なく言ってね?」


「うん、ありがとう。」


夕飯の後、なっちゃんと勉強することになってからとりあえず現場の実力を測ることにした。


自分の宿題がひと段落した頃に、ちらりと背後のローテーブルで問題を解いていくなっちゃんを見る。受験直前の模擬試験を用意したから習ってない所もあるはずなんだけどなぁ…


スラスラと手を止めることなく次から次へと問題を解いていく彼に少し疑問をもった。


そういやなっちゃんって昔から勉強出来てた気がする。いっつも夏休みの宿題が〜って騒いでたのは草太だけだったし…


「ん?何?」


ふと視線に気がついたなっちゃんがこちらを向いた。


「いや、どう?何かわかんないとことかある?」


「今の所大丈夫かな。」


「そっか。」


「後少しで終わるからさ。」


そう言って10分程単語帳を暗記していたら、ハイ、できたよ。と声をかけてきた。


「早いね。じゃあ答え合わせするね。」


答案と見比べ採点していると一問だけミスがあった。


「なっちゃん…」


「んー?」


「…教えてもらう必要なくない?」


「そうかな?」


ちょっとトボけた振りのなっちゃんは少し可愛い…じゃなくてっ、煩悩を振り払う。


「だって、こことここはまだ習ってないのにっ!なんで出来てるの?」


「あぁー、ちょっと予習したからかな?でもまだよくわかってないからちーちゃん教えてね?」


「お、教えれるかな…。私多分なっちゃんより賢くないよ?」


「大丈夫だよ。こうやってちーちゃんと二人きりになれるだけで嬉しいから。」


「えっ?」


ちょっとトーンの下がった声にドキリと心臓が跳ねる音がしたが、すぐになっちゃんが


「頼りにしてるって事だよ。」


と柔らかく笑った。


「うっ…私も頑張るよ。」


「うん、一緒に頑張ろ?」


可愛くこちらを見上げるなっちゃんにキュンとしながらも集中集中!と再び机に向かった。


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