28. 私の気持ち
次の日当麻くんにどう返事をしようかと考えていたら当麻くん本人に呼び出された。
「昨日のことだけどさ、今は返事とか考えなくていいから。というより、すごい勝手なんだけど、今は返事をしないで欲しい。」
「えっと、そっか…。」
勇気を振り絞って断ろうと思ってたのに…少し気まずい思いで当麻くんを見ると、いつもの明るい笑顔があった。
「ほらっ!あとそうやって気まずいとかいう顔するなよ!たださ、俺のことも恋愛対象の隅っこにでも入れといて欲しかったというかさっ!」
「うん。」
「何もしないままあいつに渡すのもしゃくだったし…。」
「…え?何て?」
当麻くんの呟きがよく聞こえずに聞き返すと「何でも。」と言われた。
「とにかくさ、今まで通り友だちとして仲良くして欲しい!いや、我儘だけどやっぱり少しは男としてみて欲しい!…それで俺の事もっと知って欲しいかな?こ、こう自分で言っちゃなんだけど、好きな女には俺かなり尽くすというか、、その…って俺超必死だなっ!」
少し赤い顔で笑いながらいう当麻くんにホッとした。
「ふふっ!当麻くんってさ、なんか絶対憎めないキャラだよね。」
釣られてこちらも思わず笑みが溢れてしまう。
「あ、その笑顔。俺超好き!」
「えっ!あっ、ありがとう…。」
面と向かって好きって言われると恥ずかしくなる。
「あとその顔も。本当は、お前の表情全部俺に向けて欲しいって思うけどさ、今は少しずつでも俺に見せてよ。って俺結構独占欲強いな…!自分でもびっくりだわ!」
またケラケラと笑い出す当麻くんに笑ってしまう。
「あっ、でも俺、お前にその困られたりとか迷惑掛けたいとかそういうつもりはないからさ、もし…もし迷惑なら、」
「ううん…そんな事ない。ありがとう、当麻くん。」
「そうか、良かった〜!じゃあ、これからもよろしくなっ!一ノ瀬。」
「うん、よろしくね?」
当麻くんの明るい笑顔に安心してそれからは気まずいとか思わなくなった。そういう風に思わせてくれた当麻くんってやっぱりすごいんだなって改めて思った。
…でも、あれ...このままで良いのかな?よくわからない疑問も残った。




