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27. 葛藤
どうしよう…うまく普通にいれたかな…
ベッドの中でそんなことばかり考えていた。なっちゃんとあの時目があった時は心臓が止まるかと思った…普段は笑顔のなっちゃんが、無表情というか、冷たい顔してたから。
…嫌われたかと思った。どうしようって泣きそうになった。好きな人に…笑顔で付き合ってるの?なんて聞かれてすごくショックだった。泣きそうになるのを堪えて…平然を装ったけど、うまくできたのかな…。
だから、あの時差し出された手に余計に泣きたくなった。優しく握られた手の温もりに、なりふり構わず縋りたくなった。手だけじゃ足りない…あの時みたいに抱きしめてよ。そんな言葉を飲み込んだ。




