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Life is ......  作者: 昭如春香
壱章 零から十二の七転八倒
4/5

二周目 今度こそ老衰希望



 ___こうして、テオこと胡浩蓮の第二の人生が終わった。

 そう、終わったはずだった。気付いたら、覚えのある温かな水に漂ていたのだ。


(えー、まさかの第三の人生って奴!?)


 そのまさかだ。通常の胎児と同じ過程を経て、また世界に生まれ落ちた。


「おぎゃぁあぁあ」

「………元気な男の子です」

「………そう、なのですか…………」

(え、やだ、もう波乱フラグ?)


 産後の荒い呼吸の女性が沈んだ声で、産婆に力なく答えた。産湯に浸かりながらも、緊張感の欠片もない思考が過る。突如、扉を蹴破る勢いで男が一人飛び込んできた。


「ジーク様……」

「リーゼ、よく頑張った」


 来訪者___ジークフリートは妻のリーゼロッテの汗ばんだ頬を愛おしげに撫でた。ジークフリートの初めての息子の誕生をただただ喜んでいる。そんな夫の様子にリーゼロッテも微笑み返した。ジークフリートは妻の傍らに眠る我が子を覗き込んだ。

 とても小さくて、か弱くて、そしてジークフリートの最愛の妻との間に生まれた子供。大きく、強くなれと、ジークフリートは願いながら、その額にキスをした。


(うぇ……男からのキスってないわー)

「ジーク様!」

「どしたんだ、ヴィルマー」

「いきなり執務室を抜け出すのはやめてくださいといつも言っているでしょう」


 嫡男の誕生に仕事を放りだして駆け付けた主人を連れ戻しにやってきた執事が苦言を言った。ジークフリートを幼いころから見知っているため、ヴィルマーに弱かった。どこか子供のような仕草にリーゼロッテが笑みを零す。


「ジーク様、この子に名前をお願いします」

「ずっと前から決めていた。お前の名はエリオ・グラーフ・グリム・ヘルムス。元気に育てよ」

(名前が呪文だ……)


 因に、この後洗礼を経て更にヴィーターという名も加わる事となる。呪文っぽさ一割増しだ。

 それはさておき、父親が子供の名を考えて、執事が良い名だと褒め、母親が祝福を願う。きっと貴族ならどこにでもある、家族の風景だろう。


(俺が、この人たちの子供じゃなかったらな)


 前世れんという記憶を、自我を持って生まれたエリオは普通とは言い難いだろう。

 何はともあれ、もう生まれ出でたのだ。今生こそ老衰するまで生きたいなと、内心思いながら眠りにつく。必ずやってくる明日を望みながら。


 かくして、二周目が始まった。




 ◇




「かくして、にしゅうめでしゅ」

「? エリオ坊ちゃま、そろそろお昼寝の時間ですよ」

「はーい」


 こうして生まれ変わった蓮ことエリオ・ヴィーダー・グラーフ・グリム・ヘルムスは誤魔化すように、にへらと乳母に笑いかけた。幼いがゆえに滑舌は悪いものの、大人を真似して喋る幼子の姿は微笑ましいものがある。

 エリオの頭を撫でベットに寝かしつけたら、何かと忙しい乳母役のニーナは部屋を出る。ニーナが遠ざかったのを確認してから、ふぅと子供らしからぬ溜息を洩らした。


(今度は裕福な家の子でラッキー)


 前回テオの時の悲惨な家庭事情を思えば天と地ほどの差がある。食べ物もあるし、きれいな衣服もあるし、隙間風が吹くことない家がある。前世(レン)の時に当たり前すぎたそんな恩恵をこれほどまでにありがたく思うようになったのも、前回のことがあったからだ。


「おれがおきじょくちゃまかぁ」


 何を隠そう、エリオ・ヴィーダー・グラーフ・グリム・ヘルムスは伯爵家の長男としてこの世に生を受けたのだ。ちなみにこの呪文のような名前だが、名前・洗礼名・爵位・母方の姓・父方の姓と並んでいる。他にも所有領地名とか功績とかが連ねることもあるが、三歳児にそんなものがあるわけがない。いつもはエリオ・グラーフ・ヘルムス(ヘルムス伯爵家のエリオ)と名乗るのが一般的だ。


(最初は自分の名前覚えられないかも……って思ったけどな!)


 自分の名前が言えない貴族なんてギャグにもならないだろうが。それはともあれ知識が得られる環境にあるのはいいことだろう。三歳とはいえマナーや常識的な知識を教え始めるのは、さすが貴族といったところか。


(あの先生、マジこぇぇぇぇ)


 典型的な厳しい先生がエリオを教えているのはどうでもいい余談だろう。先生のイメージとしては某アルプス少女に出て来るお嬢様の世話役を男にした感じだ。ヒステリック系ツンデレと覚えてくれればいいだろう。

 言葉に前世テオの訛りがたまに出るが、テオが話していた言語と変わらなかったのが幸いし、会話と聞き取りは問題はほぼない。

 問題あるとしたら、書き取りである。片田舎の羊飼いの家に文字が必要であったか。答えは否である。ひーひー言いながら練習中だ。是非とも一般的な習得期間に収まるように鋭意努力中。


(ただ、俺英語が苦手だったからなぁ)


 俺は日本人! だから英語話せなくてもいいよね! 海外? 一生行くつもりはないから、無問題!! を、素で言っていた蓮にとって、外国語は天敵に等しい。


(あ、英語といえば……)


 エリオはおもむろに空を見つめる。


(【ステータス・表示】)


 音もなくアニメで見たことがあるようなウィンドが開かれた。これこそ、電球かみが蓮に授けた特殊能力の一つである。………前回テオ時では空腹で欠片たりとも思い出すことがなかったけど。



 ___________

 Name1 胡浩蓮

 Metempsychosis 2

 Name2 エリオ・ヴィーダー・グラーフ・グリム・ヘルムス

 Sex M

 Age 3

 Country ブリッランテ王国

 Level 2

 Attribute 火・風

 HitPoint 30/30

 MagicPoint 35/35

 Conditions __ 

 Occupation __

 Title __

 Providence 【観測者】の偏愛+

 Histry 1件+

 Ability 輪廻転生+

 Skill 火耐性:大+

 ___________


 Name(名前)Sex(性別)Age(年齢)Country(国名)Level(レベル)あたりは難なく理解できたものの、MetempsychosisだのProvidenceは理解不能。後は推測から理解できるのがちらほら。Name1が元々の名前___あえていうのならば魂の名。Name2が今生名と言った所か。

 ちなみに”+”のマークを押すと___。


 ___________

 Ability 輪廻転生

     魔法適性

     ****

     言語習得能力

     自己ステータス確認能力

     アイテム収納能力

 ___________


 とさらにウィンドウが開かれる。

 どうやらこれらの情報はエリオしか見えてないらしい。というのも、以前母のリーゼロッテがいた時に弄っていたら、おもむろに熱を測られた。それで熱がないと分かると、『宙を見上げてどうしたの?』とマジ顔で心配された。幼児が何も無い空中を見上げてじっとしていれば、気味悪く思えよう。


(あの可哀想な子を見る目が辛かったぜ……)


 リアルにorzをしかかったものの、これ以上奇行を重ねないように自重した。Abilityに連ねているのはおそらく電球かみさまがくれた特典と言う奴だろう。微妙な面持ちでそれを眺めた。


(魔法適性って特典に入るのか……?)


 表示される簡易説明では、『魔法が使えるようになる能力』とだけ表記されている。魔法が使えるようになるのはいいが、なんか強そうじゃない。どんな魔法でも使える大魔導士コースも魔法チートの匂いの欠片すらないことに、切なくなるエリオだった。

 さくさくっと他のウィンドを開いていく。


 ___________

 Providence 【観測者】の偏愛

        インフェルナ神の同情

        スペルナ神の憐れみ

 ___________

 ___________

 Histry ▼テオ(フェアファル村)

      0……ヴァーズン聖帝国のフェアファル村に生まれる

      5……実の親に売られて身分を奴隷に落とす

      6……ヴァーズン聖帝国第七研究所に収容

      8……実験中に死亡

 ___________

 ___________

 Skill 火属性耐性:大

    水属性耐性:大

    風属性耐性:中

    土属性耐性:小

    毒耐性:大

    麻痺耐性:大

    痛覚麻痺

 ___________


 【観測者】は聞き覚えがないが、インフェルナ・スペルナの双神はここイルフェスを創造した神で、最も信仰されている。加護者の話も女中の噂話に上り、エリオにも聞き覚えがあった。あったが、何かそこはかとなく不幸フラグが立っている気がするのも気のせいではない。


「なんで、どーじょーとあわれみ……」


 イルフェスの最高神二柱に可哀想がられているのかは、エリオの理解に及ぶ範囲にない。いつか知る日は来るかもしれないが。

 Histryは単語の意味通り、エリオの前世・テオの略歴が表示される。エリオの情報がまだ公開されていないは、今生よりも前の情報しか表示されないのか、単に載せる情報がないのかは不明。

 だが、おそらく前者であることが伺い知れた。スキルは先生曰く、『本人の修練と経験により得られる技術の事』を指す。よって前述のAbilityとは一線を画する。

 生後三年のエリオが何かスキルを覚えている事はおかしい。


(これって特典効果……?)


 あの胸くそ悪い実験という名の虐待行為の中で受けた覚えがある物が耐性として並んでいる。炎で焼かれ、頭に水を打っ掛けられ、その後に全身凍傷になりかかり、食事に毒を盛られ、最期は感電死。

 前世の記憶をなかった事にして、クッションに抱きついて、気を紛らわす。

 【痛覚麻痺】は生憎そんな実験の覚えがないが、あれだけ暴力に見舞われる経験をしたのだ。覚えていても、おかしくはない。____前世だったならば。それが今生にまで受け継がれているのは何らかの特典効果であるのが推測できる。


(あるとしたら、伏せ字になってるヤツか、輪廻転生なんだろうけどなぁ)


 うんうんと悩むのは辞めて、目を閉じた。時刻はお昼を過ぎた頃だ。昼食を食べた後は眠るに限る。


(また、後で考えれば良いや)


 小難しい話を考えるよりも、折角幼児なのだから惰眠を存分に貪るべく、日当りの良い昼寝スポットへと歩き出した。自由にのんびりは幼児の特権とばかりに、部屋を後にした。

 今の所は平穏である。そう、表面上は。日常が永遠に続くと思ってしまうのは、人の傲慢である。この時もエリオは”幸せな人生”が続くのだと思っていた。




 ◇




 何一つ問題ないと油断していたら、厄介事がやってくるのは古今東西、例え異世界だろうと同じだろう。長ずるにつれ、その問題にエリオも気づかぬ訳がなかった。と、言うのも___。


「俺、妾腹って奴だった…………っ!」


 エリオの父ジークフリード・シュプレンゲン・グラーフ・ウンボイクザーム・ゴルトベルク・ヘルムスには二人の妻がいる。

 一人はエリオの母にして愛妾のリーゼロッテ・シンマー・リッター・グリム・ヘルムスの前世レンの感覚すれば大和撫子系の儚い雰囲気の美人。

 もう一人がジークフリードの正妻ヴィルヘルミーナ・フィンスター・グラーフ・イェーリング・ヘルムスとういう豪奢な迫力系美人である。

 この事実を把握した時、実の父親ながら、『爆発しろッ!!!』と叫んでしまったのも仕方るまい。蓮の時も色々と彼女はできても、肉体関係に至る前に別れ、テオの時も欠片さえも縁がなかった。現時点(エリオの只今の年齢:十歳)の年齢を足し合わせれば、童貞歴は恐るべき四十年。

 都市伝説が真実であったら、魔法使い確定である。


(今、俺魔法使えるから、ある意味真実………?)


 閑話休題。妾腹で貴族の長男なんて、暗殺フラグにしか感じられないと、内心愚痴る。調べてみたら、エリオの暮らしているブリッランテ王国も長子が継承権を有している。バンバンとフラグが積みあがる音しか聞こえない。


(………どうやってフラグを折るか)


 これは実に切実な問題としてエリオの背に圧し掛かっていた。後六年もすれば王国では成人扱いになり、正式に跡取りとなれる。父のジークフリードの気持ちはリーゼロッテに向いていて、客観的に見てもエリオが跡取りとして有力なのは見て取れる。

 これでまだヴィルヘルミーナとの間に子供がいなかったら良かったのかもしれない。エリオの仮定とは裏腹に、正妻と間にも義理か妥協か人情か解らないが、子供が一人いた。次男ジーモン・シャラハテン・グラーフ・イェーリング・ヘルムスだ。

 その事をエリオが知った時、思わず『建った……orz』をガチにやった。よく宮廷や政治の物語で、兄弟間の争いが描かれる。同腹ですら己のあるいは周囲の欲望で殺しあうのだ。

 これが正妻と妾の間が良好で、両者が大らかだったらもっと別の道があっただろうが。まぁ、仮定の話をこれ以上長々としても無駄なので、エリオは思考を切り替える。


(よ~~~く考えろ、エリオ!)


 人間テンパっている時ほど、真剣に愉快な行動を取るものだ。他人事だからこそ、面白い。


(歴史………小説を思い出すんだ!)


 ちなみに胡浩蓮は日本史選択だったものの、赤点をギリギリ間逃れる程度しか修学していなかった。最後の最後に無理矢理詰め込んだ知識は、頭から抜けていくのも早い。

 何一つ参考になりそうなことを思い出せず、自分が読んだ小説に志向を切り替える。が、陰謀参謀渦巻く小説よりも、イチャラブなラブコメディーのライトノベルを時たま読んでいるだけだった蓮の読書の中に参考できるものがあるか。

 断言しよう。あるわけがない。いや、あっても、歯牙にもかけずに、斜め読みをしたことだろう。右から左へ情報はさよなら。


「考えても仕方がないから、書斎で本を探そう」


 最初からそうしろ。どこからかそんな声が聞こえた気がした。




 ◇




 エリオは本館から歩いて五分ほど離れたこじんまりとした別邸で母と妹と数名の使用人と暮らしている。愛妾に窮屈な思いをさせないためか、それとも正妻を気遣ってか、こういう形式を取っていた。

 ヴィルヘルミーナの周りには実家から連れて来た使用人や実家が用意した使用人が多くいて、エリオにとって居心地はよろしくない。表面上は笑顔を浮かべても、ちょっと離れれば、口々に『妾腹のくせに』と言っているのを聞いた事が有る。

 そんな風な環境にいるからか、異腹の弟・ジーモンはエリオを馬鹿にする態度を取る。わざわざ下手にでてやる義理もないので、兄弟仲は冷えきった。


(あれ、これもフラグ……?)


 いい加減、フラグネタも諄くなったので省略。分厚い歴史書をおもむろに手に取った。古い書物の独特のえた臭いが鼻に衝く。顔を顰めつつも、ページをめくり、数分。


「飽きた…………」


 堪え性がないのは異世界にほん現代っ子の特徴だろう。正直堅苦しい文字の羅列はただ睡魔を誘うだけである。


「今日はもうやーめた」


 本を元のに位置に戻し、書斎を出る。多いとはいえない使用人とは擦れ違うことなく、回廊をエリオは歩いていた。

 ふと視線を中庭の方へ見遣った。中庭の中央に済んだ噴泉が鎮座し、とくとく水が湧いている。館側にある花壇には鮮やかな赤い花をつけた草が風にそよいでいた。


(気持ち良さそうだよな……)


 エリオの視界に白いレースの日傘が映り込んだ。日傘の主は言わずとも分かるかもしれないが、ヴィルヘルミーナその人であった。楽し気に花を眺めていた視線とエリオの視線が交差する。

 目があってエリオはゾッとした。先ほどまで優雅に微笑んだ女の顔が、エリオを見た瞬間に感情が抜け落ち、哀れな獲物カエルを前に威圧する蛇とした瞳をしていたのだ。なまじ、美人だからより恐ろしい。


(マジ、何とかしないと……俺、死ぬかも)


 思わずエリオは背筋を震わせた。




 ◇




 それから数日後___エリオの母・リーゼロッテが死去。持病があったのか儚そうな人ではあったが、早すぎる死だった。


(これって……あの人のせいなんじゃ…………)


 葬儀の時、悲しそうに表情を表面上作っていたが、周りに人がいなくなった瞬間、うっそりと笑っていた。清々したとその瞳は語っていたのを見たのだ。

 証拠はないが、エリオの直観がそう告げた。


(やばい、早く何とかしないと…………)

「エリオ坊ちゃま」

「はい、何ですか?」

「リーゼロッテ様から手紙を預かっております」

「分かりました」


 老執事から白い未開封の便箋を受け取り、自室に引っ込んだ。

 リーゼロッテからの手紙にはこうなる事は分かっていたという事とエリオのこれからの最善の身の振り方が書かれていた。母親としてできることを行っていた彼女は、確かにエリオを愛していたに違いない。

 エリオが愛せていたかは別の話だが。


「神殿に行けば良いのか……」


 今後の身の振り方___宗教に帰依し、継承権の放棄をすればいい。

 おそらく伯爵家を次がせようと目論でいるヴィルヘルミーナにとって、この結果は望ましく、エリオの死亡フラグへし折りに一役買う事だろう。ただ悋気からの殺意の場合、死亡フラグは継続だが。


「さらば!我が家!!」


 鞄に幾ばくかの服とこつこつと溜めたお小遣いを詰め込んで飛び出した。近場の神殿まで半日も掛からない。何もかも捨てて、エリオ御年十で双子神の神殿へと駆け込んだ。

 ここで一つの転換点ターニングポイントを通り過ぎる事となる。



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