表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/28

第8話:新たな仲間!天才魔法使いカイルとの出会い

ギルドでの新たな噂


 兄アルバートとの決闘から数日が経った。

 ギルドの空気は、以前とは明らかに変わっていた。


「おい、あの新人知ってるか?」


「ああ、ディアス公爵家の追放者だろ? まさかあのアルバートに勝つとはな……」


「いや、正確には完全な勝利じゃないらしいぞ。でも、一撃も入れられずに負けると思ってたのに、武器を落とさせたんだろ?」


「Fランクの新人が、王国の精鋭騎士団の一員を追い詰めるなんて前代未聞だ……」


 俺がギルドの扉をくぐると、多くの冒険者が一斉にこちらを見た。

 明らかに俺を見る目が変わっている。


(……まぁ、当然か)


 だが、俺は気にせずカウンターへ向かい、エリナと次のクエストについて相談していた。


「さて、そろそろ本格的な依頼を受けてもいいんじゃないか?」


「そうね。私も魔剣を手に入れたし、次はもう少し難しいダンジョンに挑戦したいわ」


 そんな話をしていると――


「……ふーん。なるほどねぇ」


 隣のテーブルで聞き耳を立てていた少年が、ニヤリと笑った。


謎の少年の登場


 そちらを振り向くと、派手なローブを纏った金髪の少年がいた。

 細身の体に、利発そうな瞳。俺と同じくらいの年齢だろうか。


「君がレオン・ディアス? 例の”無能”貴族さん?」


「……そうだけど?」


 挑発的な言葉に、俺は冷静に答えた。

 すると、少年は面白そうに笑いながら手を差し出してきた。


「僕はカイル・レイナー。魔法使いさ」


 俺は一瞬考えた後、その手を握った。


「レオンだ。で、お前は何の用だ?」


「いやぁ、ちょっと気になったんだよね」


 カイルは悪戯っぽく笑いながら言った。


「Fランクの新人が、貴族の精鋭に勝つなんて普通じゃない。何か秘密があるんじゃないかってね」


「……別に、何もないさ」


「へぇ? 本当に?」


 カイルは腕を組んで俺をじっと見つめる。


「ま、そんなことはどうでもいいんだけどね」


 そう言いながら、カイルは唐突に提案してきた。


「僕もそろそろ冒険者パーティーを組もうと思ってたんだ。君たち、僕と組まない?」


天才魔法使い、カイルの実力


「……パーティー?」


「そう。僕は魔法使いだけど、前衛はあまり得意じゃないんだよね」


 カイルは少し考えるそぶりを見せた後、俺の方を見た。


「君は戦士でも剣士でもない、ちょっと特殊なタイプの戦い方をするみたいだけど……僕の魔法と組み合わせたら、最強の戦略が生まれると思わない?」


「……なるほどな」


 俺は少し考えた。


(確かに、解析眼と魔法の相性はいい)


 敵の弱点を解析し、それに応じた魔法で攻撃する。

 戦略的に戦うなら、かなり有利な組み合わせだ。


「でも、実力もわからない奴とパーティーを組む気はないな」


 俺がそう言うと、カイルはニヤリと笑った。


「いいねぇ、その態度。じゃあ、試しに一戦やってみる?」


模擬戦開始!


 ギルドの訓練場に移動し、俺とカイルは向かい合った。


「ルールは簡単。先に相手を動けなくした方の勝ちだよ」


「……いいだろう」


 俺は短剣を構え、カイルの出方を待つ。


 次の瞬間――


雷撃ライトニング!」


 カイルの手から電撃が放たれた!


(くっ……!)


 俺は咄嗟に横へ飛び、ギリギリで避ける。


「おっと、回避できた? すごいね」


 カイルは余裕の笑みを浮かべながら、次の魔法を準備する。


氷槍アイスランス!」


 鋭い氷の槍が俺に向かって飛んできた。


(……こいつ、魔法の切り替えが速い!)


 俺は再び解析眼を発動し、カイルの動きを分析した。


《カイル・レイナー》

・HP:120/120

・魔力:300/300

・スキル:「雷魔法Lv.3」「氷魔法Lv.3」「詠唱短縮Lv.2」

・特性:「魔力回復速度上昇」…魔力の回復速度が通常の2倍


(……詠唱が異常に速いと思ったら、やっぱりスキルの影響か!)


 俺は氷槍をギリギリでかわしながら、一気に距離を詰める。


「おっと?」


 カイルは驚いた様子を見せたが、すぐに次の魔法を唱えようとした。


(だが、俺の解析眼はもうお前の行動を読んでいる!)


「悪いが……これで終わりだ!」


 俺はカイルの足元に転がっていた小石を蹴り上げた。


「――!?」


 カイルは一瞬バランスを崩す。


 そこを逃さず、俺は短剣をカイルの首元に突きつけた。


「……チェックメイトだ」


「……まいった」


 カイルは苦笑しながら、手を挙げた。


新たな仲間、カイル加入!


「ふーん……君、やっぱりただの戦士じゃないね」


 カイルは楽しそうに笑いながら言った。


「解析スキルでも持ってるのかな?」


「さあな」


 俺は適当に誤魔化すが、カイルはますます興味を持った様子だった。


「よし、決めた。僕、君たちと組むよ」


「……いいのか?」


「うん、君と組んでみたくなったんだ」


 こうして、新たな仲間天才魔法使いカイルが加わった。

第9話につづく!


「新たなダンジョンへ!死者の迷宮攻略開始」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ