第5話:ダンジョンボス戦!解析眼と吸収の限界
対峙する巨大アンデッド
「グオオオオッ!!」
巨大なアンデッド戦士が唸り声を上げながら、大剣を振り上げた。
その圧倒的な威圧感に、思わず冷や汗が流れる。
《解析眼》
《アンデッド・ナイト》
・種族:アンデッド(上級)
・HP:120/120
・攻撃力:25
・防御力:15
・特性:「不死の鎧」…物理攻撃を20%軽減
・特性:「自己再生」…時間経過でHPが自動回復
(……こいつはヤバい)
HPも攻撃力も、これまで戦ってきたスケルトンとは比較にならない。
しかも、自己再生能力まで持っている。
「レオン! どうする!?」
隣でエリナが剣を構えているが、普通に戦えば圧倒的に不利だ。
(ここは戦略で勝つしかない……!)
解析眼で導き出す勝機
俺は敵の行動パターンを解析しながら、一瞬の隙を探る。
(攻撃力が高いが、動きは鈍い。攻撃後の隙が大きい……)
(さらに、不死の鎧の効果で物理攻撃が軽減される……が、関節部分には防御力が低い箇所がある)
「エリナ、狙うのは関節部分だ! 鎧の隙間を突けばダメージが通る!」
「なるほどね、わかった!」
エリナは剣を構え直し、素早くアンデッド・ナイトの膝関節へと斬りかかった。
「はぁっ!」
剣が鎧の隙間を捉え、アンデッド・ナイトの体がグラリと傾ぐ。
その隙を逃さず、俺も短剣を突き立てた!
「おらあっ!」
短剣が胴体に突き刺さると、敵のHPが一気に減った。
吸収スキルが進化する瞬間
俺たちは次々と攻撃を加え、アンデッド・ナイトのHPを削っていった。
そして――
「グオオオ……ッ!!」
ついに、ボスが崩れ落ちる。
――その瞬間、俺の体が熱くなった。
《スキル吸収完了》
・「剣技Lv.2」を獲得
・「不死の鎧(劣化版)」を獲得(物理攻撃を10%軽減)
・「暗視Lv.2」を獲得
(ついにスキルのレベルアップが始まった……!)
吸収スキルの成長に、俺は新たな可能性を確信する。
ダンジョン攻略成功!
「……倒した……の?」
「……ああ、終わったな」
俺とエリナはしばらく息を整えた後、奥の部屋へと進んだ。
そこには、古びた宝箱が置かれていた。
「これは……?」
エリナが慎重に蓋を開けると、中から一本の剣が現れた。
銀色に輝く、美しくも禍々しい雰囲気をまとった剣。
「すごい……魔力を感じるわ」
俺は解析眼を発動し、剣の性能を確認する。
《魔剣グラム》
・攻撃力+20
・特性:「魔力伝導」…持ち主の魔力を剣に流すことで威力上昇
・特性:「アンデッド特攻」…アンデッド種へのダメージ2倍
「これは……とんでもない武器だな」
「レオン、これ……私が使っていい?」
「もちろん。お前の方が剣技は上だからな」
「ありがとう!」
エリナは嬉しそうに魔剣を手に取り、振るってみせた。
「いい剣ね……これなら、もっと強くなれるわ」
俺たちは初めてのダンジョンを攻略し、大きな収穫を得た。
次なる目標
ギルドへ戻った俺たちは、ダンジョン攻略の報告を済ませた。
ギルド内では、すでに俺たちの活躍が話題になっていた。
「あのFランク冒険者が、初心者ダンジョンをクリアしたって?」
「しかも、アンデッド・ナイトを倒したらしいぞ」
「やっぱりあいつ、ただの落ちこぼれじゃないんじゃ……」
人々の視線が変わり始めるのを感じながら、俺は次の目標を見据える。
(次は……もっと強い敵に挑んでみるか)
第6話につづく!
「貴族の兄アルバート、登場!兄弟対決の幕開け」