第2話:スライム討伐!解析眼と吸収スキルの力
冒険者としての第一歩
ギルドで初めてのクエストを受けた俺は、街の外れにある初心者向けの狩場「スライムの巣窟」へ向かった。
スライムはこの世界で最弱の魔物とされている。だが、俺にとっては貴族の屋敷を追い出されてからの最初の戦いだ。
「さて、やってみるか」
俺は腰の短剣を握りしめ、視線を前方に向けた。
草むらの陰でうごめく青色のゼリー状の生物。こいつがスライムか。
「解析眼」
俺はスキルを発動し、スライムを観察する。すると、視界に青白い光の文字が浮かび上がった。
《スライム》
・種族:魔獣(下級)
・HP:8/8
・攻撃力:2
・防御力:1
・特性:「粘性体」…物理攻撃を50%軽減
「なるほどな……」
解析眼のおかげで、敵のHPや防御力、特性が丸見えになった。
特に気になるのは、「粘性体」という特性。物理攻撃を50%軽減する、つまり下手に剣で斬りかかってもダメージが半減される。
「となると、狙うべきは……」
俺はスライムの体表をじっくり観察し、わずかに色の薄くなっている部分を見つけた。
「あそこが弱点だな」
通常の冒険者なら「スライムは最弱の魔物だ」と高をくくって適当に戦うかもしれない。
だが、俺は**「ゲームの知識」と「解析眼」で最適解を探る」**。
「いくぞ!」
スライム討伐!
俺は素早く距離を詰め、スライムの弱点部分に短剣を突き刺した。
「――っ!」
スライムが小さく震える。HPゲージが8→3に減少。
「やはりな。急所を突けば、大ダメージを与えられる」
スライムは反撃しようと、ゼリー状の体をうねらせて飛びかかってきた。
しかし、その動きも解析眼のおかげで見切れる。
「遅い!」
横に回避しながら、もう一撃。
今度は弱点部分を的確に突いたため、一撃でHPがゼロになった。
スライムを討伐!
吸収スキルの発動
スライムが崩れ落ちると、俺の体に異変が起きた。
「……何かが流れ込んでくる?」
全身が一瞬熱くなり、頭の中に情報が流れ込むような感覚。
《スキル吸収完了》
・「粘性耐性Lv.1」を獲得
「吸収スキルが発動したのか!」
確認すると、俺のステータス画面に新たなスキルが追加されていた。
《レオン・ディアス》
・スキル①:解析眼
・スキル②:吸収
・新スキル:粘性耐性Lv.1(粘性攻撃のダメージを5%軽減)
「……なるほど。倒した敵のスキルを少しだけ取り込めるってことか」
このスキルは確かに地味だ。最初はほんのわずかな耐性しか得られない。
だが、俺のゲーム経験上、「積み重ね」が何より重要だと知っている。
もしこの先、何百、何千もの敵を倒し続けたら――。
(俺はどこまで強くなれるんだ?)
胸の奥でワクワクする気持ちが湧き上がる。
次なる目標
この世界で生き残るために、俺は**「解析眼」と「吸収スキル」を駆使して成長するしかない。**
「よし……次のスライムを探すか」
俺は短剣を握り直し、新たな戦いへと足を踏み出した。
第3話につづく!
「最初の仲間・剣士エリナとの出会い」