第10話:石像兵との死闘!解析眼と吸収の限界
石像兵の襲撃
石像兵がゆっくりと動き出す。
「くっ……こいつ、見た目よりもかなり重そうだ」
その巨大な体躯に、俺たちは圧倒されそうになる。
だが、冷静にならなければならない。
「レオン、どうする!?」
エリナが剣を構えながら叫ぶ。
「動きは遅いが、攻撃力はかなり高い。こいつはおそらく物理攻撃が効きにくい。だから、魔法を使って攻めるべきだ」
「了解!」
カイルはすぐに手をかざし、魔法を詠唱し始める。
「氷壁!」
氷の壁が次々と出現し、石像兵の前を遮る。しかし、石像兵の腕で氷壁が砕け散る。
「おお、堅い!」
石像兵の強大な力に、氷壁はあっという間に崩れていった。
「レオン、少しでも隙を見つけたら反撃するわよ!」
「分かってる」
俺は解析眼でさらに敵の情報を調べ、弱点を突ける場所を探し続けた。
解析眼で見抜いた石像兵の弱点
「……やっぱり」
俺は解析眼で石像兵の表面をじっと観察する。
(石の体って言っても、完全に無敵ってわけじゃない。関節部分に隙間があるな。攻撃が通るのは、その関節と肩の辺りだ)
「エリナ、カイル! あの関節部分を狙え!」
「了解!」
「お任せ!」
エリナとカイルの連携攻撃
エリナは一気に駆け出し、石像兵の右腕の関節部分を狙って剣を振るった。
「はぁっ!」
剣が石像兵の肩部分に突き刺さるが、効果は今ひとつだった。
「くっ……硬い!」
一方、カイルはさらに詠唱を続ける。
「雷撃!」
カイルの雷魔法が石像兵に直撃したが、石像兵の体がほとんどダメージを受けていない。
「やっぱり、物理攻撃と電撃も効きにくい!」
「なら、俺の番だ!」
短剣での一撃
俺は短剣を握りしめ、石像兵の左膝の関節部分に向かって突撃した。
「こいつの弱点をつけ!」
素早く動き、膝の関節に短剣を突き刺すと、ゴリゴリと硬い音が響く。
「ガッ!」
だが、やはり思った通り、関節部分でも完全に破壊するには至らない。
「うっ!」
反動で短剣が跳ね返され、俺は後退する。
(物理攻撃だけじゃダメだ、魔法で削らないと)
逆転の戦略
次の瞬間、俺は吸収スキルを発動した。
「吸収……(アブソーブ)!」
倒したモンスターから吸収したスキルを、再びここで使う。
吸収したのは、敵の防御力を軽減する「破砕」スキルだった。
「これで少しは通りやすくなるはず!」
その瞬間、エリナが俺の合図を見逃さず、再び石像兵の関節部分に向かって剣を突き刺す。
「今だ!」
エリナの剣が見事に刺さり、石像兵の関節部分が破裂した!
「グオオオオッ!」
石像兵が、苦しげに大きな叫び声を上げる。
「いける! あと一押しだ!」
カイルの魔法でトドメ
カイルが最後の魔法を発動する。
「雷撃剣!」
カイルの手から、雷を帯びた剣が現れ、そのまま石像兵の頭部に突き刺さる。
「グアアアア……!」
石像兵は激しく揺れ、倒れるように崩れ落ちた。
「倒した……!」
俺たちはそれぞれ息を整えながら、倒れた石像兵を見下ろす。
次なる挑戦者
そのとき、ダンジョン内の暗闇から声が聞こえた。
「――おお、なかなかやるじゃないか」
その声は、冷たい響きを持っていた。
俺たちはすぐに警戒し、周囲を見回した。
「誰だ!」
すると、薄暗い道から一人の男が姿を現した。
身の丈を越える大きな黒いマントを身にまとい、顔は不明瞭だが、その気配はただ者ではない。
「お前たち……死者の迷宮に来た目的はなんだ?」
第11話につづく!
「新たな敵、謎の男との対決」