ほんのひとときのえいえん
ほんのひととき
あなたにはきっと
そう思えたでしょうね
飛び立てるまでの仮の宿
幾重の枝の一つに過ぎない、と
それは一面正しいけれど
それはほんの一面で
あなたがいなければ生きていないし
あなたがいてくれるから生きていける
共に飛ぶことは叶わなくても
心はいつもそこにある
ほんのひととき
わたしも初めは
そんな風に思ってた
時が来るまでの仮の宿
偶然見つけた一枝に過ぎない
けれど時を重ねていくごとに
あなたの顔を見るたびに
あなたを選んで良かったと
あなたでなければならなかったと
共に飛ぶことは叶わないのに
幾度も戻ってしまうほどに
けれどそれももう終わり
甘えられる時間は終わったの
あなたにとってのひとときは
わたしにとってのえいえんで
この先幾重の宿り木を経ても
今この時を忘れないでしょう
さようなら
なんて言いたくないから
叶わなくても
またね
と言うわ
それじゃあ、またね
また、いつか