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浦川 日歌里ノウラジュウニシ【side:U】

亀裂と嵐

作者: 歌川 詩季

 天災は、怖いですね。

 頑丈な床に胡座(あぐら)をかいて

 こんなじぶんがあることを忘れんな

 ひっくりかえっても

 背中をうちつけるだけですむのは

 どいつのおかげか忘れんな


 もしも そこに亀裂が走り

 頑丈な床をふたつに割ったら

 こんな安穏(あんのん)はたちまち まっさかさまだぜ

 だからってそれを恐れてるより

 ひとつの契機にしてみちゃどうだい?


 組まれた(あし)()いて

 立ち上がって歩き出すなら

 そのときはいましかないよって

 だれが教えてくれるわけでもないが

 組まれた(あし)()いて

 立ち上がって歩き出すなら

 そのときはいましかないよって

 あんたもわかってるはずだろう



 重苦しい天井(てんじょう)にのしかかられて

 こんなくらしがあることを忘れんな

 とびあがったら

 あたまをうちつけるのをくりかえすのは

 どいつのせいだか忘れんな


 もしも そこに嵐が舞って

 重苦しい天井を吹き飛ばしたら

 こんな閉塞(へいそく)はすっかり あとかたもないぜ

 だからってそれを願うより

 ひとつの感謝を(ささ)げちゃどうだい?


 降りそそぐ雨をさえぎってくれた

 恩に気づかず生きてくなら

 あとからきっと後悔するって

 だれも教えちゃくれなかったのかよ?

 降りそそぐ雨をさえぎってくれた

 恩に気づかず生きてくなら

 あとからきっと後悔するって

 あんたじゃわからねえかもしれないが

 パニック映画は好きですけど。


挿絵(By みてみん)


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【同一課題作品】
星の中身は甘い夢
作者:日浦海里先生
― 新着の感想 ―
[一言]  突然のできごとに見舞われても、対応できる柔軟さと強さには憧れます。  感謝とともに、リスクヘッジも必要ですよね。  詩の感想じゃなくなったかも……σ(^_^;)
[良い点] 今幸せな現状を喜ぶべきなのでしょうね。
[一言] 当たり前のありがたさを感じるのは、その当たり前が喪われる時というのは、何ともせつないことです。 ただ安穏と過ぎていく日常の中で、ふと折に触れ、そのありがたさを振り返って感謝することが大切なの…
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