表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
やまぐちブックストアダイアリー  作者: 着ぐるみ人形あき
99/137

第96話 記憶障害

 「彼ですか……」

「ええ、灰山良材(はいやまよしき)25歳、如何かしら?」


文字は身動きひとつしない献体の胸に手を置く。


「この体を頼みましたよ。

優れし助言を与える者。」


そう言うと文字の手が光を発し……灰山に吸い込まれる。

と同時に文字は崩れ落ちお付きの廃油が体を支え、灰山はベッドから起き上がる。


「地球よ!わたくしは帰ってきた!」

「先生にガンダム見せたの誰?」

「0083 STARDUST MEMORYなら男根さんだよ。

あとストップひばりくん読んでなのちゃんだって言ってた。」

「あんたの主人達はすぐにオタコミュニケーションに引きずり込むのね……」

「あの……少佐殿、早く逃げた方が良いのでは?」


十六夜の助言通り彼らはそそくさと台戸市民病院を後にする。

文字のキャラバンに乗って……


「あとは防衛軍の後始末部隊がやってくれるわよ。

マスター、急に呼んでごめんなさいね?」

「いえ……それより博士の服を何とかしないと。

あと博士が二人ってややこしくないですか?」

「あっちは本名が博多礼士(はかたれいじ)よ?

文字くんとあたしはハイ・ザーイ博士を先生と呼んで区別してるわね。」

「男根さんは?」

男嶋三根夫(おしまみねお)ね。

たぶん先生は“はいざい”になると思うわ。」

「んじゃ文字さんの場合は……」

文岡京字(ふみおかきょうじ)って偽名を当時つかってたから引っ込み付かないんじゃない?

本名は怪田妖輔(かいでんようすけ)でコードネームの法則に従うと妖怪になるし……

どうしたのみんな?」

「「「妖怪嵌まり過ぎてる!」」」

「本人嫌がって文岡とか言ってたんだから揶揄っちゃダメよ?

どんな仕返しが来るか知れないわよ。」


「えっきし!この体でもクシャミ出るんだね。」

「見た目はアレじゃが生命体ですでのう。」

「なんで体貸しちゃったのよ?

男根さんでもあざすさんでも良かったじゃない。」

「1回入ってた俺の体にはパスが通ってるそうだから扱い易いんだって。

おんじ、先生の体宜しくね。」

「まさか元主人が来られるとはのう……」

「おんじハイ・ザーイ博士の執事だったの?」

「そうじゃよ。

その時イスのマスターからの命令で古の者殲滅計画の参謀長として参加させられてのう……

当時の上司を喰ったんじゃ。」

MIA(作戦行動中行方不明)は何処にでも有るんだなぁ。」

「は?」

「我マスターの権利持ておんじに命ずる。

他所で言うな。

苦しい時は俺が聞いてやるから。

嫌な奴だったんならおんじの行動全肯定するぞ?」

「嫌じゃ無いんかの?」

「礼儀正しいおんじが切れたんだ。

余程の奴だったんだろ?」

「ペーターにペスト菌仕込んだ奴じゃ。」

汝 罪無し(ノットギルティ)

そんな存在の為に苦しむなよ。

下衆はいつか殺される運命だったんだ、たまたまおんじに執行役が振られただけだ。

……テケリリは?」

「わしの告白に混乱してでんでん虫になっとるのう。

……貝殻が2メートル程の。」

「テケリリ~戻ってくれ~。

俺はでんでん虫だけは怖いんだから。」

「無敵の主様がのう。」

「せめて貝殻に角生やしてくれ。」


にゅ。

中から出て来たのは単眼のテケリリだった。


「もうテケリリは!

中身はかわいいままだと言ってくれよ。」

「ああ主様はでんでん虫と言うよりナメクジが嫌いなんじゃのう。」

「ショゴスは平気なのにね。」

「知的生命体と巻き貝の癖に貝殻無くした奴と一緒にしない!」


ってところであざすさん一行が入ってきた。


「何をエキサイトしとるのかこいつは。」

「そちらの方、ここは関係者以外立ち入り禁止ですじゃ。」

「オンジアーム?オンジアームじゃないか?

私だ!ハイ・ザーイだ!」

「おんじって本名だったのか……」

「あ、廃油お疲れ様……器用な持ち方してるな?」

「一見二人羽織。

実は足は僕のお腹から出てる。」

「普通に理解不能な持ち方してたわ。」

「廃油が変なことしてたら言いなさいよ。」

「後ろから見てたら普通に背負ってる様に見えるのよ。」

「では戻しますぞ。」

「テケリリ、おんじ、先生の体を倒さない様にな?

って先生いきなり俺ですか?」

「ほっほ、私は精神交換術が得意でしてな。

手を繋ぐだけで……精神交換(サイコチェンジ)

とまぁこの様に……」

「不真寺のお父っつあんはまだ来て無いんですか?」

「あっちはあっちで忙しいんだから文句言わない。」

「この人が死んでて先生の体が腐って行くとか無いね?」

「友人はなかなか怖い事を言いますな。」

「前もってDr.不真寺に調べてもらってるから。

アストラル体のオーバーディメンションが傷付いてるだけだって言ってたわ。」

「まず死んでたら精神交換できませんよ。」

「先生の体はおんじに視ていてもらいます。

構いませんか?」

「「願ってもない!」」

「交代要員はおんじに任せます。

ペーターでもテケリリでも言って下さい。」

「はっはっは、グズカスは指名したら恨み殺すって目で見てますぞ。」

「テケリリ、先生を守るのがおんじの任務だから言われたら力貸してあげてくれ。」

「博士は恩人だしお世話は嫌じゃないの。

モジと離れたくないの。」

「なるほど、ではペーターとロッテンマイヤーに頼むとしようかの。

わしも主人に付いておきたいしのう。」

「ところで先生……おんじをオンジアームって……」

「おんじは武器の扱いも上手いよ。

ショゴスで武器使わせたら右に出るもの居ないと思う。」

「普段は灰山さんのボディーガードでもいいかな?

あと人間に何か言われたら記憶障害が有るって言っとけばいいです。

あと廃油、そろそろ下ろして?」

「もうちょいご主人のぬくもりを……」

「廃油、直ちにあたしに替わりなさい!」

「テケリリも落ち着いて。

廃油、南極行くから下ろしてね?」

「ハーイ!」

「アリババとアラジン、留守中にハイ・ザーイ博士の体を頼みたい。

シンバッド、二人こっちに回して大丈夫か?」

「ハッサンとジーニーが居るんで大丈夫ですよ。

お早いお帰りをお待ちしてます。」

廃材くんが仲間入りする課程なので要らん事しなきゃそのままゴールに一直線なんですが……

ツァトゥグァかクトゥルーでも出して掻き回そうとしてる筆者も居ます。

さて次回は 轟沈見物ツアー

第97話 邪神様はご機嫌ナナメ  お楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ