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やまぐちブックストアダイアリー  作者: 着ぐるみ人形あき
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第89話 深く静かに潜行せよ

 「んじゃ海中実験行くぞ~!」

「ご主人、轟沈が縁起悪いとか言いながら棺桶丸1号ってネーミングはどうなのよ?」

「いやいい名前があれば変えるつもりなんだよ?」

「グレーブダイバーとか?」

「テケリリ、墓に潜るんじゃ有りません。

ってかどうもこの船棺桶に見えるんだよな……」

「んじゃパレンケとかツタンカーメンは?」

「あ!パレンケいいな。

んじゃ2号(黒)はルクソールにするか?」

「ミイラとか歩いてそうでやだ。

どうせなら青山と谷中と雑司ヶ谷に……」

「テケリリ、それ東京の三大霊園だろ?」

「いや墓から離れていいのよ?

千日、飛田、三軒家とかね、他にも妙見、野江……」

「嫌な予感がする。」

「廃油も?あたしも実は……」

「江戸時代の大阪の処刑場だが?」

「ああ……やっぱり。」

「思ってたより数段階上だったわ……」

「イギリス海軍じゃテラー(恐怖)って軍艦に1845年に北極調査させたり大戦中のイラストリアス級空母の3番艦はフォーミダブル(恐るべき)って名前のも有ったんだ。

こっちは普通に退役してスクラップになったが。」

「ご主人、普通に退役してないのは?」

「テラー号と同行したエレバス号も一緒にカナダの北極圏キングウィリアム島に近いビクトリア海峡で氷に閉ざされ沈没、脱出はしたらしいが隊長を含めて隊員129名全員が失踪したそうな。」

「ご主人たまに恐ろしい事を淡々と語るね。」

「そういう時はただの記録として見るんだよ。

この棺桶丸が完成するまでに何人犠牲になってどういう人物だったかは考えなくていいんだ。

わざわざ悲しんだりしたら犠牲になった人々を貶す事になるかも知れないからね。」

「犠牲出たっけ?」

「現在進行形で俺の胃にダメージが……」

「それすとろんがの所為でしょ?」

“親方、ロードとリーダーも、発進準備完了しました。”

『ありがとう甲板長(ボースン)シンバッド。

ところでこの船ガレオンじゃないよね?』

“元々「古の者」達は「偉大なる種族」の超能奴隷でしたから親方はその記録として見られたんでしょ。”

「古い仕様説明書に古の者休憩室とか書いてたからさ……ショゴスに要らない苦労強いて無いよね?」

“大丈夫です!”

「それ聞いて安心した。さぁ海底探検に出発だ!」



「とは言うものの何も無いな……」

「意外と水圧にも耐えれるんだねコレ。」

「わ~12メートルのイカがいる……

失礼、副甲板長(アラジン)、被害報告をお願いします。」

“ロード、今のところ大丈夫です。

この船一応シュヴァルツシルト半径の内側の圧力まで理論上は耐えられますから。”

「事象の地平の内側か……これ攻めて来たのがパープルエガー(間抜け)じゃなかったら危なかったかも。

テケリリ、そのイカアンモニア臭くて食えないからね?」

「何で勝てると思ったんだよご主人?」

バウンティ(報奨金)級なら最悪刺し違えても止められるなと……」

“バウンティ級は50年前に退役してこれはその2世代後のエクゼキューショナー(処刑人)級です。”

『処刑人級なら千日前でもいいんじゃない?

どうせ他の人間には解らないし。』

「そこで無くて!なんでご主人バウンティ級知ってんのさ?」

「記憶の片隅に……」

“いあ いあ うぼ=さすら 母なる自存する源に畏れながら廃油が申し奉る。”

“あら?廃油ちゃんどうしたの?”

“ご主人の記憶がバグってます!助けて。”

“すぐ連れて来なさい!”

「進路変更!南緯0!フルステルス航行!」

“イエッサー!”

「廃油、テケリリ、俺がお前たちに害を成す存在なら喰ってくれ。」

「う~む……むしろご主人もイスの被害者かも知れない。

戦闘班長(アリババ)、手空きの戦闘員3名でマスターを拘束!怪我はさせるな!」

“え?そんな……”

「心配ないよ。

さぁリーダーの言うとおりにやってくれ。」

“人間とは言えショゴスを助けてくれたお方を……”

「ん~、実は前々から有る記憶がお前たちを傷つけるかも知れないんだ、その前に拘束してくれ。」

「あたしは嫌だ!」

「テケリリ、俺はお前が仲間と争うのを見るのが1番辛い。

解ってくれ。

これは変な精神撹乱受けない為の措置なんだよ。」

“現在精神波は飛んでませんが?”

「あのねアリババ、催眠術ってのが有ってね、何かのキーワードを仕込んで思っても無い行動をさせることも可能なんだよ。

だからこれは万が一俺が暴れた時の保険だよ。

面倒くさくて済まないね。」

“伸び縮み!南極のウボ=サスラ様の洞窟に来てくれ。

着いたら精神波ジャミングを頼みたい。”

“わかった!

ところで僕ちゃんバッジ持ってないけど?”

「男根がみんなの分作ってるはずだからもらって欲しい。」

“あ~!マスター久しぶり!元気?”

「今拘束してもらってる。」

“また理解し辛い事を……

まぁテケリリが暴れて無いなら心配ないんだね?”

「記憶弄られてる可能性が有ったんだ。

催眠術に掛かってた場合ショゴスを攻撃してしまうかも知れないんで。」

“あ~!

またマスターやったんだ……

新しいみんな、ビックリしたでしょ?

これが地球の新しいマスターのやり方だからね?

あれ?男根さん僕ちゃん達のバッジ金色なの?

……うん、マスターが南極行くって……

マスター、男根さんも行くって。”

「イラストやポスターの仕事は大丈夫か?」

“昨日描き上げたって。

んじゃ南極で待ってるね。”

「ご主人、飛んでいい?」

「夜ならフルステルスのままで。」

「ミミズもカエルも皆ごめん。

バスも電車もみな止めて!

月も雲間に隠れたし。

雨戸も閉めたガキも寝た。」

「うん、テケリリは一体何をするつもりなんだえ?」

「奇しくも触手に捕まった形にモジがなってるし……」

「ああ、そう言われれば……」

「あたしがDNAハンターに変身して何の不思議があるでしょう?」

「う~ん暴走してるね。」

「そーだね~……じゃなくて止めてくれ廃油!」

「お尻は廃油で。」

「商談成立!」

「成立するなぁ!」

「大丈夫、優しく広げるから。」

「片手ゲッタードリルに変形させて何を言うか!」

「じゃぁここまでにしておくけど……

次こんなことやったらやめないからね?」

「肝に銘じます。」

「なんだ次の機会か……」

「本気だった廃油が怖いわ!」

“親方たち本当に仲いいんですね……”

先日まで番外編書いてた影響が出ました。

性教育担当が青い獣人だったのも暴走の一因ではございますが……深く静かに潜航しなくて良かった……

さて次回は 何故文字が停滞キューブをバラせたのか?

第90話 封印された記憶   お楽しみに。

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