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やまぐちブックストアダイアリー  作者: 着ぐるみ人形あき
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第87話 何してた不真寺?

「では不真寺さん発表してください。」

はい……

あなた達は知らない……この夏休みに人類の歴史が終焉を迎える可能性が有った事を……

その時唐突に身元引受人から連絡が入った。

「不真寺ちゃん、イスだ!どうする?」

「……()る!」

「OK!30分以内に本部に来てくれ。例の試作宇宙艦で迎え撃つ!」

そう、試作宇宙艦轟沈。

地球と惑星セラエノの技術の粋を注ぎ込んだ戦艦……

某所にこっそり隠してある地球の切り札。

更に今回は智泉郷の最新鋭惑星破壊(スターブラスター)級戦闘宇宙空母も有る。

圧倒的ではないか我が軍は!

あたしを呼んでくれたおじさんは参謀と話し合っている。


「轟沈を衛星軌道上で待機させ警告射撃、更に月面の戦闘空母で挟撃の形にできれば負ける事は無いかと。」


おじさんは参謀に民間宇宙船を囮にするなとか言ってるけどアレたぶん轟沈より強いよ?

アウトレンジからのタキオン粒子砲でだいたい片付くんじゃないかなぁ?

小回りが利かない以外の弱点が見当たらない。

問題は乗組員が智泉郷の人々だけで厳密に言えば戦闘員が居ない事なんだけど…本当に大丈夫?


「フルステルス作動!轟沈発進のち次元潜航。

そのまま月軌道上まで進みます。」


ああこれ本当に戦闘空母使わない気かな?


「愚かなる人類よ!聞くが良い!

余はイスの偉大なる種族、銀河皇帝 パープルエガー!

その星を明け渡せ!」

「近接信管通常ミサイル発射!」


あ……次元潜航中に撃って当てた……


「うわ止めろ馬鹿!いきなり攻撃をしてくるとは何という蛮族か?」

「いきなり侵略行為してきたのに言われると悲しくなるな。次元潜航解除!」


通常空間に姿を現してみると……


「愚かなり地球人。」

「リボルバーキャノン展開、撃て!」

「待て待て待て!何をいきなり攻撃しようとしているのだ!」

「命賭けて戦争しに来てんだろう?

ダイヤモンドファイバードリル回転!」


そこでセラエノの最後の生き残りのクィーンが


“あいつら精神感応で体乗っ取りに来るわよ?”

「うっわ……寄生虫でしたかあいつら。」

“なんで地球人には精神障壁(サイコバリア)張ったからね。艦長以外。”

「死んで来いと?」

“艦長はサイコスーツ持ってるでしょ!”

「あの何処ぞのヒーローみたいなの?恥ずかしいんですけど……」

“うふふ……死にたいの?”

「着装!ってこれパワーアップスーツじゃないんですか?」

“セラエノの科学力を信じなさい、宇宙服にもなるから。”

「って智泉郷の船遅くないですか?」

「燃料抜き忘れて立ち往生してたりして……」

「「あははははははは!」」

“笑ってる場合か!

不真寺ちゃん手伝いに行って!艦長と飛行隊長は護衛で敵艦隊突破するまでエスコート!GOGOGO!”

「セラエノクィーン結構怖い人なのね……」

「セラエノの女神だった女傑だからね。

不真寺ちゃんのスクーンは俺達のスターファイターより小回り利くから敵艦隊の側面を這うように突破してくれ。

俺達は中で暴れるから。」


そして3台の小型艇が緊急発進(スクランブル)した。

砲撃は敵艦隊に近付くにつれてまばらになり……遂に艦隊を抜けた時に後ろで爆発が起こった。


「今の何?」

「ホーミングミサイルが貼り付いてた。

これからは後ろに目を付けなさい。」

「できるか!」


等と言いつつランデブーは終わりの時を告げる。


「おじさん!死んだら殺すからね?」

「大丈夫だよ不真寺ちゃん

艦長は天国でも地獄でも嫌われてるから。」

「そこ!当人の前で悪口言わない!」


そしてあたしが向かった戦闘空母は全く動いて無かった……


「どうしたのよ?」

「地球に来たときリーダーが病気で燃料抜き忘れてマシタ~!」

「1年半か……ならリアクターの燃料を半分抜いて新しいの半分入れて攪拌!

それでスターター回るはず!

スターターは10秒回して!」


キュンキュンキュンキュンキュンキュンズル。


「よし行ける!

スターター回転60秒、全余剰電力カット!始動のみに注力!」


キュンキュンキュンズルキュンキュンキュンズズキュンキュンキュンズズズズズ………ガウンゴゴゴゴゴ。


「フライホイール接続……電力復帰!

戦闘空母発進!遅れた分を取り戻せ!」

「智泉郷さん、後はお願いします。

あたしはちょっと休ませて……」

「戦闘宙域で爆発確認!」

「乗組員の安否を照会せよ!」

「乗組員は敵艦に移乗の模様……あれ地球艦の艦長です!」

「イス評議員並びに銀河警察機構に連絡。

銀河皇帝を詐称し保護指定惑星に宣戦布告し攻めてきた馬鹿者が居る。

直ちに排除されたし。」


そして戦闘中の艦たちに向かって。


「遅くなりマシタ!戦闘空母到着しマシタ!」

「すまない、燃料抜き忘れててエンジン動かなかったんだ。」

「あたしを先に送ったおじさんファインプレーっすよ!

本当におかしい人を亡くし……」

「コラコラ生きてる生きてる!

制圧するのに楽だったから乗り移ったんだ。」


こうして地球の平和は守られ……


「萌唯ちゃん寝てるんデスか?」

「無知村さん、一発叩いた方が早く無いか?」

「夜叉丸、竹刀は仕舞え。」

「あれ?地球の危機は?

地球防衛艦轟沈は?」

「ははぁ……昨日の夜スターウォーズかなんか観て徹夜したな?

しかし不真寺が夏休みの課題おわらせてるとはな……」

「斉藤は何やってんだろうな?」

「ヤマナメちゃん、斉藤さんハリング設置と防衛隊の打ち合わせでやまぐち書店に行ってマスよ。」

「8月入った時点で課題終わらせてるっておかしいんじゃないか?」

「ヤマナメと私はバイトも有るから仕方ないが無知村さんは何故終わってないんだ?」

「あの……英語が……」

「いやいや日本語より簡単っしょコレ?」

「萌唯ちゃんは全員を敵に回しマシタ。」

「いや私もそこまで難しいとは思わないが?

言葉なんだから通じない事はないだろう?」


この日記はフィクションである。

ただしいつ現実になってもおかしくはない……


「不真寺さん!日記は再提出です!」

まぁ夏休みの課題にこんなの提出したら怒られますわな。

更にこの日記、後に煮詰まったえびちゃんによって宇宙船強奪物語の原作としてクレジットされる事になります。

ちなみに他のメンバーはプロレス興行や間蔵島旅行を書いていた様です。

さて次回は あんたら他に言うなよ?

第88話 ナインカとダンコンマンの視察

お楽しみに。

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