第85話 間蔵島にて(後編)
「みんな!ごめんな?こんな所に連れて来て。」
“何言ってるんです頭、わっしら感謝してるんですぜ。”
“そうそう、飯ももらえりゃ風呂にも入れて休憩も有るってイスから見りゃ天国ですよ。”
そこに買い出しから戻ったテケリリが……
「みんな~お給料も出るから頑張ってね~!」
等とやったものだからショゴス達の興奮は収まらなかった。
「台戸の方はどうだった?」
「鉄山先生がモジに豚役させたかったみたいなの。
今年はドクター不真寺がやってたよ。」
「なのちゃんがご主人帰省先でコロナにかかったとか言ってたよ。」
「あれ?廃油は何故ここに?」
「荷物持ち、ハンバーガー40牛丼40お待ち!」
「サンキュー、よしみんな、ごはんだぞ!」
“な…なんでショゴスロードがみんな一緒になって給食係してるんです?”
「アハハ、廃油はショゴスリーダーだよ?」
「くっくっく……ぼくは四天王で最弱……」
「作戦参謀が強くてどうするよ?
って四天王って何よ?」
「伸び縮みと地潜りと斑とぼく、百目と気泡と大口が三軍神だって。」
「それについてのメリットなんかは?」
「連絡網を完璧にするためだって。」
「単なる班分けだったか。
あれ?テケリリ達は?」
「緑とでんでんと触手と発光が四人衆で統括がテケリリ。
4-4-3の三班だよ。」
「あたしやりたく無かったのに……」
「諦めろショゴスロード、ご主人と行動共にするの多いんだから。」
「でもこのショゴスマスター全然帰って来ないし。」
「まぁまぁ、1隻はショゴス専用戦艦として許可取ったからな。」
「打倒轟沈!」
「コラ廃油!
仲間を撃つな仲間を。」
「と言うか轟沈と同じ転移装置どこに設置する?
お薦めは戦艦のトイレだけど。」
「なんでトイレに?」
「いきなり民間人に艦橋見せるのはどうかと。」
「民間人って誰が来るのさ?」
「YBWAとやまぐち書店の皆様が合宿と慰安旅行だって。」
「漁協の適当な小部屋に設置してくれ。
まぁあの連中完全な民間人とは言いにくいけど。」
“誰なんです?”
「少女型アンドロイドと戦闘ロボとジーン星人、マイコニッダー、地球人が4名、変態2人と吸血鬼。」
「なのちゃんもえびちゃんも変態扱いなのね……」
「テケリリ言うなよ?
なのちゃんはともかくえびちゃんのちんちんは凶器だ!」
「俺としては廃油がどこからそんな情報引っ張って来たかが気になるが……」
「前に来たときに風呂入ってたらえびちゃんが入ってきたんで透明化して一緒に。」
「ああっ!同僚が痴漢に!」
「んで入れ替わりにむっちーとヤマナメちゃんが……」
「廃油もしかして風呂で寝てたのか?」
「19時から21時まで入ってた。」
「ああ長風呂好きなのか。」
「え……モジそれで済ますの?」
「ショゴスに性別は無いし男時間と女時間は別けてたけどショゴス時間作ってなかった俺のミスだからな。
でもそうか……廃油くん、君を風呂係長に命じる!
風呂の順番とか面倒見てくれ。
部下は新ショゴス達から9人、人選は任せるよ。」
「了解!風呂係頑張る!」
さすがにこの緩さには先日まで軍属だったショゴス達も絶句していたが……
何より自分たち奴隷種族に艦を1隻任せると言った親方が自分たちと一緒に汗を流して働いているのを見て反逆しようという気が全く起きなかったのである。
“あの……ロード様、マスター全然怒鳴ったりしませんが……”
「そうね、あたしも怒ったの見たのはペストスキャッターが体にペスト菌植えられたと聞いた時だけだわ。」
“ペストスキャッターさんですか?”
「ええ、南極でウボ=サスラ様のお世話している元古のもの傭兵部隊の1人よ。
それにあの人の左手はあたしの細胞でできてるの。」
“ああ、なんでもマスターが怪我したときロード様が治したとかマスターが言ってましたよ。”
「違うわ!
あの時あたしたちは敵同士、だから小型焼夷弾であたしは地球人に焼かれるところだった。
モジはその焼夷弾左手で受けてあたしを助けてくれたのよ。
一般ショゴスと区別が付かない敵をよ?
あたしは当時のリーダー権限で
“攻撃中止!彼らは邪悪な生命体ではない!”
ってやった後手を治して……」
「油断すると惚気話始めるなテケリリ。
その後ぼくがリーダー引き継いでティンダロス退治したんだよ。
テケリリはもうロード候補だったしね。
そのティンダロス退治の舞台がここの島だよ。
びっくりするよね、さっきテケリリが言った戦闘から半月後の事だったんだから。
その時の人員はショゴス12人地球人2人、死ねと言われてるのかと思ったらご主人が
他の時はいいから今だけ命令聞いてくれ。全員で帰るからな。
だって。それで本当にみんな無事に帰って来たんだからもう信じるしかないよね。」
「え?廃油モジの事信じて無かったの?」
「あんな主人初めてだったから判らなかったんだよ。
自分囮にして僕らに攻撃させるとか半月前に会った僕らを完全に信じてくれたんだ。」
“では1隻ショゴス専用戦艦にするってのは……”
「本気で言ってるから必要なものは言ってあげてね。ここだけの話宇宙船に乗ったことの無い地球人よりショゴス達の方が安心して船任せられる!とか言って上層部とケンカしたらしいし。」
“みんな来てくれ!マスターが停滞キューブ外した!”
「何やってんのあの人……」
「廃油、モジが爆発させずに停滞キューブ外したって事は……」
「いや地球人が知ってるはず無いでしょ?偶然だと思うけど……」
テケリリと廃油が慌ててドックに言ってみると文字は停滞キューブを展開させて弄っていた。
「はぁ~なるほど。
ここでこの次元と接続させて……ここでワープのズレを調整してんのか。
後は不真寺ちゃん来てからの方がいいな。」
「テケリリ……ご主人停滞キューブの中身理解してるっぽい。」
「そうね……」
その時の文字はまるで趣味のプラモデルを作る子供の様だったとショゴスロードテケリリは供述している。
今回から台詞前の名前は外してみました
台本読みたいんじゃない!との声に答えてみたのですが如何でしょうか?
さて次回は 彼女達から逃れる術は無い
第86話 サマーエンジェルス
お楽しみに。
ps 何とか8月中に水着回ができるかと思って書いてましたがごめんなさい無理です。来週9月だよ……
対パープルエガーもっとシンプルにするべきだったか……