第69話 シュードモナスの罠
彼らが回収して来た因子は2立方メートルまで拡大化されていた。
D「良くまぁこんなの持って帰って来たな……」
マ「ドクター、それ活きてるぞ?噛まれるなよ?」
シ「お父さんも噛まれないでくださいね?」
な「夜叉丸から皆さんにコーヒー……なのはいつ異世界に転移したなの?」
D「これから因子を診殺して狂暴化の原因を探ります。
あなたは危険ですので……」
な「なんか不穏な言葉がでてきたの……はぁッ!」
ボコッ!吹っ飛ぶ因子。
なのちゃんは瞬脱服を操作し全身青いレオタード姿になっていた。
な「戦闘中に獲物から目を離すのは危険なの。対魔忍なのが助太刀いたしますなの。」
マ「なのさんも医療パーティーでしたか。
私が剣士、シイが回復を務めます。はいっ!」
マツがシールドバッシュで弾いた因子に斬り掛かるドクター、切断面は黒い。
な「あれがマツさんと同じ体細胞でできてるならシュードモナスの可能性があるの!まずは消毒もしくは解毒魔法を使うの!」
シイの解毒魔法は切断面の黒ずみを無くし、因子を萎縮させる。
D「あなたは何者なんですか?」
な「男根好きな琵琶湖の太公望 人呼んでアゴ伸ばしのなのと発しますなの。」
テ「なのちゃんいつまでかかってますか?」
な「テケちゃん危ないの!」
胴に齧り付いた因子を物ともせずに歩いてくるテケリリ。
テ「コーヒーあたため直しますか?」
な「え?テケちゃんそれ咬合力弱いの?」
テ「ワニ程度ですね、1トン800キロ位でしょうか?」
D「何故平気なんです?」
テ「愛の力で!」
な「はい皆さんお疲れ様でしたの。撤収なの。」
テ「その前にウエブスターちゃんとマシューちゃん、これ外すの手伝ってもらえない?あたしたちなら力入れてたら噛み千切られないから。」
な「中にエチルアルコール散布できないなの?たぶんそれで小さくなるの。」
テ「アルコールが無いよ?」
ウ「ドクターのカバンの中に……」
マ「ウイスキーとウオトカと焼酎が……」
テ「あんまり強いとあたしが吸収してしまうから……」
な「よしテケちゃん!ウオッカのスピリタスを使うの!」
テ「これね!んくんく……*☆◯△♡♀~!」
D「ああぁ……消毒用アルコール代わりに買った酒が……」
マ「ってか邪神No.2のウボ=サスラ様の娘さんに……」
テケリリは体をホース状に変化させ、因子の中に96度のアルコールをぶち撒けたのだが消毒用アルコールが一番効果を発揮する70~80度より強すぎるアルコールが数cc体に残った。結果……
文「テケリリ!何があった……なのちゃんなんでテケリリ溶けてんの?」
な「スピリタスを因子の体内に撒こうとしたらテケちゃんが飲んじゃったの。」
廃「ウォータージェットで散布しようとして急性アルコール中毒になったかな?」
文「テケリリ、アルコールに触れた面を外側に出して……そうそういい子いい子……シュボッ!」
文字は手にした使い捨てライターでアルコールを焼いたのだった。
パニクるテケリリを抱きしめて囁きかける。
文「ごめんな?びっくりしたな。
ほらもう大丈夫だからな?」
廃「……無茶苦茶するなご主人……」
マ「焼きますか……」
D「いやアルコール飛ばすだけならあれが一番早い……」
文「ドクター、狂暴化の原因解りました?」
D「ああ、それについてはなのさんが究明しました。」
な「マツさんの水虫と同じだったの。」
男「何て?」
な「マツさんを苦しめたバクテリア由来のシュードモナスが運悪く因子の中で増殖したの。乾燥と消毒が撃退法だけどむっちーの体内を乾燥させる訳にはいかないの。」
廃「フリーズドライは?
因子バリアで囲ってフリーズドライすれば撃退できない?」
文「その辺はウボ=サスラ様に相談かな?」
“できるけど……テケリリなんで妖輔くんに甘えてんの?”
文「アルコール飛ばすのに火を使ったもので怯えちゃって……」
廃「ご主人、テケリリ怯えて無いよ?」
文「生まれたての仔鹿の様な足取りで……」
廃「下半身バンビに変身してるの余裕有ると思う。
つまりイチャついてるだけだぁ~!」
「「「「リア充倒すべし、慈悲は無い!」」」」
文「まさかふざけて作ったファンクラブ局中法度が自分に牙を剥くとは……」
D「もしかしたらあんたらあほと違いますか?」
あ「ドクター、この状況の何処にアホでない部分が有ると?」
文「こらそこのあほの親玉!無知村さん救出計画はどうなっとるの?」
あ「ウボ=サスラ様が潜水艦改造してます。
今回は戦闘用と検体採集用のツーマンセルで行動予定です。検体採集用はプロティユース、戦闘用はスティングレイを使用予定、採集用はウボ=サスラ様分身2号、夜叉丸、Dr.不真寺、操縦は書房補佐さんにお願いします。」
文「戦闘用は前の7名でいいの?」
あ「何があるか解らない以上前回の調査を重視します。
あなた達は想定以上の働きをしたからね。」
文「手抜きが足りなかったか?」
あ「聞こえているわよ特攻隊長!」
男「よし、長ランを用意しよう。」
廃「洋ランなら有るよ?」
テ「わぁなかなか見事な胡蝶蘭。」
文「廃油とテケリリは俺に何をさせようと?」
廃「ブブラちゃんの叔父さんの友達でゼンラニウムって吸血鬼が居るんだって。」
テ「で、その話してたらなのちゃんが食いついて……」
文「良く解らんがしないからな?あとテケリリはやっと元に戻ったか……」
テ「なんらと?あらひ酔ってないじょ!」
文「さっきいつものかわいい声で胡蝶蘭とか聞こえたが?」
男「あざす少佐!また文字とテケリリちゃんが二人の世界に入ってます!」
あ「そのままスティングレイに乗せといて。
最悪デコイに使えばいいから。」
“この人邪神より邪悪ですよ?”
男「アザトースの異名を持つ女ですので。」
廃「実際アザトース様の人間態の友達だし。」
あ「うるさいさっさと乗り込め!」
いろいろアルコール関係で不穏な噂が渦巻いている原作スレ界隈でございますが、お酒は楽しく適量でお願い致します。
テケリリのスピリタス云々はやり過ぎたかとも思いましたが、下手にストレートで飲めば死ぬし煙草吸ってたら引火するとか聞いて……
もうこれ酒じゃないなと。
さて次回は プロティユース先行するな!
第70話 新たな航海へ お楽しみに




