第63話 氷の園の卵
芸能玉金組……げいのうたまかねぐみと読む。
何かと言うとファンクラブが暇つぶしに立ち上げた特殊撮影プロダクションである。
文「盛「こんばんモル~。妾たちは今南極に来ていま~す。」からのこっちのテロップに移ってだな…」
まさか本当に南極でロケしていると思うリスナーもいないであろう。
阿智谷 盛 探検隊 南極の氷原にホタテ貝を見た!
と言うテロップが置いてある。
男「シャコ貝の方が通り良くないか?」
文「その辺は特に拘ってないので別にハマグリやシジミでも構わないが?」
博「シジミは無理だろう?小さすぎる上に黒いからな。もっと大きくて派手な方がいいんじゃないか?」
C「着色なんぞいくらでもできるがあまり派手な色だと毒持ってる様に見えないかな?」
文「その辺りウボ=サスラ様がうまくやってくれるでしょ。」
博「何にオファー取っとんじゃお前は?」
文「『撮影させて~?』【いいよ~、あたしも出して~?】『いいよ~女神様役でいい?』って感じでとんとん拍子に……」
男「信じられん事するな……」
文「主人公の娘アザトース様の憑依体だつったら今向こうのショゴス達と底なし沼掘ってくれてるとか。
ただ南極だから蠍や毒蛇が用意できないって残念がってたな。」
博「待て!ウボ=サスラ様もしかして藤岡弘探検隊見てるのか?」
文「どっちかと言うと何が起こっても解決できそうな藤岡隊長よりすぐにへたりそうでへたらない川口浩探検隊の方が好きだったらしい。藤岡さんなんでサイクロン号呼ばないんだろうつってたし。」
C「絶対変なごまかし方してるぞこれ。」
文「失礼な!契約で変身ベルト使えないからって説明したわい。」
博「小学生への説明かよ!」
文「実写のフィクション無いんだよあっちの世界。
みんなその程度できるかららしいけど。」
C「なん……だと……」
文「だから今ウボ=サスラ様変身ベルト作ってるよ?正確にはサイキックトレーナーとか……」
男「待て嫌な言葉聞いた。」
文「理論上戦術核5発程度の直撃じゃビクともしないそうなんで東ヨーロッパが焦臭くなってきたら投入予定だとか」
博「何言っても無駄っぽいな……」
文「パルナスの国にキャン言わせろって。」
「「「お前も行くんだろうな?」」」
文「俺?戦闘能力皆無だぜ?みんなを死地に追いやってショゴス達と温泉巡りを……」
博「お前そう言うだけで戦場行ったら帰って来るじゃないか。
この前の間蔵島でも生き残った挙げ句上陸部隊ほとんど引き連れて帰って来てるし。」
文「ショゴス達が凄いんで俺は何もしとらんぞ?」
男「地潜りくん、君の親方はこう言ってるが忌憚ない意見を聞きたい。
こいつが勇者か臆病者か意見が真っ二つなんだよ。」
地「はぁ……確かに隊長は自ら戦端を開く真似はしませんでした。
が、我々を信頼し作戦を任せてくれた時点で度量の大きい勇者と見ております。」
文「地潜り……その意見はありがたいが俺は横着な臆病者なんで君らに戦ってもらうしか無いのよ?」
地「もしかして臆病者と言うのは……」
博「文字の自称。平気で最前線に飛び込む癖にこんな事言いやがるんだよ。」
文「臆病者でないと要らん事させられるじゃないか!俺はショゴス達とのんびり暮らしたいだけなんだ!」
あ「南極に別荘建ててもいいわよ?」
文「その場合轟沈が有るのでいいです。
って原増 恋さんは明日ですか?」
あ「ええ、明日はオフなんでね。
倫ちゃん学校だし丁度良いでしょ?」
C「一応秘密基地扱いになるのか……」
あ「本当に南極に撮影に行くなんて思わないわよ!あと別荘の件だけど轟沈製造名目で資材持って行かなきゃならないから本当に作っていいわよ。」
文「偽装データはCGが完成させてくれてるのかな?」
C「だいたい終わってる。後は轟沈のコンピューターにデータ移してスパイ衛星に送信するだけだ。」
あ「本当に超敏腕よねあんたたち……そう言えば隣のエイリアン2巻はどうなの?」
男「全部丸川に渡しましたよ?やっぱり隙手間名義なんで後書き無しの目次はカバー折り返し。うちで描いた所は見る人が見れば解るでしょう。」
あ「また不良在庫か……」
男「献本来てるんで持って帰って下さい。
表紙は1巻の特典描き直し、ハートマークは1巻の自己トレス、裏表紙は1巻表紙そのままと素晴らしい出来になってますから。」
あ「え……あたし達これ売るの?……」
文「廃油が頭抱えてましたよ?作者代わったのかって。
作者アホウだって教えたら納得してました。」
男「たぶん売れないんで入荷数絞って下さいね?
でないと知らんよマジで。」
博「2冊位なら売れるかも……レイブンちゃんとあと1人程度には……あいつ人気有ったんですか?」
あ「はっは~、ないないそんなもん。
前巻実売5冊よ?文字くん買ったの入れて。」
文「俺達は何を聞かされているんだろう?」
あ「書店員の愚痴です、もうちょい付き合いなさい。
特典付きとか押し付けられなくて良かったわ……あれ書店側の買い取りになるからね。」
男「鬼殺しのカタナの時と逆の事言ってるな。」
あ「あっちは有るだけ売れたんだもん、そりゃ扱いも変わるわよ。
良いわよね放っといても売れるベストセラーって。
サボっておいて病気だの腰痛だの言った挙げ句地球征服しようとした馬鹿に慈悲は無いわ。」
地「少佐殿、彼奴はそんな事を供述しておるのですか?」
あ「ええ、だからショゴス達の供述内容とは独りだけ異なってるわ。自分を大きく見せたいんでしょうね。
今はガラスケースの中で震えてるわよ、まるでアルコール依存症みたいに見えるわ。」
文「それ本当にアル中なんじゃ?ショゴスもアルコール異状摂取でアル中になるんですよ?みんなには1リットル以上のアルコール摂取は禁止しています。」
地「ああ飲み過ぎるとアホになるってそう言う……」
文「うん、班長が調べてくれたからね。
完全分解されるまで次の飲酒は禁止。
じゃないと思考中枢が溶けてくるから……」
男「本当にお前ショゴス達に関しては凄く勤勉だな……
普段横着な癖に。」
文「放っとけ!」
ごめんなさい、途中から⚪川書店の某宇宙人漫画の愚痴になってしまいました。
これは本当に酷かったもので出来れば皆様におかれましてはご購入をお避けいただきたく敢えて書かせていただきました。作品のヒントは作中の人物に言わせております。本日発売なのですが(フラゲしたの見せてもらいました)……本当に後書き無しって……読者の皆様に感謝してないのかあいつは!
と、私だけ怒ってても仕方ないので。
次回は やっとロケーション出発。
第64話 カメラマンの後に盛様は洞窟に入る
お楽しみに。