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やまぐちブックストアダイアリー  作者: 着ぐるみ人形あき
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第58話 血の雨が降る街に

 チ“兄さんらようさん居てまんねんな……”


その日夜20時、ショゴス達は台戸ビートルジュース教会を包囲していた。


博「そのまま教会使うって俺達馬鹿にしてんのか?」

あ「文字クンが堂々と宣戦布告したから諦めたんじゃない?あんた達ニンジャウォーリアーだと思われてるわよ。」

文“ショゴス隊、透明に!”


ぼうっとテケリリ以外のショゴスが透明になる。


文「さて、ンダーオ司教、おられますね?今日は何故かこのニーナちゃんが襲われていた件について質問しに参りました。私はチャイルドセブンの文字と申します。」

ン「彼女は対吸血鬼戦闘職員でしてな、吸血鬼に襲われていたのでしょう。」


わざわざ2階のキャットウォークから登場するンダーオ。


文「なるほど、では吸血司教と戦うのは想定範囲内ですね?」

ン「私が吸血鬼の様に聞こえますが?」

文「そう言ったのです。きちんと聞いて頂けた様で重畳です。証拠としては……チャーリー!おいで……この子のパスが()()()()()()()()()()事実を提出しましょうか?」


ンダーオが何かを手から飛ばすが透明化した廃油の防護壁で阻まれる。


文「問答無用で攻撃ですか……ヴァチカンが見たらどんな感想が出るか楽しみですな。」

ン「貴様らは異教徒か?」

文「ああ、アザトースとウボ=サスラの信徒だよ。異教徒ってあんたみたいにキリスト教徒でありながら蛇神(イグ)信じてるとかかい?」

ン「まさか貴様がイグ様の言っていたアザトースとウボ=サスラの加護を持つ者か?」

文「判断遅すぎるわ!ねぇフランシス教皇?」

ン「この場で貴様を亡き者にすれば……」

文「遅いって。教皇猊下には特別生中継を行っている。日本から12時(お昼タイム)のプレゼントだ。カメラマンはショゴス隊の皆さんでCGがそれを編集、翻訳してヴァチカンにお届け。あ、あんたの顔以外はモザイクかかってるので悪しからず。俺達もそうそう好かれちゃいないんでね。さてどうする?大人しくしてりゃ無傷でヴァチカンに送ってやるぜ?」

ン「……地獄に落ちろ。」

文「ありがとう、お先にどうぞ。伸び縮み、拘束頼む。思考波の漏れと毒蛇に気を付けてくれ、イグの()り方だ。」

ン「ククク…さすが日本の工作部隊は甘いな。」

文「殺しはしない。ショゴス達に変な影響与えるかも知れないからな。今うちのトレンドで南極越冬裸祭りってのがあるがやってみるか?」

博「文字文字、今南極は夏だぞ?」

文「表に放り出しとけばゆっくり冷凍されるだろ?夏でも零下なんだから。」

博「まぁスコットは零下30度近いがエスペランサでは2020年に18,3度を記録してるんで南極刑は4月まで待て。敢えて轟沈を見せる事も無いだろう?」

文「そうだな、ダイショちゃんに会いたかったんだが……」

博「それを先に言え!さぁ行こうすぐ行こうぱっと行こう!」

男「欲望に忠実だな……」

ブ「あたしとニーナちゃん要った?」

文「あいつが知らない真祖と行動を知る部下は必要だよ。まぁここからは俺達の守備範囲だ。」

ブ「ニーナちゃん護れる?」

文「護る。ヴァチカンと喧嘩してでもな。ってブブラちゃん、書店ちゃんとA-10ちゃん呼んできてもらっていい?南極行こうって言えばいいから。」

ブ「わかった、呼んで来る。」


ブブラがやまぐち書店に駆けていった後……


文「出て来なよ。イグの一味だろう?」

「ソのおトこをわタセ。」

文「無理。ただしお前達がこの街を襲わないならイグの情報は秘匿してやろう。」

「信ジろと?」

文「人間信頼は大切だぞ?」

「キさまノシんライなド……」


男が鈍く光る物を出した時、ニーナは自分の手首を切っていた。


二「血針雨(ブラッドレイン)!」


ニーナが撒いた血は男にのみ降り突き刺さる。


テ「ところでこの人誰?」


何が気に入ったのか蛇人間(ラミア)形態のテケリリが顔を出す。

それを見た男は……


「蛇も愛すルか……ワかった、わレは去ロう。」


文「ああ、イグによろしく伝えてくれ。廃油、傷治してやってくれないか?」

「要らヌ、ウボ=サスラの使途二逆らっタ報いとしテ必要でアる。」


ブブラが書店ちゃんとA-10を連れて帰って来ると開口一番ブブラに叱られた……


ブ「文字さん!何で護ると言ったニーナちゃん血を流してるの!」

文「いや急な戦闘がありまして……」

二「あ、これ造血ラムネが効き過ぎて……」

ブ「ダメよ!手を出しなさい。」


愛しそうにニーナの手首を舐めるブブラ。傷は痕形もなく治癒している。


ブ「あれ?この血どこかで……」

二「中国でキョンシーに襲われた時よ。やっぱりあのお姉ちゃんだったのね!」

男「中国?」

二「中国の吸血鬼シンジケート潰すのに派遣されたらなにしろ数が多くて血が足りなかったのをブブラお姉ちゃんが通りかかって全滅させた上に傷治してくれたの。」

ブ「あ!去年の天津!……あの時あなた眼鏡かけて無かった?」

二「うん!思い出してくれたのね!あの時お姉ちゃんがヴァンパイアハンターなら眼鏡よりアイパッチで個性を生かしなさいって……」

男「眼帯の犯人はブブラちゃんだったのか。」

な「なの達は何を見せられているの?」

え「離ればなれになった戦友同士の再開だ。黙って見てろ!」

あ「あんた達はなんで来たのよ。」

な「徒歩なの。」


ごん!


あ「どういう理由で来たかってお姉ちゃん聞いてるんですけど?」

え「南極と聞いてこいつは暖かいとこ行きたいのと……」

あ「ホログラフ起動してきたわね?」

え「ああ、閉店作業も終わってるよ。」

あ「これ秘密だからね?誰にも言っちゃダメよ?」

な「フリなの。」

あ「違うわ!」


一抹の不安を感じつつグランハイツ台戸(防衛軍秘密基地)駐車場へ、外は跡隠しの雨が降り出している。


あ「転送装置起動。」

文「スターゲートシェブロンワン……クリア。」

廃「電影クロスゲージ明度20。」

男「スイッチ入れるだけだから遊ぶなお前らは……なのちゃん何故脱いでんの?」

な「南は暖かいからなの。」


なのちゃんの勘違いを訂正する者は居なかった……

やがて転送装置が鈍い光を放ち始め……消防設備管理室の温度がグッと下がった。

吸血司教編はもう少し続きます。その後は(本当は誕生日回にやりたかった)クソ漫画ハンターレブンを日常回としてやる予定でおります。盛様の妹も忘れてはおりませんのでご安心ください。

さて次回は トップに近い人物が外国で悪さしてたのがバレたら……第59話 ソルピエロ激震

お楽しみに。

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