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やまぐちブックストアダイアリー  作者: 着ぐるみ人形あき
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第38話 阿智谷 盛の女神配信本番

 「こんばんモル~! 阿智谷 盛の女神配信、今夜もスタートモル~!」

「はい、と言うわけで今夜も始まりました妾の女神配信なんですが……プロデューサーが用意したスーパー剣ウスはクリアできませんでした~。そこで今回妾の信者の中から助っ人をお願いしました。とある書店の従業員、なのちゃんで~す。」


おおぉ~!


「更に今回は妾の友達にカメラや音声をお願いしました。なんでちょっと大袈裟な音が入っても……仕様です!」

「……文字さん何背負ってるなの?」


文字はテロップに

[テケリリが進化途中で動けないんで背負って来た]

と書いたのだが……


“モジさん?”

“誰?モジさん誰?”

“不知!”

「信者のみんな~、文字さんってなのちゃんの書店の常連さんで今日の音声担当なのよ~。あとこのなのちゃん、実は男の娘で~す!」

“なんと!”

“かわいい上にちんちん付いてるからお得!”

“見せい、男根見せい!”

「ありのままのなのを曝すのは平気なの。」

「やめて!信者のみんなも煽らないの!この子の日課は全裸散歩らしいんだから、このチャンネル潰れるわよ。え?何文字さん?試しに脱がせてみたらって……」

[汚いの映らない様にCGが待機してます]

「なのの男根の何が汚いなの?そこまで言うなら……」


なのちゃんが瞬間脱衣機構のトリガーに手をかけた。刹那、男根が描いたメダルカードが股間に貼り付く。


「こんな事も在ろうかとなのちゃんにスクランブルモザイクを仕掛けておいた?って横に居るとすっぽんぽんのままなんだけど……あなた達何者?」

「無職の集団なの。」

「あなたは服着なさい!とりあえずなのちゃんが脱いでもチャンネル削除は無かったのは助かったわ……んじゃゲーム開始!」


なのちゃんの自機ビック・リ・バイパーが敵を蹴散らして行く……


[文字 解説するならこれ使え コメントに割り込める]

[サンキューCG モルさん 今からコメント欄で解説します]

「戦闘解説がコメント欄に移ったところで1面クリア!2面目は縦シューティングに変わります……って敵多っ?」

[あれCGが昔作った絶対クリアできないゲームなんで……プロデューサーどこから持って来たんですか?]

「なんとこのゲームの製作者がここに居るようです!ってクリアできない?」

[これはアルゴリズム弄ってクリアできるようにしてありますよ]

「とか言ってる間に最終面だぁ~!なのちゃん危なげもなく最終ボスの前に飛び出す~!そしてボスの足元で……自爆ぅ~?」

[あのボスはプレイヤーがミスしないほど硬くなります ここで自爆する事により硬さを初期値に戻したんです]

「ということはノーミスクリアは不可能ですか?」

[頭部の4つの目が弱点ですがあそこにノーマルショット10発ずつ撃ち込まないと生命維持装置が露出しませんので……かなり時間がかかりますよ?今なら一発当たれば一つ潰れますが ノーミスクリアでもメッセージ一緒なんで拘る意味は無いです]

「その時点でクリア不可能ですね。」

[なのちゃんみたいに人間離れした動体視力と反射神経持ってればなんとか……あ 安地(安全地帯)見つけましたね]

「敵の弾が来ない場所ですね?」

[5秒以上滞在するとホーミングミサイル撃たれて安地が移動します]

「どれだけクリアさせたくないんですか?」

[いえ 安地はクリアさせる為にわざわざ作ったボーナスです]


地球人類よ、よくここまでたどり着いた!ここからはイスの王自らが相手してやろう……


「あ、メッセージ表示中に撃破した。」

[別に待っててもアレ自体は弱いんですけど超能力で自機を止めに来るんであれが正解です]


画面にヒエログリフが表示される……


《全てのイスの偉大なる種族に告げる。貴様達はやり過ぎた。直ちに自害せよ!ナイアーラトホテップ。》


そのヒエログリフに重なる様に日本語が表れる。


「おめでとう。君の奮闘により地球人類は守られた。しばし休み再び戦いに赴け!地球連邦宇宙軍。」


そしてヒエログリフは消え日本語のみを残した状態でビック・リ・バイパーが表示板を突き破る演出のアニメーションが入り……Fin


「妾クソゲーだと思ってたけど結構いいじゃない。」

[粉海のプログラマーだったCGが出したかったゲームですから ただスポーツ事業に移行して没になったんで切れたCGがクリア不可能にして来ただけの物ですよ]

「文字さんも思う所が有りそうですが?」

[ハムドライバーで過激に動くフィギュア作ってそのノウハウでバトル神姫ってシリーズ作ってたんですが シリーズごと無くなったんです アレは私の青春でした]

「さあ、話も暗くなったところで次回配信は……大きな声で言えない秘密のBL談義で~す。」

「なのも参加したいの!」

「とりあえずあなたは何か着なさい!字守も苦労するわよね……」

「女神様あの年増の知り合いだったなの?」

「その年増は鬼の形相であなたを見てるわよ?ではまたSee you next stream  バイモル~!」



「何なのだあのメッセージは?」


プロデューサーが焦っている。

粉海から没になったゲームを借りだしメッセージを改変したと言うのに更に改変し直されていた……しかもナイアーラトホテップの紋章(エルダーサイン)入りで……邪神達が人類保護に動いたと言うのか?あり得ない!有ってはいけない!


「お前先日の祭の時にショゴスけしかけただろう?顛末は知っておるか?」


ショゴスリーダーが裏切ったとショゴスロードが言ってきたが……


「あの時ショゴス達は反乱を仕掛けた。ショゴスの為に片腕を犠牲にする[敵]の為にな。そやつは今地球のショゴスマスターと認められた。ヌガー・クトゥンとも親交のある男だ。アザトース様は喜んで地球を保護惑星にしたわ。」

「そんな……」

「そやつがあのメッセージに気付き、アザトース様にあなた様の計画かと聞いてきた。その場に我も喚ばれ貴様達の勇み足であると証言した。」

「ナイアーラトホテップ様……」

「地球のショゴスは臭いが無い、何故か解るか?」

「あれは数億年経っても……」

「地球のショゴスマスターは自分たちと同じ食い物をショゴス達に与え、数ヶ月で無臭にしおったわ。此度のショゴスリーダーは佳きショゴスマスターを選んだものよ……さて、もう良いか?()()()。しばし我がネズミ(ブラウン・ジェンキン)に宿っておれ。このプロデューサーに体を返すのだ。」


ナコトはおとなしく言われた通りにしていた。





ああ……どんどん風呂敷が広がっていく…… 

いつもお読み下さりありがとうございます

筆者(作者ではありません、作者はやまぐち書店スレの皆さんです)ですが苦し紛れにポンポンと危ない設定を……

これで筆者実はクトゥルフ読んだ事無いと言ったらどうなることやら……

さて次回は、ようやくテケリリちゃん復活です。

第39話 地球のショゴスロード

お楽しみに


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