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やまぐちブックストアダイアリー  作者: 着ぐるみ人形あき
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第28話 間蔵島再び

 「男根の夏がやって来たなの!」

「何不穏な事言ってやがんだ露出狂!」

「新生物の夏がやって来ました!」

「班長……恥ずかしいから止めてくれ。テケリリもくねくねしないの。」

「妖怪達が夏を刺激するナマアシ魅惑のまぁ冥土♪」

「出すとこ出して大きくなったらいよいよ彼氏とやれ爽快♪なの。」

「間違ってるから止めなさい。ってか今テケリリにナマアシ無いからな?」

「なののは大きくねぇだろうが……文字さんも苦労するねぇ……」

「2号さんも……」

「あ!ちょうどよかった!あんた達島行かない?」

「あざすさん?また唐突だな?」

「あの漁協有ったでしょ?あそこコロナで壊滅なのよ……」

「ストロンガーさん、それは我々が聞いても大丈夫なんですか?」

「もちろん、宿舎は消毒済みだし施設は何使っても良いわよ。XOXOちゃんやプロロちゃんも行きましょう。」

「是非!」

「待て慌てるな、これは孔明(あざす少佐)の罠だ。」

「勘のいいファンクラブは嫌いだよ。」

「……2号さん、あの2人何言ってるんですか?」

「たまにああやって符丁で会話するんだよね……」

「おそらく男と女の会話なの。下手したら隠し子位……」

「テケリ?」

「ここに居たなの!」


あざすさんとえびちゃんのクロススラッシュを受けてなのちゃんは沈黙した。


「とにかく、1週間後に間蔵島に出発。アシは用意するわ。」

「あ……拒否権無さげ。」

「やまぐち書店の慰安旅行に付き合えるんだから我慢しなさい。」

「水着はふんどしですか?」

「なのちゃんが喜ぶので却下です!」

「キャンプファイヤー並びにバーベキューは?」

「花火も許可します。どんどん焼きなさい!」

「悪霊化はしてないんですね?」

「………………」

「文字さん?それは何?」

「ストロンガーさんがやたらに早口で旅行を促す、つまりストロンガーさんには対処できない事態が起こった。1週間後って事は閉じ込めに成功してると見られる。で、最後にこの人お化けが怖いからカマかけたら沈黙が何より雄弁に状況を語っていたと。」

「でもテケリリは平気だよ。」

「君は俺の娘だから!」

「父ちゃん!」

「何か始まったなの。」

「私も最近知りましたがあれ文字くんの交渉術らしいです。あとテケリリちゃんへの愛情表現。」

「でも何で一ツ目幽霊なんだろう?」

「ショゴスロードが人間は怖いから逆に人間が怖がる姿しろって……」

「隙手間のアホはろくなこと言わんな。」

「で、1度身体設定したらしばらく戻れなくなって……」

「構わん構わん、テケリリが可愛いのはストロンガーさんの接し方で判る。怖いお化けなら平気で話せないだろう。世界一可愛いお化けだよ~!」

「文字さんも何か壊れてきたの……」

「いや、あんなもんですよ?特に廃油やテケリリちゃんと遊んでる時とか。」

「で?やってくれるの?」

「作戦にテケリリも組み込んでいいならやれますが?」

「あんた達の要求蹴った指揮官がどうなったかは知ってるわよ?と言うかテケリリちゃん連れて行きたいだけでしょ?」

「この子と廃油に海を見せてつかぁさい。」

「あ~!端から反対する気無かったなぁ~?」

「ストロンガーさんの願いを断れるファンクラブではないので。」

「なら最初から言ってくれればいいじゃない?」

「それはそれでつまらないじゃないですか!なぁみんな!」


ぞろぞろ出て来るファンクラブ員。


「どの辺から聞いてたのよ?」

「あの漁協有ったでしょ?あそこコロナで壊滅なのよ……辺りから。」

「最初からじゃない!」

「で、どんな化け物なんですか?」

「水晶でできた犬っぽい汚い人らしいけど……」

「ティンダロスの猟犬かねぇ?」

「いや2号さん、どっちかと言うと混血種の方なんじゃ?」

「ティンダロス系統なら廃油が食べるよ?」

「んじゃ単体なら勝てるね。」

「感じ的にはぐれて紛れ込んだと思われるの。でなきゃ島がティンダロスの種族で埋まってしまうなの。」

「ちょっとあんた達、四人で勝てる様な事を……」

「いや、あざすさん、四人じゃねーよ。文字さんと廃油とテケリリちゃんの3人だ。」

「念のためショゴス達も呼んでください。」

「……あんた達ケイオスシーカーにでもなるつもり?」

「給料増えるなら……テケリリと廃油に高級松阪牛を食べさせたい。」

「お父ちゃん!」

「娘よおぉ!」

「文字あれ気に入ったんだな。」

「テケリリちゃんに抱き付きたいだけじゃね?」

「中学になると娘から嫌われるんだ……」

「文字、強く生きてくれ。」

「やかましいお前らは!で、班長はショゴス達纏めといて。最悪の場合数の暴力で食い尽くすから。今回スーパーワンさんにロボさん、無知村さんに斉藤さんは使えない。できるだけ離しておいて欲しい。」

「聞き捨てならないわね。古来妖怪退治は武道家の仕事よ。」

「斉藤さん、ショゴスにアックスボンバーが効くなら手伝いを頼みたいけど今回は分が悪すぎる。さらに斉藤さんまで混血種になったら打つ手が無くなる。聞き入れて欲しい。」

「勝算は有るのね?」

「当然!」

「上等、骨は拾ってあげるわ。」

「何か決死隊みたいだな?」

「普通そうなる物デスぞ?特にティンダロスとか平行宇宙の化け物なんですカラ。」

「あれ?ヌガーさんも行くんですか?」

「いえ、私は週間真潮をいたダキに……」

「ヌガーさんも一緒に行きましょうなの。」

「私も戦力になりまセンよ?」

「戦力が欲しいのじゃなく友達と一緒に行きたいだけなの。全部文字さんがやってくれるの。」

「あの桃色の彼は手伝わンノですカナ?」

「XOXOちゃんは進化したばかりなんですよ。」

「なるほど、それも含めての勝算デスな?」

「ええ、コニー先生からXOXOny、XOXOnia、XOXOdoriの進化データもらってフィードバックさせてますからねぇ。おかげでテケリリが凄いスピードで飛び回ってます。あと私も足早くなったような……」

「ショゴス系の進化データは余程気を許した者でないと使えまセンよ。逆に一定以上に気を許すとその主人にフィードバックが行きマス。文字サンの足が早くなったのはテケリリちゃんのフィードバックだと思いマスよ。」

導入だけで1話使ってしまいました……水着回は何時になることやら……

一応今回の顛末はあざすさんが説明していた通りですが……事の重要さは全然言ってないような……

次回、第29回 死の島に飛べ

お楽しみに

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